2013年9月3日火曜日

米機関にスパイされていたブラジル大統領が緊急会議


 ブラジルのグロボTVファンタスチコは9月2日、ヂウマ・ルセフ大統領の電話、携帯電話、電郵(eメイル)、側近との交信などがすべて傍受されている、と伝えた。リオデジャネイロ在住のグレン・グリーウォールド記者が米NSA(国家安全保障局)の元職員エドゥワード・スノーデン氏から得た情報として報じた。

 これを受けて大統領は同日急遽会合を開き、対応を協議した。外務、防衛、司法相らが出席した。一部情報では、10月予定の大統領訪米の中止も検討されている。

 会合に先立ち外相は、ブラジル駐在米大使に説明を要求した。

 先に発覚したNSAによるブラジルへのスパイ活動で悪化した伯米関係を修正するため、大統領が訪米することになっていた。そこに輪をかけるように暴露された新たなスパイ活動で、両国関係がさらに悪化、停滞するのは避けがたい。

 同TVは、NSAは「未来への挑戦は何か」というテーマで「友人か敵か問題か」という設問をし、外国をスパイしていたとも伝えた。

 ブラジルは、エジプト、インド、イラン、メキシコ、サウディアラビア、スーダン、トルコ、イェーメンの、スパイ対象国家グループに組み込まれ、その筆頭に挙げられていた。

 また、欧州13カ国、ブラジル、メキシコ、日本を、通商戦略の観点からスパイしていた、とも報じた。
 

 [夏目漱石は作品の中で、探偵を最も忌み嫌うべき職業と書いている。探偵とは、他人の秘密を探るのを商売にしている下劣な人種を指す。ノーベル平和賞のオバーマは今や、探偵に成り下がってしまった感がある。]

キューバ外務省が米国のシリア攻撃意思を糾弾


 キューバ外務省は9月2日、長文の声明を発表し、米政府のシリア軍事攻撃意思を「広汎な国際世論を無視するもの」として糾弾した。

 声明は、主権国家の自決権を侵してはならず、軍事介入でさらなる流血を招いてはならないとし、内戦は当事者間の対話や外交努力を通じて収拾を図るべきだ、と訴えた。

 また国連安保理に攻撃を抑え込むよう求めるとともに、全加盟国が参加できる国連総会も行動を起こすべきだと主張した。

 シリア問題でキューバは、激しい口調で米国を非難するベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領の陰にすっかり隠れていた。対米関係改善を求めているからだが、ここに至って声明発表に踏み切ったのは、従来のキューバ外交との「整合性」を図る必要が生じたからだ。

 ラウール・カストロ政権にとって対米関係は最優先課題の一つだが、対米批判の立場をここで打ち出しておく方が得策との判断もある。

2013年9月2日月曜日

チリ大統領が9・11クーデター40周年行事で談話


 チリのセバスティアン・ピニェーラ大統領は8月31日、ラ・テルセーラ紙面で、9月11日に軍事クーデター40周年の政府行事を執り行うことを確認し、「9・11は極めて重要な歴史的瞬間であり、国家行事を通じて思い出す必要がある」と指摘した。

 また、「それを忘れ否定し、犯した過ちを絨毯の下に隠そうとするのは誤りだ」と述べた。

 一方、社会党など、クーデターで押しつぶされたアジェンデ社会主義政権の流れを汲む政党や、ピノチェー軍政をいまだに肯定し礼讃している右翼勢力も別途、記念行事を準備している。

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   20:30-21:30(カジュアルなレストランでの懇談会)
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 定員:25名
 お申込み:イスパニカ 03-3630-9711、 hola@hispanica.org
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ベネズエラ大統領が米大統領に書簡送付


 ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は9月1日、バラク・オバーマ米大統領に、「ベネズエラと、人類を愛する人々の声を代表して」、シリアを軍事攻撃しないよう求める書簡を送った、と明らかにした。

 一方、エリーアス・ハウーア外相は同日、シリア、イラン両国の外相と電話会談し、連帯と、外部からの軍事攻撃反対について話し合い、一致した。

2013年9月1日日曜日

映画「ジンジャーの朝」トークショーでキューバミサイル危機を語る

 映画「ジンジャーの朝」が8月31日、渋谷の「シアター・イメージフォーラム」で封切られた。4回目の上映に先立つトークショーで、伊高浩昭が、物語の背景にあるキューバ核ミサイル危機について語った。以下は、その要旨:

 キューバの核ミサイル危機は1962年10~11月に起きました。キューバの社会主義体制をUSAの攻撃から守るという理由で、当時のソ連、今のロシアですが、核弾頭を搭載したミサイルをキューバ配備し、米国を狙うようにしたのです。その証拠をつかんだ米国のケネディ大統領は、ソ連のフルシチョフ首相に撤去するよう求めました。撤去しなければ断固対抗すると言いました。世界中が核戦争の瀬戸際に追い込まれた瞬間でした。
 当時、私は19歳、大学1年生でした。新聞学科というところでジャーナリストになる勉強をしていたので、同世代の若者よりも多く情報を得て分析することができました。ジャパンタイムスなど英字紙を毎日読んで、ニュースを追っていました。しかし当時はインターネット、パソコン、スマホ、携帯電話などは一切ありません。誰もが自宅で新聞と、テレビとラジオでニュースを把握していた時代です。
 ですから現代のような事件の「臨場感」とか「劇場型同時進行性」はありません。いかに重大な出来事であっても、遠い外国の出来事であれば、のんびりと構えていたものです。しかしキューバ危機の時は違いました。現代のような生々しい映像や音声に触れられないからこそ生まれる想像力が特に働き、見えない状況への不安を醸したのです。
 世界の戦争は通常兵器の時代から、広島・長崎を経て核戦争の時代に突入しました。世界は、第2次世界大戦終戦から17年にして核戦争の危機に陥ったのです。ニュースを知っていた人ならば誰も、深刻な不安に陥ったはずです。青年だった私もそうでした。それは日常性を超え、日常性を否定したり破壊したりする得体の知れない大状況への際限ない恐怖でした。
 原爆を歴史体験として持つ私たち日本人は、その2年前の日米安保反対闘争で最大限に浮かび上がった日米安保条約や、米軍基地が日本にたくさんあることによって、ソ連から核攻撃されるのではないかと恐れていました。 
 この映画の監督サリー・ポッターは当時13歳の少女でした。この冊子に書いてありますが、「世界が終わるのではないか」と思っていたそうです。その思いが、この映画の主人公ジンジャーに投影されています。ジンジャーは詩を書く、早熟で多感で賢い娘さんです。おそらく監督自身がそうだったのでしょう。この映画は、ジンジャーを通じて、個人の日常が全く計り知れない次元で世界的な大惨事・大事件に巻き込まれてしまいかねない恐るべき不条理を警告しています。
 しかし、少女には理解と想像力の限界がありました。だから彼女は日常性から独り浮き上がり、終末論的な不安に人一倍駆られたのです。実際は、米ソ両国が話し合い、核戦争は回避されていったのですが、彼女の恐怖はなかなか消えません。
 ところが、危機が収拾過程に入ったのと反比例するように、ジンジャーの日常性が大きく膨らんでいきます。両親の不仲、ジンジャーが母の元を去り父親と同居すること、その父親がジンジャーの親友ローザと関係しローザが妊娠してしまうこと、それを知ったジンジャーの母親が自殺を図ること。。。日常性の大きな暗転です。
 このクライマックスで現実に引き戻されたジンジャーは、一命を取り留めた母が搬送された病院で父とともに母の容体を気にしながら、詩を綴り、父親らを許すのです。ジンジャーの朝は明け、短期間に大きく成長したジンジャーがそこにいました。
 監督は、核ミサイル危機と英国の少女の生き方を結びつる風変わりな手法をとりながら、見事に着地させました。この映画は若者も年配者も、当時を知る私のような世代も、誰もが味わえる、観応えのある優れた作品だと思います。
 翻って日本をながめれば、2年半前の東電福島原発大事故が大状況として依然、私たちの頭上に、足元に、水の中に、放射能を伴って存在します。私たち一人一人が日常性と原発という大状況をどう関連させるか、生きたテーマがあります。
 また世界では今、米国がシリアを軍事攻撃しようとしているため、これが大状況となって、圧迫感を醸しています。これも自分の生き方、日常性と絡めればどうなるか、考えるべきテーマでしょう。
 私は、51年前のあのミサイル危機を自分の生き方に関連させて悩み考えた、主人公ジンジャーとポッター監督に拍手を送ります。
 

ベネズエラ大統領が「米議会は世界法廷ではない」と糾弾


 ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月31日、隣国ガイアナの首都ジョージタウンで、ドナルド・ラモター大統領と会談し、第5回両国高級合同委員会に出席した。その後、シリア攻撃を準備している米国を厳しく批判した。

 マドゥーロは、「シリアへの軍事攻撃は犯罪的性格を持ち、断固反対する。諸国間には違いがあって当然なのに、ある国が他国の在り方を判断し裁けば、世界中が無制限、無法な恒常的戦争状態に陥る。米大統領は国連など国際機関に代えて自国の議会に開戦支持を求めているが、米議会を世界法廷のように考えている」と糾弾した。

 続けて、「世界の平和の良心は、今日から最大限の警戒態勢に入る」として、攻撃反対の国際世論形成を呼び掛けた。

 同大統領は30日にも、スリナムでの南米諸国連合首脳会議でシリア攻撃反対を訴えた。スリナムからの帰途、ガイアナを訪問した。

2013年8月31日土曜日

南米首脳会議がシリア攻撃反対を宣言


 第7回南米諸国連合(ウナスール)首脳会議は8月30日、「パラマリボ宣言」を採択して閉会した。宣言は、風雲急を告げているシリア情勢に多くが割かれた。

 「国連調査団の報告を待つべきであり、国連憲章に違反する外部からのシリアに対するいかなる軍事攻撃にも反対する」と、宣言は謳っている。

 同時に「いかなる形でも化学兵器使用は糾弾する」、「外部からのシリアへの兵器供給の中止を要求する」とも主張している。そして「両当事者間の対話」を呼び掛けた。

 ウナスールについては、「官僚主義を排するための改革」を宣言に盛り込んだ。また外相会議に対し、2カ月以内に行動計画まとめるよう指示した。それは工業、経済、金融、防衛、保健、エネルギー、教育、識字、および資源開発について策定する。
 
 シリア問題は、ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領が主導した。チャベス前政権以来の石油資金に物を言わせた外交的影響力が依然続いていることをうかがわせた。