2014年7月31日木曜日

安倍首相がコロンビア訪問、和平交渉支持を表明

 安倍首相は7月29日、ボゴタのナリーニョ殿堂(大統領政庁)でコロンビアのフアン=マヌエル・サントス大統領と会談した。双方は、2012年から交渉してきた経済連携協定(EPA)の早期調印で合意した。

 安倍は、コロンビアと日本は民主と法治という価値観を共有すると述べ、暗に「民主集中体制」の中国を念頭に置いていることを示した。また、コロンビア政府がハバナで続けているコロンビア革命軍(FARC)との和平交渉を支持すると表明した。

 これに対しサントスは、両国106年間の交流で初めて日本の首相が来訪したと、安倍訪問の意義を讃えた。安倍はまた、代替エネルギー源として、コロンビア北部での炭坑開発に意欲を示した。

 安倍は30日午後、チレの首都サンティアゴに到着し、日系社会代表らに会った。

 

米政府がベネズエラ高官たちの入国を禁止

 米政府は7月30日、ベネスエラ政府高官たちの米入国を「人権蹂躙」を理由に許可しないことにした、と発表した。だが対象者の氏名や人数は公表していない。

 今年2月以降、ベネスエラ各地で相次いだ、マドゥーロ政権打倒を狙った反政府街頭暴力事件で、「治安当局が弾圧などにより人権を蹂躙した」というのが理由。

 だが、この一連の街頭暴力事件はベネスエラ内外の極右・保守勢力が米機関、内外マスメディアと連携して起こした「時間をかけて進行させるクーデター」の試みだった。治安部隊の「人権蹂躙」を一方的に主張するのは当たらない。

 暴動事件続発中、ラ米の大勢と、南米全体は、マドゥーロ政権を支持していた。

 今回の米政府決定は、カリブ海のオランダ領アルバが、米政府の要請で逮捕していたベネスエラ軍諜報局(DIM)のカルバハル元長官を27日釈放したのを受けて打ち出された。

 元長官釈放は「米外交の敗北」と受け止められている。その腹いせと、マドゥーロ政権打倒工作の失敗への腹いせから、今回の決定に至ったと勘ぐっても、あながち間違いではないだろう。

ヒラリー・クリントンが対キューバ経済封鎖解除を望む

 米民主党の次期大統領有力候補ヒラリー・クリントン(前国務長官)は7月30日、米西語テレビ放送ウニビシオンによるインタビューで、米政府による対クーバ経済封鎖は失敗したと述べ、封鎖解除を望んでいることを明らかにした。

 ヒラリーは今年刊行した著書『難しい選択』の中でも、同じ意見を打ち出している。ヒラリーは、関係正常化を希望し、「いつかクーバを訪問したい」ともインタビューで語った。


 一方、クーバのサンティゴ市にある「7月26日英雄死没者廟」で29日、1953年のモンカーダ兵営襲撃に参加した女性弁護士メルバ・エルナンデスの遺骨が埋葬された。メルバは3月9日死去した。

 式典では、やはり襲撃に参加した革命司令官ラミーロ・バルデス(副議長)が弔辞を読んだ。アベラルド・コロメー内相、エステバン・ラソ国会議長も参列した。
 

2014年7月30日水曜日

メルコスール首脳会議が広域経済地域結成で合意

 南部共同市場(メルコスール)は7月29日カラカスで第46回首脳会議を開き、メルコスール、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)、カリブ連帯石油機構(ペトロカリ-ベ)、カリブ共同体(カリコム)にまたがる経済地域を結成してゆくことで合意した。

 招かれて参加したカリコム加盟のセントヴィンセント・グラナディーン首相ラルフ・ゴンサルヴェスと、中米統合機構(SICA)加盟のエル・サルバドール大統領サルバドール・サンチェスは、経済地域結成への賛意を表明した。

 首脳会議はまた、「南銀行」開行促進、南米を平和地域として維持するための対話による団結強化、BRICSとの連携強化、パレスティーナに侵攻し虐殺を続けているイスラエル糾弾、を決議した。

 ボリビアは6番目の加盟国としてあらためて認められた。出席したエボ・モラレス大統領は、加盟手続きが最終段階にあることを明らかにした。

 メルコスールの輪番制長国は、ベネスエラから亜国に移った。クリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル大統領は、今会議が、一部債権者から返済を迫られ拒否している亜国政府の立場を支持したことに謝意を表した。

 この日、会議に先立ち、加盟5カ国とボリビアの大統領計6人はカラカス中心部のシモン・ボルーバル広場を訪れ、ボリーバル像に献花した。   
 
 

安倍首相歴訪に覆いかぶさる「中国の影」

 ラ米・カリブ諸国歴訪中の安倍首相は7月28日、トゥリニダード・トバゴ(TT)訪問を終え、コロンビアの首都ボゴタに到着した。TTでは首都ポートオブスペインで、TTおよびカリブ共同体(カリコム)首脳らと首脳会議を開き、個別会談した。だが、カリコム首脳14人のうち5人が欠席するなど、盛り上がりはいま一つだった。

 TTのカムラ・パサードビセッサー首相との27日の会談で安倍は、東京にTT大使館を開設するよう要請した。これに対しTT首相は外務省と検討すると応じながら、投資受け入れなどを扱う経済代表部をまず開設する可能性に触れた。それが将来的に大使館に格上げされる場合、TTだけでなくカリコム代表部の機能を備えることになる、説明した。

 安倍は27日、カリコム輪番制議長国アンティグア・バーブーダのガストン・ブラウン首相、およびTTと並ぶカリコム大国ジャマイカのポーシア・シンプソンミラー首相とも会談した。ブラウン首相は、安倍首相とカリコム首脳の会合が開かれた28日には、カラカスでのチャベス生誕60周年記念行事に出席している。

 安倍は28日のカリコムとの首脳会議の後、バルバドス、ドミニカ、グレナダ、セントキッツネーヴィスの首相、ガイアナおよびハイチの大統領とそれぞれ個別会談を行なった。

 ジャマイカ・オブザーバー紙は29日、「TT日本国交樹立50周年とカリコム日本友好年」を記念した首脳会議と、会議の意義を認めながらも、27日には「この首脳会議には中国の巨大な影が差している」と指摘していた。

 安倍首相はカリコムとの首脳会議で、「力や威嚇による一方的な現状変更の試みがある」と暗に中国を批判した。まさに同紙の指摘通りだった。

 会議では、日本による経済援助、防災協力、地球温暖化対策協力などが決まった。

 また「ラテンポースト」は29日、中国の習近平主席が7月半ばのBRICS首脳会議で発表された金融機関に巨額の出資をすることや、ラ米のインフラ整備援助200億ドル供出を約束した事実を挙げて、安倍訪問が中国の外交成果を覆すのは難しい、と論評した。

 カリコム加盟14カ国のうち6カ国は台湾と外交関係を維持しているが、安倍が要請した国連安保理非常任理事国選挙での日本支持について、同6カ国は応じやすい、と見るメディアもある。

 一方、英紙フィナンシャル・タイムズは28日、「地球を駆け巡る安倍晋三は中国に取りつかれた世界に日本を売り込んでいる」と題した香港発の解説記事を掲げた。「就任後18ヶ月間に47カ国を訪問した安倍は、世界のどの首脳と比べても桁外れに外遊が多い」と指摘。「安倍は習主席の後を追いかけている」と、23日に主席のラ米歴訪が終わった直後の25日に安倍が歴訪を開始した事実を皮肉っている。
 

 同紙はまた、2011年の東電福島原発の放射能漏れ重大事故の後ゆえに、「安倍は石油と天然ガスの供給源を探す必要に迫られている」と述べた。
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 安倍首相一行は28日夜、ボゴタの軍事空港に到着し、マリーア・オルギン外相に迎えられた。29日にはフアン・サントス大統領と会談する。

 有力紙エル・ティエンポは、「安倍首相が中韓両国を訪問していないのは、両国との緊張関係を見れば不思議はない」と論評した。また安倍が、「2008年のコロンビア・日本友好100周年」に首相経験者としてコロンビアを訪れた、と紹介している。

2014年7月29日火曜日

ラ米首脳らが出席し、ウーゴ・チャベス生誕60年式典催さる

 カラカスで7月28日、故ウーゴ・チャベス前大統領の生誕60周年記念式典が催された。ニコラース・マドゥーロ現大統領が主催し、ボリビア、ウルグアイ、ニカラグア、エル・サルバドール、ラ・ドミニカーナ(RD)の大統領、クーバ第一副議長、アンティグア・バーブーダ首相、亜国外相ら来賓多数が出席した。

 ミゲル・ディアスカネル玖副議長は演説で、「チャベスは人民団結のために尽力し、ベネスエラと我らのアメリカ(ラ米・カリブ)の歴史を永遠に変えてしまった」と、故人を讃えた。

 各国首脳らは、カラカスで開催中のベネスエラ統一社会党(PSUV)大会に、それぞれの政権党など友党の首席代表として出席する。また一部首脳は29日のメルコスール首脳会議に出席する。

 生誕式典には、オンドゥーラス元大統領マヌエル・セラヤ、RD前大統領レオネル・フェルナンデスも出席した。

29日開催のメルコスール首脳会議がボリビア加盟決定へ

 南部共同市場(メルコスール)加盟5カ国は7月28日カラカスで外相会議を開き、同市で29日予定されている第46回首脳会議の議題を定めた。協賛国で加盟手続きのため国内法整備中のボリビアの正式加盟支持、メルコスールの制度的強化などを議題として決めた。

 議長を務めたベネスエラのエリーアス・ハウーア外相は、メルコスールはラ米で最も堅固な多国間組織だ、と強調した。

 首脳会議には、ブラジル、アルヘンティーナ、ウルグアイ、パラグアイ、ベネスエラの5加盟国とボリビアの大統領が出席する。協賛国チレのミチェル・バチェレー大統領は、教育・保健予算確保のため82億ドル増収を図る税制改革法案をめぐる国会対策を理由に出席を取りやめた。

 
 28日は故ウーゴ・チャベス大統領の生誕60年記念日で、生地のバリーナス州サバネータでは「ウーゴ・チャベス広場」の開場式が催された。ロシアが100万ドルの資金を援助し、建設した。

 式典には、ニコラース・マドゥーロ大統領、チャベスの遺族、ディオスダード・カベージョ国会議長、ロシア大使らが出席した。
 

 この日カラカスには、開催中のベネスエラ統一社会党(PSUV)大会に出席するクーバ共産党代表団が到着した。ミゲル・ディアスカネル第1副議長を団長に、ブルーノ・ロドリゲス外相、ホセラモーン・マチャード思想局長らが加わっている。

 一方、メルコスール首脳や各国革新政党代表らがカラカスに集まりつつある28日、国際航空輸送協会(IATA)はマドゥーロ大統領宛てに、IATA加盟24航空会社への負債総額41億ドルを早急に支払うよう要請した。

 ベネスエラ政府は、外国航空会社に対し航空切符をベネスエラ通貨ボリーバルで支払うよう義務付け、後にドルに換算して各社に支払うことにしている。だが外貨不足により、政府は4億2400万ドルしか支払っていない。このため各社は、カラカス便を減らしたり運航停止にしたりして抗議してきた。