ベネスエラのブラディーミロ・パドゥリーノ国防相は5月17日、タチラ州都サンクリストーバル市で同日、陸軍第215野砲隊駐屯地が暴徒に襲撃されたことから、同州に陸軍特殊部隊600人と国家警備隊(GNB)2000人を派遣する、と発表した。反政府勢力による一連の暴動事件で国軍施設が襲われたのは初めて。駐屯地司令官の中佐も暴徒に襲われたという。
ニコラース・マドゥーロ大統領は事態を重視、ゴルペ(クーデター) 制圧作戦「サモーラ作戦戦略計画」(PEOZ)を第2段階に進めた。第2段階では、国家警察機動隊、国家警備隊に加えて、陸海空軍のいずれかの実戦部隊が治安出動する。
タチラ州はコロンビア北東国境に隣接し、同国の極右準軍部隊(パラス)が密入国を繰り返している。パラスは、コロンビア陸軍の補完部隊としてゲリラ部隊と戦った。また、アフリカ系や先住民の土地を奪い、多くの国内避難民を生んだ。ベネスエラ陸軍の特殊部隊の任務には、パラス制圧も含まれている。
パドゥリーノ国防相は、暴徒約100人が火炎瓶などで駐屯地を襲撃したが、駐屯地には弾薬庫があり、そこに引火したら大惨事が起きると述べ、事態の重大さを指摘した。各地で反政府勢力の抗議行進や暴動に乗じた略奪事件も起きている。暴徒側の死者が小刻みに増えている。
一方、国連安保理は17日、米国の要請により非公開会合を開き、ベネスエラ情勢を話し合った。米国のニッキ・ハーリー大使は、「ベネスエラは不安定状態が増幅しており、人権が尊重されなければ、シリアのような道を辿ることになる」と述べ、安保理の介入決議が必要との立場を強調した。
これに対し、ボリビアのサンチャ・ジョレンティ大使は、「米国の明白な内政干渉がある。米国は仲介者ではなく、ベネスエラの反政府勢力を支援してきた。したがって、この安保理会合は問題解決の障害になる」と反駁した。米国が反政府勢力に資金、攻撃戦略、外交面で肩入れしてきた事実を踏まえてのことだ。
安保理議長国ウルグアイのエルビオ・ロセリ大使は、「ベネスエラは正式な議題にはならない。理由がないからだ。ベネスエラの紛争はベネスエラ人が解決すべきだ。政府と反政府勢力が打開策を探ればよい。ベネスエラ関係の決議はない」と述べた。
ベネスエラのラファエル・ラミーレス大使は、「ベネスエラは国際平和と安全保障上、危険な存在ではない。米国は内政干渉し、ベネスエラの最も暴力的な集団を焚きつけている。暴力は、米州諸国機構(OEA)のルイス・アルマグロ事務総長の煽動によるOEAのベネスエラへの内政干渉の直後に悪化した」と指摘した。
同大使はさらに、「米国には、米州での暴力と干渉の悲しい歴史がある。米国は<人権蹂躙>を介入理由にしようとしているが、ベネスエラにはそれはない。米国は人権蹂躙を理由にシリアやイラクに軍事介入した」と批判。「ベネスエラは、いかなる内政干渉も後見も必要としない。主権尊重を求めるだけだ」と説いた。
デルシー・ロドリゲスVEN外相は、「(安保理での)米国の宣伝と、アルマグロ支援のための画策は失敗した。証明されたのは、米国によるベネスエラ介入計画の存在だ。米国は世界の殺傷暴力と飢餓の最大の起因者だ。安保理に教訓を垂れる道徳的資格はない」と扱き下ろした。
コロンビアのJMサントス大統領は17日、訪問先の米国で、「コロンビアと米国はベネスエラ情勢をとても懸念している」と述べた。サントスは18日、Dトランプ米大統領と会談する。
ベネスエラ政権党副党首ディオスダード・カベージョ国会議員は17日、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDの幹部フリオ・ボルヘス国会議長、フレディ・ゲバラ同副議長、ミランダ州のエンリケ・カプリーレス知事らを「ファシスト」と呼び、コロンビア極右勢力の旗頭アルバロ・ウリーベ前大統領と会合した、と指摘した。
24日に任期切れとなるエクアドールのラファエル。コレア大統領は17日、訪問先のブエノスアイレスで、「ベネスエラの問題は対話、民主、選挙で解決すべきだ」と語った。
▼ラ米短信 ◎テメル伯大統領が贈収賄を促進か
伯紙オ・グロボは5月17日、ミシェル・テメル大統領と大手食肉輸出会社JBSのジョスリー・バチスタ社長の録音会話を暴露。その中でテメルは、獄中にいるエドゥアルド・クーニャ前国会下院議長にペトロブラス贈収賄事件について沈黙し続けさせるため賄賂を贈っているかどうかをバチスタに確認している。
バチスタが、自社系列企業の問題の解決を図るため、テメルが指定した国会議員に現金500万レアル(約16万ドル)入りの鞄を渡した、ことにも触れられている。バチスタは司法取引に応じてテメルとの会話を録音したらしい。
ブラジル国会はこの報道で大騒ぎになり、テメル弾劾の可能性が早くも指摘されている。テメルは昨年8月末、ヂウマ・ルセフ大統領を弾劾に追い込んで政権に就いた。テメルも汚職疑惑に包まれている。
」
2017年5月18日木曜日
★現代の岩窟王、プエルト・リコ独立運動家オスカル・ロペス(74)が服役36年経て自由の身に。故郷サンフアンで「脱植民地化と独立のため闘い続ける」と語る。マドゥーロ大統領は電話で祝福、「ラ米・カリブの独立はベネズエラでの戦いに懸かっている」と強調
現代の岩窟王オスカル・ロペス=リベーラ(74)が5月17日、36年間服役の後に自由に身になった。米植民地プエルト・リコ(PR)人のロペスは、米軍兵士としてヴェトナム戦争従軍後、1976年にPR独立主義の「人民解放軍」(FALN)に参加。組織の破壊活動に直接関与しなかったが、81年逮捕され、禁錮55年の判決を受け、幾つもの米国内の刑務所で服役した。
91年に脱獄未遂で刑期に15年が加算された。ビル・クリントン大統領は恩赦を持ちかけたが、ロペスは拒否。だがバラク・オバーマ大統領が任期切れ直前の今年1月17日恩赦を決めた。ロペスは米国の刑務所から2月9日PRに身柄を移され、実の娘クラリーサの自宅で軟禁処分となった。恩赦から4カ月後の今日、刑期は終わった。今後は島都サンフアンの市役所で仕事する。
ロペスは支援者による自由記念音楽会に出席後、浜辺の波打ち際で、「PRの脱植民地と独立に向かって進もう。重要なのは連帯して働き戦い抵抗することだ」と強調した。また、窮地にあるPR大学について、「頭脳流出を食い止めよう。大学を守らねば、PRの未来はない」と述べた。さらに、新自由主義経済路線を糾弾した。
同胞として迎えてくれた故郷については、「これぞ、PRの寛大な心だ。大きな愛のある人民だ」と、PRとPR人を賞賛した。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領はロペスと電話会談し、それをテレスールが中継した。大統領は、「大なる祖国の英雄」とロペスを讃え、「我々は国内からの攻撃とメディアによる私刑の犠牲者だが、シモン・ボリーバルの人民はチャベス司令官の旗を掲げ、意気軒昂として勝利する」と伝えた。
ロペスは、「私はPR人だが、ベネスエラ人のようにも感じる。ベネスエラの未来を決めるのはベネスエラ人であり、米国を含むいかなる他者でもない。ベネスエラが勝つと信じている。米国は思い通りにはいかないだろう」と返した。
マドゥーロは、ベネスエラが非同盟運動の議長国で、国連非植民地委員会の委員長国であることに触れて、「両機関を通じても、PRの尊厳と未来のために尽力する」と約束した。「我々の大陸(ラ米・カリブ)の独立は、ベネスエラでの戦いに懸かっている」とも強調した。
ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相も、ロペスを「PRの真実が勝利した。米国の覇権から自由な大なる祖国の勝利だ」と祝福。さらに、「米国は人権で二重基準だ。ロペスは、そこに囚われていた現代世界最長の良心の囚人だった」と指摘した。
ニカラグア、クーバをはじめ、ラ米のロペス支援国・支援団体もロペス開放を祝福している。
91年に脱獄未遂で刑期に15年が加算された。ビル・クリントン大統領は恩赦を持ちかけたが、ロペスは拒否。だがバラク・オバーマ大統領が任期切れ直前の今年1月17日恩赦を決めた。ロペスは米国の刑務所から2月9日PRに身柄を移され、実の娘クラリーサの自宅で軟禁処分となった。恩赦から4カ月後の今日、刑期は終わった。今後は島都サンフアンの市役所で仕事する。
ロペスは支援者による自由記念音楽会に出席後、浜辺の波打ち際で、「PRの脱植民地と独立に向かって進もう。重要なのは連帯して働き戦い抵抗することだ」と強調した。また、窮地にあるPR大学について、「頭脳流出を食い止めよう。大学を守らねば、PRの未来はない」と述べた。さらに、新自由主義経済路線を糾弾した。
同胞として迎えてくれた故郷については、「これぞ、PRの寛大な心だ。大きな愛のある人民だ」と、PRとPR人を賞賛した。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領はロペスと電話会談し、それをテレスールが中継した。大統領は、「大なる祖国の英雄」とロペスを讃え、「我々は国内からの攻撃とメディアによる私刑の犠牲者だが、シモン・ボリーバルの人民はチャベス司令官の旗を掲げ、意気軒昂として勝利する」と伝えた。
ロペスは、「私はPR人だが、ベネスエラ人のようにも感じる。ベネスエラの未来を決めるのはベネスエラ人であり、米国を含むいかなる他者でもない。ベネスエラが勝つと信じている。米国は思い通りにはいかないだろう」と返した。
マドゥーロは、ベネスエラが非同盟運動の議長国で、国連非植民地委員会の委員長国であることに触れて、「両機関を通じても、PRの尊厳と未来のために尽力する」と約束した。「我々の大陸(ラ米・カリブ)の独立は、ベネスエラでの戦いに懸かっている」とも強調した。
ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相も、ロペスを「PRの真実が勝利した。米国の覇権から自由な大なる祖国の勝利だ」と祝福。さらに、「米国は人権で二重基準だ。ロペスは、そこに囚われていた現代世界最長の良心の囚人だった」と指摘した。
ニカラグア、クーバをはじめ、ラ米のロペス支援国・支援団体もロペス開放を祝福している。
2017年5月17日水曜日
★★★ベネズエラ政府が全土への非常事態を60日間延長し発動。国連安保理は米国の要請でベネスエラ問題を17日に討議。CELACは、OEA外相会議の31日開催決定を受け、20日開催予定の外相会議を延期
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は5月16日、「非常事態および経済緊急事態」を全土に60日間延長発動した、と発表した。5月13日付け官報に記載されており、同日から有効。治安維持のため憲法の人権庇護条項などが停止される場合がある。
これを受けて米国は国連安保理にベネスエラ情勢を議題にするよう要請。17日に取り上げられることになった。米国の反ベネスエラの保守・右翼系議員は連名で、ベネスエラ問題の安保理取り上げをトランプ政権に要請していた。米政府は、ベネスエラ反政府勢力と連携、南方軍などを使ってベネスエラ政変醸成工作を展開中。
保守・右翼野党連合MUDが指揮する反政府行動は暴動に発展、新たに4人が死亡。検察庁集計では、4月初めからの一連の暴動事件などによる死者は43人に達した。これは2014年のMUDによる街頭暴動事件(グアリンバ)の死者数43人と同数。だが非公式式集計では、今回の死者は47~48人とされている。
MUD幹部フレディ・ゲバラ(国会副議長)は16日、「マドゥーロ大統領周辺ではなく、裁判所、検察、軍部、警察、会計検査院などと交渉する用意がある」と表明した。政府機関を分裂させる狙いがある。ゲバラはまた、17日夜と20日にも反政府行動を展開すると明らかにした。
反政府勢力による暴動は続き、自動車道で政府配給機関の、食糧や果汁を積んだトラック2台が暴徒に略奪された。タチラ州内では警察署3カ所が放火されたり破棄されたりした。
コロンビアでのロック祭参加をこのほど拒否されたベネスエラ人ロック歌手ポール・ヒルマンは16日、「われわれチャビスタ(政府支持派)は、かつてユダヤ人がナチスドイツの憎悪に遭ったような状況に置かれている」と,TV番組で指摘した。
14年に街頭暴動を教唆した罪で服役している極右政治家レオポルド・ロペスの妻リリアン・ティントリは16日オタワでジャスティン・トルドー加首相とマット・デコーシー加外相に会った。これについてデルシー・ロドリゲスVEN外相は、「ティントリはベネスエラへの内政干渉を促進している」と非難。「なぜ自分たち(MUD)がファシズムや殺人を推進している実態を語らないのか」と糾弾した。
マドゥーロ政権が推進している制憲議会(ANC)開設準備の担当者エリーアス・ハウア教育相は16日、「ANCは平和確立、戦(いくさ)の太鼓打ち止め、国家独立維持、人民安寧生活保障のために開設する。野党勢力に紛争を政治的に解決しようと提案している」と述べた。
だがMUDは16日、改憲のためのANCに反対する意味を込めて「護憲国民戦線」(FNDC)を結成した。
一方、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)は、20日にドミニカ共和国での開催が予定されていた第14回外相会議を無期限に延期した。31日に米州諸国機構(OEA)がベネスエラ問題を話し合う特別外相会議を開くことになったためだ。
コロンビア外務省は16日、ベネスエラ駐在大使を当面帰任させないと明らかにした。大使は3月31日召還されて以来、コロンビアに留まっている。ペルーも大使を召還したままにしている。
これを受けて米国は国連安保理にベネスエラ情勢を議題にするよう要請。17日に取り上げられることになった。米国の反ベネスエラの保守・右翼系議員は連名で、ベネスエラ問題の安保理取り上げをトランプ政権に要請していた。米政府は、ベネスエラ反政府勢力と連携、南方軍などを使ってベネスエラ政変醸成工作を展開中。
保守・右翼野党連合MUDが指揮する反政府行動は暴動に発展、新たに4人が死亡。検察庁集計では、4月初めからの一連の暴動事件などによる死者は43人に達した。これは2014年のMUDによる街頭暴動事件(グアリンバ)の死者数43人と同数。だが非公式式集計では、今回の死者は47~48人とされている。
MUD幹部フレディ・ゲバラ(国会副議長)は16日、「マドゥーロ大統領周辺ではなく、裁判所、検察、軍部、警察、会計検査院などと交渉する用意がある」と表明した。政府機関を分裂させる狙いがある。ゲバラはまた、17日夜と20日にも反政府行動を展開すると明らかにした。
反政府勢力による暴動は続き、自動車道で政府配給機関の、食糧や果汁を積んだトラック2台が暴徒に略奪された。タチラ州内では警察署3カ所が放火されたり破棄されたりした。
コロンビアでのロック祭参加をこのほど拒否されたベネスエラ人ロック歌手ポール・ヒルマンは16日、「われわれチャビスタ(政府支持派)は、かつてユダヤ人がナチスドイツの憎悪に遭ったような状況に置かれている」と,TV番組で指摘した。
14年に街頭暴動を教唆した罪で服役している極右政治家レオポルド・ロペスの妻リリアン・ティントリは16日オタワでジャスティン・トルドー加首相とマット・デコーシー加外相に会った。これについてデルシー・ロドリゲスVEN外相は、「ティントリはベネスエラへの内政干渉を促進している」と非難。「なぜ自分たち(MUD)がファシズムや殺人を推進している実態を語らないのか」と糾弾した。
マドゥーロ政権が推進している制憲議会(ANC)開設準備の担当者エリーアス・ハウア教育相は16日、「ANCは平和確立、戦(いくさ)の太鼓打ち止め、国家独立維持、人民安寧生活保障のために開設する。野党勢力に紛争を政治的に解決しようと提案している」と述べた。
だがMUDは16日、改憲のためのANCに反対する意味を込めて「護憲国民戦線」(FNDC)を結成した。
一方、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)は、20日にドミニカ共和国での開催が予定されていた第14回外相会議を無期限に延期した。31日に米州諸国機構(OEA)がベネスエラ問題を話し合う特別外相会議を開くことになったためだ。
コロンビア外務省は16日、ベネスエラ駐在大使を当面帰任させないと明らかにした。大使は3月31日召還されて以来、コロンビアに留まっている。ペルーも大使を召還したままにしている。
2017年5月16日火曜日
米州諸国機構(OEA・OAS)は31日にベネズエラ問題を討議へ。4月以降の暴動などによる死者は42人に。カラボボ州都バレンシアでは警察幹部が狙撃手に頭部撃たれる。米上院は反政府派活動資金2000万ドル供与法案審議終える▼メキシコで麻薬組織犯罪専門記者が白昼殺害さる
米州諸国機構(OEA、34カ国加盟、うちベネスエラは脱退表明済み)は5月15日ワシントンの本部で大使会議を開き、ベネスエラ情勢を討議する特別外相会議を31日開催することを決めた。ベネスエラおよび、グレナダは投票に参加しなかった。
ベネスエラに厳しい態度をとるメヒコが31日開催案を提案、過半数の18カ国の賛成で可決した。ニカラグアだけは反対。反ベネスエラ派ながら31日という日程に異議を唱えたコスタ・リカ(CR)および、ベネスエラを支持したり理解を示したりする12カ国の計13カ国が棄権した。
ベネスエラ国内では、保守・右翼野党連合MUD主導の反政府行動が続いている。コロンビア国境沿いのタチラ州都サンクリストーバルでは15日、反政府行動の別働隊の青年2人が死亡。非公式集計では、4月以来の一連の反政府行動に関係する死者は42人に達した。
カラボボ州とバレンシアでは同日、州警察幹部一人が狙撃手に頭部を撃たれ重傷。弾丸はとう部を貫通した。警官もうひとりも狙撃され、重傷。狙撃手たちは、反政府側に雇われている。同州では、国営電力会社(CORPOELEC)の支社が放火された。
コムーナ相アリストーブロ・イズトゥーリスは15日、「MUDはニコラース・マドゥーロ大統領打倒を国外で担保にしている」と糾弾した。さらに「彼らの活動資金は帝国主義者(米国)と国際金融機関から出ている」と非難。米上院が、MUD指揮下の反政府勢力への活動資金2000万ドル供与法案の審議を終えたことを示唆した。
▼ラ米短信 ◎メヒコの麻薬犯罪組織専門記者が殺害さる
シナロア州都クリアカンで5月15日、週刊誌「リオドセ」創刊者で、麻薬組織犯罪報道の著名な専門記者ハビエル・バルデスが白昼、市内で麻薬組織の殺し屋に銃撃され死亡した。メヒコでのジャーナリスト殺害は、これで6人目となった。
ハビエルは生前、「ジャーナリストになることは、暗殺標的名簿に記載されることに等しい。彼らはいったん殺害決行日を決めたら、いかなる警備があろうとも決行する。メヒコにはジャーナリスムを遂行するための条件がない。あまりにも近くを弾丸がかすめるからだ」と語っていた。
ハビエルは首都メヒコ市の日刊紙ラ・ホルナーダの通信員でもあり、ながらくフランス通信AFPの協力者だった。ハビエル殺害に抗議する運動がクリアカン、メヒコ市をはじめ各地で起きている。著書には『麻薬ジャーナリスム』、『麻薬の孤児たち』、『ミス麻薬』などがある。
ベネスエラに厳しい態度をとるメヒコが31日開催案を提案、過半数の18カ国の賛成で可決した。ニカラグアだけは反対。反ベネスエラ派ながら31日という日程に異議を唱えたコスタ・リカ(CR)および、ベネスエラを支持したり理解を示したりする12カ国の計13カ国が棄権した。
ベネスエラ国内では、保守・右翼野党連合MUD主導の反政府行動が続いている。コロンビア国境沿いのタチラ州都サンクリストーバルでは15日、反政府行動の別働隊の青年2人が死亡。非公式集計では、4月以来の一連の反政府行動に関係する死者は42人に達した。
カラボボ州とバレンシアでは同日、州警察幹部一人が狙撃手に頭部を撃たれ重傷。弾丸はとう部を貫通した。警官もうひとりも狙撃され、重傷。狙撃手たちは、反政府側に雇われている。同州では、国営電力会社(CORPOELEC)の支社が放火された。
コムーナ相アリストーブロ・イズトゥーリスは15日、「MUDはニコラース・マドゥーロ大統領打倒を国外で担保にしている」と糾弾した。さらに「彼らの活動資金は帝国主義者(米国)と国際金融機関から出ている」と非難。米上院が、MUD指揮下の反政府勢力への活動資金2000万ドル供与法案の審議を終えたことを示唆した。
▼ラ米短信 ◎メヒコの麻薬犯罪組織専門記者が殺害さる
シナロア州都クリアカンで5月15日、週刊誌「リオドセ」創刊者で、麻薬組織犯罪報道の著名な専門記者ハビエル・バルデスが白昼、市内で麻薬組織の殺し屋に銃撃され死亡した。メヒコでのジャーナリスト殺害は、これで6人目となった。
ハビエルは生前、「ジャーナリストになることは、暗殺標的名簿に記載されることに等しい。彼らはいったん殺害決行日を決めたら、いかなる警備があろうとも決行する。メヒコにはジャーナリスムを遂行するための条件がない。あまりにも近くを弾丸がかすめるからだ」と語っていた。
ハビエルは首都メヒコ市の日刊紙ラ・ホルナーダの通信員でもあり、ながらくフランス通信AFPの協力者だった。ハビエル殺害に抗議する運動がクリアカン、メヒコ市をはじめ各地で起きている。著書には『麻薬ジャーナリスム』、『麻薬の孤児たち』、『ミス麻薬』などがある。
2017年5月15日月曜日
ベネズエラ反政府野党連合MUDを世論は厳しく批判。制憲議会(ANC)担当官は「MUDの対米従属」を非難、「内戦を危惧」と表明。EUは「実効ある対話」の即時実施を呼び掛け。「ウクライナ情勢との共通点」指摘も
ベネスエラの著名なジャーナリスト、ホセ=ビセンテ・ランヘールは5月14日のテレベン放送定例番組「今日のホセ=ビセンテ」で、ニコラース・マドゥーロ大統領打倒を目指し激しい反政府活動を続けている保守・右翼野党連合MUDに関する最新の世論調査結果を発表。回答者の83%は、「MUD指導部の交代が必要」と答えた。
76%「MUDは問題解決のため政府に協力すべきだ」、70%「MUDは分裂している」、67%「MUD指導部はチャベス前政権以前(1998年まで)の新自由主義路線指導者と同じ」、60%「MUDに強力な指導者はいない」、59%「MUDは人民福利に無頓着で政権奪取だけを狙っている」、58%「MUDが政権に就いても経済問題は解決できない」-との回答だった。
この番組に出演したエリーアス・ハウア教育相(制憲議会=ANC=担当大統領委員会委員長)は、「反政府勢力が今ほど外国に従属し、その指令によって動くことはなかった。政府がANC構想を打ち出すや、フリオ・ボルヘス(MUD代表格の国会議長)は訪米し、米政府の軍事関係者に会った。彼らの政治組織(MUD)は外国政府(米国)に従属しており、憂うべき事態だ」と述べた。
ハウアはまた、「MUDもかカトリック司教会議もANC開設のための対話を拒否している。我々は内戦になるのを危惧している」と語った。さらに、「18年末には大統領選挙がある。地方選挙(州知事・州会議員)が今年あるかどうかはわからないが、年末にやるということになれば、それで構わない」と述べた。
マドゥーロ大統領は「母の日」に際し、「ANC議員の半数を女性にすることもありうる」との考えを示した。クーバ駐在のアリー・ロドリゲス大使はハバナで14日、「野党勢力(MUD)との対話が途絶えた今、ANCが唯一の打開策だ。彼ら(MUD)はマドゥーロ大統領排除のため危険な活動を激化させてきた。この緊張のガスを抜くためにも、ANCというバルブ開放が必要だ」と表明した。
欧州連合(EU)は15日、ベネスエラ政府とMUDに対し、「緊急、建設的、実効ある対話」実施を呼び掛けた。スペイン政府が、この呼び掛けをまとめた。
反政府行動は依然荒れている。首都カラカスに隣接するミランダ州内で13日、政権党国会議員ヘンケルベ・トバルの護衛2人が武装一味に拉致され、一人が射殺され、もう一人が重傷となった。非公式集計では、4月初めからの反政府派による暴動などによる死者は40人を超えた。
ボリーバル州のフランシスコ・ランヘール知事は14日、州内の病院に配布する薬品、手術用機材などを保管していた倉庫が同日放火され炎上した事件で、反政府系分子の犯行と断定した。
マイアミ周辺に多い在米ベネスエラ人組織は13日、ベネスエラ反政府勢力の別働隊の若者らに、催涙ガスよけの「防毒マスク」などを贈ったと明らかにした。
国営ベネスエラTVは13日、「ベネスエラとウクライナ」というドキュメンタリ-を放映。解説者は、「2014年ウクライナでのヴィクトル・ヤンコヴィッチ大統領打倒運動は、当初の平和抗議から暴動に変わり、やがて外国(ロシア)の援助で戦闘となった。ベネスエラの現在の状況に似ている」と指摘した。
76%「MUDは問題解決のため政府に協力すべきだ」、70%「MUDは分裂している」、67%「MUD指導部はチャベス前政権以前(1998年まで)の新自由主義路線指導者と同じ」、60%「MUDに強力な指導者はいない」、59%「MUDは人民福利に無頓着で政権奪取だけを狙っている」、58%「MUDが政権に就いても経済問題は解決できない」-との回答だった。
この番組に出演したエリーアス・ハウア教育相(制憲議会=ANC=担当大統領委員会委員長)は、「反政府勢力が今ほど外国に従属し、その指令によって動くことはなかった。政府がANC構想を打ち出すや、フリオ・ボルヘス(MUD代表格の国会議長)は訪米し、米政府の軍事関係者に会った。彼らの政治組織(MUD)は外国政府(米国)に従属しており、憂うべき事態だ」と述べた。
ハウアはまた、「MUDもかカトリック司教会議もANC開設のための対話を拒否している。我々は内戦になるのを危惧している」と語った。さらに、「18年末には大統領選挙がある。地方選挙(州知事・州会議員)が今年あるかどうかはわからないが、年末にやるということになれば、それで構わない」と述べた。
マドゥーロ大統領は「母の日」に際し、「ANC議員の半数を女性にすることもありうる」との考えを示した。クーバ駐在のアリー・ロドリゲス大使はハバナで14日、「野党勢力(MUD)との対話が途絶えた今、ANCが唯一の打開策だ。彼ら(MUD)はマドゥーロ大統領排除のため危険な活動を激化させてきた。この緊張のガスを抜くためにも、ANCというバルブ開放が必要だ」と表明した。
欧州連合(EU)は15日、ベネスエラ政府とMUDに対し、「緊急、建設的、実効ある対話」実施を呼び掛けた。スペイン政府が、この呼び掛けをまとめた。
反政府行動は依然荒れている。首都カラカスに隣接するミランダ州内で13日、政権党国会議員ヘンケルベ・トバルの護衛2人が武装一味に拉致され、一人が射殺され、もう一人が重傷となった。非公式集計では、4月初めからの反政府派による暴動などによる死者は40人を超えた。
ボリーバル州のフランシスコ・ランヘール知事は14日、州内の病院に配布する薬品、手術用機材などを保管していた倉庫が同日放火され炎上した事件で、反政府系分子の犯行と断定した。
マイアミ周辺に多い在米ベネスエラ人組織は13日、ベネスエラ反政府勢力の別働隊の若者らに、催涙ガスよけの「防毒マスク」などを贈ったと明らかにした。
国営ベネスエラTVは13日、「ベネスエラとウクライナ」というドキュメンタリ-を放映。解説者は、「2014年ウクライナでのヴィクトル・ヤンコヴィッチ大統領打倒運動は、当初の平和抗議から暴動に変わり、やがて外国(ロシア)の援助で戦闘となった。ベネスエラの現在の状況に似ている」と指摘した。
2017年5月14日日曜日
トランプ米大統領にベネズエラ侵攻の誘惑高まるか。「コロンビア国境に米提供の武器集積、傭兵待機」とハバナ放送伝える。マドゥーロ大統領は「18年(末)に大統領選挙実施」と言明▼キューバが大規模な海岸線防衛演習実施へ
ベネスエラへの米軍主導の軍事侵攻の危険性が高まっている。ドナルド・トランプ米大統領は、FBI長官更迭とロシア関連疑惑捜査をめぐり窮地に陥る可能性があると伝えられるが、窮地に陥れば「起死回生」策として、ベネスエラに軍事侵攻し、ニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス派革新政権を倒す誘惑に駆られる可能性も高まることになる。
ハバナ放送は5月13日、ベネスエラ西部国境沿いのコロンビア・ノルテデサンタンデル州ラゴンバリアに、国務省をはじめ米機関が提供した武器・兵站物資が集積されている、と伝え、米軍がコロンビア国内7カ所の軍事基地を使用している事実を指摘した。
同放送はまた、国境線沿いの他の複数の地点に、軍事侵攻に備えて傭兵部隊が待機していると報じた。ベネスエラで逮捕されたテロリズムや破壊活動の実行犯にはコロンビア人の極右準軍部隊要員(パラミリタレス)が多く含まれている、とも伝えた。
ブエノスイアレスでは11日、フェリーペ・ゴンサレス元スペイン首相が元首脳たちの会合で、「マドゥーロはベネスエラを腐敗国家、失敗国家にした」と断言した。これは「失敗国家」呼ばわりし、「軍事侵略やむなし」とする世論形成を狙ったもので、米軍事侵攻教書に盛り込まれている。
かつてフランコ独裁後のスペイン民主化の旗頭だったフェリーペに、その面影はない。すっかり安楽な保守・右翼路線に乗ってしまっている。「元首脳陣を宣伝に使う」ことも、まさに侵略教書に盛り込まれている。
米国が強大な影響力を持つ米州諸国機構(OEA/OAS、加盟33カ国および脱退宣言したベネスエラ)は15日ワシントンの本部で大使会議を開き、ベネスエラ情勢を討議する特別外相会議開催日程と場所を決める。ベネスエラは出席しない。
外相会議が開催されれば、ベネスエラへの「米州民主憲章」適用、ベネスエラ脱退取り消し、「ベネスエラ追放」などが議題となり得る。同国に不利な決議がなされれば、軍事侵攻圧力は一層強まることになる。
マドゥーロ政権の重鎮エリーアス・ハウア教育相(制憲議会=ANC=担当大統領委員会委員長)は12日、知識人との会合で、「反政府勢力はANC開設のための対話を拒否し、マドゥーロ大統領打倒だけを求めている。状況は疑いなく内戦に向かって進んでいる」と指摘した。反政府勢力の中核は、米政府と連携している保守・右翼野党連合MUDである。
続けてハウアは、「反政府勢力指導部(MUD)は、米政府の最も反動的な勢力の指示の下に、兄弟殺しを促進しつつある」と、厳しい認識を示した。「ベネスエラに内戦が起きれば、ラ米全体が、がたがたになる」とも述べた。
さらに、「彼ら(MUD)は、経済・社会が混乱していた時期には勝てると思って選挙実施を要求していたが、今はANC議員選挙を拒否している。現在の事態が彼らの挑発によってもたらされているため、彼らには都合が悪いのだ」との見方を打ち出した。
ハウアは、「国家は合法的権力をもって平和構築に努めており、現在の最重要課題は、経済再建によって、ボリバリアーナ革命の最初の10年間のような繁栄の水準に到達することだ」と強調した。
ローマ法王庁のピエトゥロ・パロリン国務長官は13日、法王フランシスコが訪問中のポルトガルで「ヴァティカンの立場は、ベネスエラ危機解決の方策は選挙実施だ」と述べた。
マドゥーロ大統領は12日、「18年(末)に大統領選挙がある」と明言。同大統領の任期は19年初めまでであり、18年末には選挙が不可欠だ。
大統領はまた、「街頭暴動(グアリンバ)は国土のわずか1%で展開されているだけだ。14年にはグアリンバを制圧するのに5カ月かかった。現在ファシスト右翼を打ち負かしつつあり、彼らは決定的敗北に向かっている。ゴルペ(クーデター)と武装蜂起に執着する輩には正義の鉄槌を下す」と強調した。
マドゥーロ政権は体制固めの一環として、1月から「祖国身分証」を発給。13日までに1325万4000人が同身分証を取得した。この身分証所持者は、ミシオネスと呼ばれるさまざまな社会福祉政策を享受できる。政権には、有権者固めの狙いがある。
首都カラカスをはじめ、各地でMUD派の抗議行動や暴力が断続的に続いている。カラカスでは10~11日に、政権支持派集会に参加していたチレ人左翼活動家ホセ・ムニョス=アルコオラが、2人組の殺し屋に機銃掃射され即死した。
ムニョスは、ピノチェー軍政下のチレで「革命的左翼運動」(MIR)要員として軍政と戦い、その後、ニカラグア革命・内戦、コロンビア内戦で戦い、クーバにも滞在した。父親は治安警備隊大尉で、故サルバドール・アジェンデ智大統領の護衛だった。
チレ「貧民ゲリラ軍」(EGP)の創設者でもある。ボリバリアーナ革命のベネスエラでは、チャベス派として活動していた。ムニョス暗殺は、外国諜報機関の指示があった可能性を示唆している。この事件発生は12日公表された。
ベネスエラ最高裁は12日、右翼政党「新時代」(UNT)党員一人がカラカスで、自動ライフル銃FALを所持していたことなどから逮捕され、軍事法廷にかけられると発表した。
外務省は13日、コロンビアの首都ボゴタ市が、ロック祭へのベネスエラ人歌手ポール・ヒルマンの参加を拒否したことに抗議した。ヒルマンはチャベス派政権支持の音楽家として知られている。
▼ラ米短信 ◎クーバが沿岸警備演習実施へ
クーバの革命防衛委員会(CDR)と国境警備隊(TGF)は5月12日、CDR所属の「海洋監視分遣隊」(DMM)とTGFによる海岸線全域での合同作戦演習を15~19日に実施すると発表した。クーバ女性連盟(FMC)など大衆組織も参加する。
この合同演習は12回目。ベネスエラ情勢が不安定な時期に実施される今回は関心を集めている。
ハバナ放送は5月13日、ベネスエラ西部国境沿いのコロンビア・ノルテデサンタンデル州ラゴンバリアに、国務省をはじめ米機関が提供した武器・兵站物資が集積されている、と伝え、米軍がコロンビア国内7カ所の軍事基地を使用している事実を指摘した。
同放送はまた、国境線沿いの他の複数の地点に、軍事侵攻に備えて傭兵部隊が待機していると報じた。ベネスエラで逮捕されたテロリズムや破壊活動の実行犯にはコロンビア人の極右準軍部隊要員(パラミリタレス)が多く含まれている、とも伝えた。
ブエノスイアレスでは11日、フェリーペ・ゴンサレス元スペイン首相が元首脳たちの会合で、「マドゥーロはベネスエラを腐敗国家、失敗国家にした」と断言した。これは「失敗国家」呼ばわりし、「軍事侵略やむなし」とする世論形成を狙ったもので、米軍事侵攻教書に盛り込まれている。
かつてフランコ独裁後のスペイン民主化の旗頭だったフェリーペに、その面影はない。すっかり安楽な保守・右翼路線に乗ってしまっている。「元首脳陣を宣伝に使う」ことも、まさに侵略教書に盛り込まれている。
米国が強大な影響力を持つ米州諸国機構(OEA/OAS、加盟33カ国および脱退宣言したベネスエラ)は15日ワシントンの本部で大使会議を開き、ベネスエラ情勢を討議する特別外相会議開催日程と場所を決める。ベネスエラは出席しない。
外相会議が開催されれば、ベネスエラへの「米州民主憲章」適用、ベネスエラ脱退取り消し、「ベネスエラ追放」などが議題となり得る。同国に不利な決議がなされれば、軍事侵攻圧力は一層強まることになる。
マドゥーロ政権の重鎮エリーアス・ハウア教育相(制憲議会=ANC=担当大統領委員会委員長)は12日、知識人との会合で、「反政府勢力はANC開設のための対話を拒否し、マドゥーロ大統領打倒だけを求めている。状況は疑いなく内戦に向かって進んでいる」と指摘した。反政府勢力の中核は、米政府と連携している保守・右翼野党連合MUDである。
続けてハウアは、「反政府勢力指導部(MUD)は、米政府の最も反動的な勢力の指示の下に、兄弟殺しを促進しつつある」と、厳しい認識を示した。「ベネスエラに内戦が起きれば、ラ米全体が、がたがたになる」とも述べた。
さらに、「彼ら(MUD)は、経済・社会が混乱していた時期には勝てると思って選挙実施を要求していたが、今はANC議員選挙を拒否している。現在の事態が彼らの挑発によってもたらされているため、彼らには都合が悪いのだ」との見方を打ち出した。
ハウアは、「国家は合法的権力をもって平和構築に努めており、現在の最重要課題は、経済再建によって、ボリバリアーナ革命の最初の10年間のような繁栄の水準に到達することだ」と強調した。
ローマ法王庁のピエトゥロ・パロリン国務長官は13日、法王フランシスコが訪問中のポルトガルで「ヴァティカンの立場は、ベネスエラ危機解決の方策は選挙実施だ」と述べた。
マドゥーロ大統領は12日、「18年(末)に大統領選挙がある」と明言。同大統領の任期は19年初めまでであり、18年末には選挙が不可欠だ。
大統領はまた、「街頭暴動(グアリンバ)は国土のわずか1%で展開されているだけだ。14年にはグアリンバを制圧するのに5カ月かかった。現在ファシスト右翼を打ち負かしつつあり、彼らは決定的敗北に向かっている。ゴルペ(クーデター)と武装蜂起に執着する輩には正義の鉄槌を下す」と強調した。
マドゥーロ政権は体制固めの一環として、1月から「祖国身分証」を発給。13日までに1325万4000人が同身分証を取得した。この身分証所持者は、ミシオネスと呼ばれるさまざまな社会福祉政策を享受できる。政権には、有権者固めの狙いがある。
首都カラカスをはじめ、各地でMUD派の抗議行動や暴力が断続的に続いている。カラカスでは10~11日に、政権支持派集会に参加していたチレ人左翼活動家ホセ・ムニョス=アルコオラが、2人組の殺し屋に機銃掃射され即死した。
ムニョスは、ピノチェー軍政下のチレで「革命的左翼運動」(MIR)要員として軍政と戦い、その後、ニカラグア革命・内戦、コロンビア内戦で戦い、クーバにも滞在した。父親は治安警備隊大尉で、故サルバドール・アジェンデ智大統領の護衛だった。
チレ「貧民ゲリラ軍」(EGP)の創設者でもある。ボリバリアーナ革命のベネスエラでは、チャベス派として活動していた。ムニョス暗殺は、外国諜報機関の指示があった可能性を示唆している。この事件発生は12日公表された。
ベネスエラ最高裁は12日、右翼政党「新時代」(UNT)党員一人がカラカスで、自動ライフル銃FALを所持していたことなどから逮捕され、軍事法廷にかけられると発表した。
外務省は13日、コロンビアの首都ボゴタ市が、ロック祭へのベネスエラ人歌手ポール・ヒルマンの参加を拒否したことに抗議した。ヒルマンはチャベス派政権支持の音楽家として知られている。
▼ラ米短信 ◎クーバが沿岸警備演習実施へ
クーバの革命防衛委員会(CDR)と国境警備隊(TGF)は5月12日、CDR所属の「海洋監視分遣隊」(DMM)とTGFによる海岸線全域での合同作戦演習を15~19日に実施すると発表した。クーバ女性連盟(FMC)など大衆組織も参加する。
この合同演習は12回目。ベネスエラ情勢が不安定な時期に実施される今回は関心を集めている。
2017年5月12日金曜日
米政府が対ベネズエラ「クーデター作戦」の「心理戦争」段階入りか。マドゥーロ大統領は制憲議会開設反対者を「クーデター支持者」と非難。ウルグアイは「反ベネズエラ十字軍」に反対▼グアテマラで戒厳令発動
米政府の諜報・謀略機関CIA(中央情報局)のマイク・ポンペロ長官は5月11日、上院諜報委員会で、ベネスエラ情勢について証言。同国政府系の「武装集団」(コレクティーボス)が規制なしに活動する危険性が毎時高まっている、と述べた。また、ベネスエラでは武器が大量に出回っており、同国のみならず南米と中米にとっても脅威だ、と語った。
これらは実態からかけ離れた極めて大げさな指摘であり、CIA教本「独裁から民主へ」の政変(ゴルペ・デ・エスタード=クーデター)誘発戦術の第4段階「心理戦争」に該当する。事態は危険な局面に徐々にのめり込みつつある。
ベネスエラの保守・右翼野党連合MUDは、米戦略に従って、破壊活動を伴う反政府街頭行動を展開中。まさに教本および、米南方軍文書、米国務省に影響力を持つ米シンクタンクの文書の内容に沿ってMUDは動いている。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス派政権は4月半ば、MUDの言動が明確にゴルペを目指していると判断。破壊活動など重罪容疑者を軍事法廷で裁くことも含むゴルペ制圧作戦「サモーラ計画」で対処している。
マドゥーロ大統領は11日、「制憲議会(ANC)開設のため実施中の対話に応じない者はゴルペ支持者だ」とし、「一にMUD、二に経団連、三はカトリック司教会議だ」と指摘した。
政権は、憲法改正のためのANC開設を決定。進行中の国内各分野と広範な準備対話を重ね、6月にかけてANC議員選挙公示、直接投票実施にもっていきたい構えだ。この対話が拡がり、選挙が実施され、ANCが開設され、改定憲法起草と事が運べば、MUD、内外メディア、米国・反ベネスエラ諸国、米州諸国機構(OEA)が煽ってきた反政府行動は沈静化すると期待している。
首都カラカスでは10日、27歳の青年が直径2cmの銃弾を狙撃手から見舞われて死亡した。大統領は、「MUDは狙撃手を使って市民を殺した。ファシズム戦略の一環だ」と非難した。
さらに、MUD系ら富裕層の子弟が通うことの多い私学について、「憎悪、人種主義、暴力、反祖国を煽っているため捜査を命じた」と明らかにした。
ベネスエラ外務省は11日、声明を発表。米国務省のフランシスコ・パルミエリ米州担当次官補が10日、MUDの主張と同じ「選挙による解決」を口にしたのを受けて、「米国は資金と兵站支援をベネスエラの暴力集団に与えてきた。その暴力的反政府勢力を善導するためANCを招集するのだ」と反撃した。
声明は、「この暴力状況はOEA会議が4月3日、ベネスエラに対する敵対的内政干渉政策を決議したのに起因する。米国務省は同決議を用いて、最も暴力的で反民主的な勢力を支援してきた」と糾弾。
さらに、「米現政権がブッシュ、オバーマ両政権の誤った対ベネスエラ政策を踏襲したのは遺憾だ」と表明。「米政府は今年に入ってから、ベネスエラの実情を捻じ曲げた敵対的声明を計105回発してきた」と述べた。
MUDの街頭行動での別働隊の若者たちは数日来、糞便を瓶、プラスチックカップなどの容器に詰めた「ププトフ」を治安部隊に投げつけている。「モロトフカクテル」(火炎瓶)の「モロトフ」の「モロ」を、糞を意味する「ププ」に替えたものだ。当局は、これを「生物テロ兵器」と見なした。
ララ州都バルキシメト市イリバレン区のアルフレド・ラモス区長は11日、反政府行動を取り締まらなかったためとして、区議会で弾劾された。カラカス首都圏のチャカオ、エルアティージョ両区長も暴動を制御しなかったとして、区民から告訴された。
ベネスエラにとっての朗報は、ウルグアイのタバレー・バスケス大統領が10日、「ベネスエラを孤立させない、米州民主憲章を同国に適用しない、同国をOEAから追放しない。ウルグアイは反ベネズエラ十字軍に与せず、それに一石を投じる立場をとる」と決定したこと。ロドルフォ・ニン=ノボア外相が発表した。
ウルグアイは、ベネスエラ政府の対話同伴国5カ国に属している。
チレの左翼政党連合FA大統領候補ベアトゥリス・サンチェスは11日、マドゥーロ政権について「独裁ではない。人民から選挙で選ばれた」と指摘した。チレでは11月19日、大統領選挙が実施される。
パナマのイサベル・サンマロ副大統領兼外相は10日、米州がOEA重視派とCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)重視派に分極化するのを懸念し、分極化しないよう、米州諸国に呼び掛けた。
リマでは11日、MUDの顔、フリオ・ボルヘス国会議長がPPクチンスキ(PPK)・ペルー大統領に会い、「ベネスエラの民主移行のため、ラ米諸国・機関の代表になってほしい」と要請した。PPKは断ったが、MUDの主張に理解を示した。PPKは、亜国のマウリシオ・マクリ大統領と並ぶD・トランプ米大統領のお気に入りで、反ベネスエラの中核にいる。
マクリは11日ブエノスアイレスを出発、アラブ首長国連邦、中国、日本への歴訪の旅を開始した。中国では14~15両日の「一帯一路」構想首脳会合に出席する。来日は18~20日。
▼ラ米短信 ◎グアテマラで戒厳令発動
グアテマラのジミー・モラレス大統領は5月11日、西部のサンマルコス、イスチグアーン両県に30日間の戒厳令を敷いた。メヒコ国境地方の県で、マヤ系先住民人口が多い。古くからの土地問題をめぐり住民同士が衝突。またメヒコ系武装麻薬マフィア組織の侵入もあり、戒厳令発動となった。
これらは実態からかけ離れた極めて大げさな指摘であり、CIA教本「独裁から民主へ」の政変(ゴルペ・デ・エスタード=クーデター)誘発戦術の第4段階「心理戦争」に該当する。事態は危険な局面に徐々にのめり込みつつある。
ベネスエラの保守・右翼野党連合MUDは、米戦略に従って、破壊活動を伴う反政府街頭行動を展開中。まさに教本および、米南方軍文書、米国務省に影響力を持つ米シンクタンクの文書の内容に沿ってMUDは動いている。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス派政権は4月半ば、MUDの言動が明確にゴルペを目指していると判断。破壊活動など重罪容疑者を軍事法廷で裁くことも含むゴルペ制圧作戦「サモーラ計画」で対処している。
マドゥーロ大統領は11日、「制憲議会(ANC)開設のため実施中の対話に応じない者はゴルペ支持者だ」とし、「一にMUD、二に経団連、三はカトリック司教会議だ」と指摘した。
政権は、憲法改正のためのANC開設を決定。進行中の国内各分野と広範な準備対話を重ね、6月にかけてANC議員選挙公示、直接投票実施にもっていきたい構えだ。この対話が拡がり、選挙が実施され、ANCが開設され、改定憲法起草と事が運べば、MUD、内外メディア、米国・反ベネスエラ諸国、米州諸国機構(OEA)が煽ってきた反政府行動は沈静化すると期待している。
首都カラカスでは10日、27歳の青年が直径2cmの銃弾を狙撃手から見舞われて死亡した。大統領は、「MUDは狙撃手を使って市民を殺した。ファシズム戦略の一環だ」と非難した。
さらに、MUD系ら富裕層の子弟が通うことの多い私学について、「憎悪、人種主義、暴力、反祖国を煽っているため捜査を命じた」と明らかにした。
ベネスエラ外務省は11日、声明を発表。米国務省のフランシスコ・パルミエリ米州担当次官補が10日、MUDの主張と同じ「選挙による解決」を口にしたのを受けて、「米国は資金と兵站支援をベネスエラの暴力集団に与えてきた。その暴力的反政府勢力を善導するためANCを招集するのだ」と反撃した。
声明は、「この暴力状況はOEA会議が4月3日、ベネスエラに対する敵対的内政干渉政策を決議したのに起因する。米国務省は同決議を用いて、最も暴力的で反民主的な勢力を支援してきた」と糾弾。
さらに、「米現政権がブッシュ、オバーマ両政権の誤った対ベネスエラ政策を踏襲したのは遺憾だ」と表明。「米政府は今年に入ってから、ベネスエラの実情を捻じ曲げた敵対的声明を計105回発してきた」と述べた。
MUDの街頭行動での別働隊の若者たちは数日来、糞便を瓶、プラスチックカップなどの容器に詰めた「ププトフ」を治安部隊に投げつけている。「モロトフカクテル」(火炎瓶)の「モロトフ」の「モロ」を、糞を意味する「ププ」に替えたものだ。当局は、これを「生物テロ兵器」と見なした。
ララ州都バルキシメト市イリバレン区のアルフレド・ラモス区長は11日、反政府行動を取り締まらなかったためとして、区議会で弾劾された。カラカス首都圏のチャカオ、エルアティージョ両区長も暴動を制御しなかったとして、区民から告訴された。
ベネスエラにとっての朗報は、ウルグアイのタバレー・バスケス大統領が10日、「ベネスエラを孤立させない、米州民主憲章を同国に適用しない、同国をOEAから追放しない。ウルグアイは反ベネズエラ十字軍に与せず、それに一石を投じる立場をとる」と決定したこと。ロドルフォ・ニン=ノボア外相が発表した。
ウルグアイは、ベネスエラ政府の対話同伴国5カ国に属している。
チレの左翼政党連合FA大統領候補ベアトゥリス・サンチェスは11日、マドゥーロ政権について「独裁ではない。人民から選挙で選ばれた」と指摘した。チレでは11月19日、大統領選挙が実施される。
パナマのイサベル・サンマロ副大統領兼外相は10日、米州がOEA重視派とCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)重視派に分極化するのを懸念し、分極化しないよう、米州諸国に呼び掛けた。
リマでは11日、MUDの顔、フリオ・ボルヘス国会議長がPPクチンスキ(PPK)・ペルー大統領に会い、「ベネスエラの民主移行のため、ラ米諸国・機関の代表になってほしい」と要請した。PPKは断ったが、MUDの主張に理解を示した。PPKは、亜国のマウリシオ・マクリ大統領と並ぶD・トランプ米大統領のお気に入りで、反ベネスエラの中核にいる。
マクリは11日ブエノスアイレスを出発、アラブ首長国連邦、中国、日本への歴訪の旅を開始した。中国では14~15両日の「一帯一路」構想首脳会合に出席する。来日は18~20日。
▼ラ米短信 ◎グアテマラで戒厳令発動
グアテマラのジミー・モラレス大統領は5月11日、西部のサンマルコス、イスチグアーン両県に30日間の戒厳令を敷いた。メヒコ国境地方の県で、マヤ系先住民人口が多い。古くからの土地問題をめぐり住民同士が衝突。またメヒコ系武装麻薬マフィア組織の侵入もあり、戒厳令発動となった。
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