▼▼▼エル・サルバドール(ES)、ホンジュラス、グアテマラの中米3国で殺人、暴行、強盗、麻薬取引などを恣(ほしいまま)にしてきた無法集団「マラ・サルバトゥルーチャス(MS-13)」と「マラ(M-18)」の幹部が7月12日、米州諸国機構(OEA)のホセ・インスルサ事務総長と会合し、両組織の部分的停戦の立会人になるよう同総長に要請した。
▼マラ両組織は、ES内戦中の1980年代から90年代初めにかけて、ロサンジェルスなど米加州のサルバドール人難民居住地域に住む青少年の間で生まれ、顔を含む体中に刺青を施している。殺人を厭わず、両派は激しい縄張り争いを繰り返し、一般市民多数が巻き込まれ死傷してきた。
▼麻薬取引の拡大に伴い、隣接する中米両国に勢力が拡がっていった。今日では、チアパス州などメキシコにも勢力は及んでいる。
▼「マラ(ス)」の言葉は、アマゾニーアにいる戦闘蟻「マラブンタ」から来ている。
▼総長は、首都サンサルバドール郊外のエスペランサ刑務所で、両組織幹部と会合した。13日、サンサルバドール大聖堂前で、部分的停戦の調印式が行なわれることになっており、総長は出席する。OEA総長の、この種の立会いは極めて異例のこと。
▼現在ES国内の刑務所に両組織の要員9600人が収監されており、巷には5万人が徘徊しているとされる。中米3国で殺人率が高いのは、マラ暗躍と無関係ではない。