日本時間(JST)11月4日~ペルー時間4日にかけて丸一日、メヒコ市経由で19500kmを飛んでリマ市のホルヘ・チャベス国際空港に着いた。昔は荒れ地に空港ビルがそびえ立つだけのこじんまりした空港だったが、21世紀に入ってからのペルー経済のいびつな隆盛を反映して、すっかり現代化している。タクシーの客引きが群がる光景は相変わらずだが、車の床に穴の開いたタクシーはもはや見当たらない。5日未明0130ごろ、カヤオ港に停泊中のピースボート「オーシャンドゥリーム」号に入った。これが私の動くホテルである。
カヤオで下船する、リマ在住の写真家義井豊の送別宴に駆け込み参加し、仮眠をとる。明けた朝、義井豊とリマ中心街のアルマス広場に行き、某有力紙政治部長にインタビューする。来年4月の大統領選挙の展望を訊いた。政治部長は主な候補の品定めをしてくれたが、もちろんオフ・ザ・レコードだった。発言者の特定に繋がるようなことを一切書かずに、発言内容を報じること。これは守らねばならない。
次いで、治安関係の元高官にインタビューした。過去の対ゲリラ戦、現在の治安状況、大統領選挙展望などを訊いた。来年12月には、リマの日本大使公邸占拠事件発生20周年となる。この事件も振り返り、質疑した。
晩春のリマは涼しかった。フンボルト寒流の影響が際立っている。油断すれば風邪をひく。PB船は6日夜、カヤオを出港、西方彼方のタヒチに向かう。2週間の航海だ。7日は安息日、8日午前、日本内外のニュースを船客たちに報告した。安倍参戦法、「マイナンバー制度」、TPP大筋合意、辺野古埋め立て予備工事強行に関心が集まった。明日は、クーバとUSAMERICA(ウサメリカ=USA=米国)の国交再開の歴史的経緯について語る。
船上も涼しいが、数日後には夏らしい暑さが甦る、と船長は予想している。船からのパソコン交信は電波事情次第だ。これが素早く届くのを期待する。