2012年11月28日水曜日

チャベス・ベネズエラ大統領がキューバで治療へ


▼▽▼ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は11月27日、高圧酸素治療を受けるため同日以降キューバを訪問する、との書簡を国会に送り、出国許可を求めた。ディオスダード・カベジョ国会議長が発表した。

▼この治療法は、放射線治療で骨などにできた傷を治したり和らげたりするために用いられる、という。数か月継続する必要があるとされる。大統領は骨盤に癌を患っている。

▼チャベスが最後に訪玖したのは6月下旬で、放射線治療を受けた。その後7月1日、大統領選挙戦に突入し、10月7日4選を果たした。最近は人前に出る機会が少なくなっていた。

▼大統領は、新任期が始まる1月10日にはカラカスに居る、としている。

▼ベネズエラは現在、12月16日の統一知事選の選挙戦の真っ最中。大統領の不在は野党に有利に作用する、との見方もある。  

2012年11月27日火曜日

ベネズエラで臓器移植・提供法が発効


☆★☆ベネズエラで臓器移植・提供改正法が11月26日発効した。死を予告されている成人(18歳以上)全員が、臓器、繊維、細胞の提供者となる。一般の成人は、提供するか否かを自由意思で決めることができる。

★改正法は昨年11月25日に公布されたが、施行が1年間猶予されていた。

★現在、同国の臓器提供登録者は1万7000人。移植待機患者は角膜、腎臓、骨髄、肝臓など3200人。

2012年11月26日月曜日

コロンビア和平交渉が市民参加で合意


☆★☆コロンビア政府とゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)は11月25日、ボゴタで来月、農地問題に関する市民参加のフォーラム(フォロ)を開くことで合意した。双方は今月19日からハバナで和平交渉を続けている。フォーラム開催は、交渉で成立した最初の具体的決定となった。

☆農地改革などを話し合う「農地統合開発政策フォロ」で、12月17~19日開かれる。双方は国連とコロンビア国立大学に協力を要請した。討論結果は1月8日に、ハバナの交渉の場に報告される。

☆和平交渉の主要議題は、農地問題の他、麻薬、武装解除、政治参加、犠牲者賠償の4項目。

FARCは交渉開始の19日、今月20日から1月20日までの60日間停戦を一方的に発表して注目された。その後、双方の間で戦闘が散発的に続いている。

 

2012年11月22日木曜日

パブロ・シーグレルの「革新タンゴ」を聴く


☆★☆アルゼンチン人ピアニスト、パブロ・シーグレルの「ジャズ・タンゴ」コンサート(LATINA主催)を11月21日、有楽町朝日ホールで聴いた。なかなか良かった。前回よりもずっと良かった。

☆全14曲のうちアストル・ピアソーラが3曲、11曲はシーグレルの自作品だった。「ラ・ラユエラ」(あるいはラ・ラジュエラ、石蹴り遊び)という自作のこの題名は、亜国人作家、故フリオ・コルタサルの同名の代表作を思わせる。本人に関係を訊ねると、全く関係ないとのことだった。

☆私は開演前に楽屋でシーグレルにインタビューした。マエストロは、自分がピアソーラの「革新タンゴ」の流れを汲み、新しい演奏法と創作を絶えず心がけていることを淡々と語った。

☆ニューヨークに定住しており、年2回ブエノスアイレスに帰る。創作のためには亜国と距離を置くことが必要なのかと訊くと、その必要はないと答えた。

☆伝統的なタンゴも弾くには弾くが、一たび指がピアノの鍵盤に触れるや創作が始まり、伝統作品も「自分のタンゴ」になる。ここは強調した。

★演奏を聴いて、絵画に例えれば「伝統タンゴは具象画で、ピアソーラやシーグレルのタンゴは抽象画だ。抽象曲に歌詞は要らない」-こんな直感を得た。

★ピアソーラの名曲「リベルタンゴ」は無論、リベルター(自由)とタンゴを合わせた言葉だ。だが、「タンゴ・リブレ(自由なタンゴ)」という在り来たりのニュアンス(意味合い)ではなく、「タンゴ=自由」というセンティード(意味)なのだ、と感知できた。

☆これらの★2つは、会場に足を運んだ収穫だった。

☆バンドネオン北村総、コントラバス西嶋徹、ギター鬼怒無月(きど・なつき)、フルート赤木りえ。4人の日本人奏者がシーグレルに息を合わせた。シーグレルも、若い4人を盛り立てた。だから良かったのだろう。

☆ところで、ビオロン(ヴァイオリン)が欠けていた。何故か。これを訊き忘れた。シーグレルが成田空港を離れる前に、この質問をしなければならない。

2012年11月21日水曜日

LATINA誌がパナマ情勢記事を掲載


☆★☆月刊誌「LATINA」12月号(11月20日発行)の、連載「ラ米乱反射」は、パナマの状況の現地ルポと解説です。伊高執筆です。

☆1989年12月に米軍がやった大規模なパナマ侵略では、パナマ人が最高8000人殺されたとされています。死傷者が最も多く出たのは、エル・チョリージョ地区という低所得者居住地区です。記事には、同地区で最近、筆者が撮影した2枚の写真も掲載されています。

☆本号には、伊高執筆の書評も出ています。『ぼくは書きたいのに、出てくるのは泡ばかり』(ペドロ・シモセ著、細野豊訳、現代企画室)と、『岐路に立つキューバ』(山岡加奈子編、岩波書店)です。ご覧ください。

シリア特使がキューバ議長に親書


▽▼▽シリアのバシャル・アルアサド大統領の特使ファイサル・メクダド副外相は11月20日ハバナを訪れ、ラウール・カストロ議長宛ての親書を手渡した。JRマチャード副議長とブルーノ・ロドリゲス外相が対応し、副議長が親書を受け取った。

▽親書の内容は明らかにされていない。

▽マチャード副議長は特使に対し、シリアを支持するキューバの立場をあらためて表明した。

2012年11月20日火曜日

ニカラグアが「海の争い」でコロンビアに勝訴


★☆★☆★国際司法裁判所は11月19日、ニカラグアとコロンビアのカリブ海領海・経済水域画定に関する裁定を下し、ニカラグアが国土の約35%に匹敵する広大な海域を経済水域として認められた。同裁判所は2001年からこの問題で審理していた。

★問題の海域は、ニカラグア東方沖に北から南に並ぶサナンデレス諸島など3諸島に属する7つの群島と周辺の海。両国間で1928年に条約が結ばれ、島々の領有権と海域のほとんどはコロンビアに属すると定められた。だがニカラグアは、米軍占領下で結ばれた条約であり無効だ、と主張していた。

★これまでは西経82度が海の国境線とされていた。今回の裁定で、東に大きくずれて西経79度近くが海の国境線となった。

★ニカラグアは、大陸棚の延長上の海域は自国の経済水域だと主張し、訴えていた。ダニル・オルテガ大統領は、首都マナグアの革命広場に支持者を大動員して祝賀行事を催し、「国家の勝利だ」と宣言した。アルノルド・アレマン、エンリケ・ボラーニョスの両元大統領と歴代外相経験者も出席した。

★一方、コロンビアは島々の領有権は確認されたが、諸島の北、西、南の海域をそっくり失った。フアンマヌエル・サントス大統領は、沈痛な面持ちで「裁定は間違いだ」と述べただけだった。

★コロンビアは、旧領海・経済水域を前提として、米国と自由貿易協定を結んでいるが、修正を迫られることになった。

★一方ニカラグアは、漁業資源をはじめ生物多様性、海底資源が自国のものになった、と手放しで喜んでいる。島の領有権よりも海という、実をとったのだ。

★同裁判所は、チリとペルーの領海線確定問題で審理しており、近く裁定が出る。両国は、今回のニカラグアとコロンビアの問題に関する裁定に強い関心を示している。