2017年4月30日日曜日

 ローマ法王フランシスコがベネズエラ対話は一部野党の反対もあり失敗したと認める。同国政府は外国メディアに「意図的誤報」をせぬよう求める▼法王が「核戦争は人類と文化を破滅させ、耐え難い」とし、北朝鮮に「対話による緊張緩和」を呼び掛け

 ローマ法王フランシスコは4月29日、訪問していたカイロからローマに戻る特別機内で70人の同行記者団と懇談。ヴァティカンによる去年のベネスエラでの対話促進努力は一部野党の反対などで失敗した、と明らかにした。

 ヴァティカンのピエトロ・パロリン国務長官(元ベネスエラ駐在法王庁大使)は昨年、仲介のための条件として、選挙行程表作成、反政府派囚人釈放、国際人道支援受入れ、国会権利復活などを提案した。だが成功しなかった。

 法王は、「問題の一つは、野党が分裂し、条件に同意しなかったことだ。野党が分裂していながら、紛争が毎時激化しているのは妙なことだ」と語った。

 さらに、「ベネスエラのために出来るかぎりの努力を払うが、今後、対話を促進するには極めて具体的な条件を定めるねばならない。保障が必要だ」と強調した。

 カラカスでは29日、デルシー・ロドリゲス外相がエルネスト・ビジェーガス伝達・情報相を伴って外国メディア記者団と会見。「内外メディアは街頭行動中に出た犠牲者について意図的誤報を繰り返している」として、「可能な限り公正な報道を心がけてほしい」と呼び掛けた。

 一例として、ベネスエラの保守・右翼紙エル・ナシオナルは、ある死んだ男子大学生について「催涙ガス弾を胸に受けて死亡した」と報じていることを挙げた。ビジェーガス情報相は、「現場のビデオは、治安部隊が離れた位置から催涙ガス弾を発射していたことを示している。ガス弾は至近距離から発射されないかぎり殺人能力を持たない」と指摘した。

 国内メディアのこうした報道を外国メディアのカラカス通信員が国外に発信するため、虚偽が国際社会に蔓延し、ベネスエラ政府がその都度、悪役として非難される事態に陥っている。両相が公正な報道を求めたのは、そのためだ。

 ビジェーガス情報相はさらに、英ロイター通信は「国家警備隊(GNB)要員が恣意的に記者を逮捕した」との説明付きで写真を流したが、後で「そのGNB要員は記者を助けていたことがわかった」と訂正した、という事実を明らかにした。また、破壊活動を続ける野党側覆面別働隊がロイター通信写真記者に、「自分たちを撮影しないでほしい」と言った事実も公表した。

 保守・右翼野党連合MUDは29日、5月1日に国家選挙理事会(CNE、中央選管)にデモをかけ、選挙実施日程公表を求め、同じく最高裁判所には判事総入れ替えを要求する、と発表した。当日は「国際労働者の日」(メイデー)であり、政府は支持派労働者の大動員を計画している。

 一方、商業会議所連盟は28日、ベネスエラの民間企業は2002年に83万社あったのが、今では25万社しかない、と明らかにした。ベネスエラ原油国際価格は28日、1b=42・46米ドルだった。

▼法王発言  ◎北朝鮮とトランプ米大統領来訪に触れる

 法王フランシスコは4月29日、ローマに向かう機内で「核戦争勃発の可能性」を記者団に訊かれて、「北朝鮮は自らの核開発をめぐって起きた緊張の緩和のため交渉すべきだ。彼らに外交での解決を促してきたが、今後も促す。ノルウェーをはじめ諸国が仲介意志を示している」と答えた。

 さらに、「米国は、壊滅的結果を招きかねない脅威に対処しようと圧力を強めているが、そのさなかに北朝鮮はミサイルを発射した。失敗したが、北朝鮮の状況は極めて熱くなっている」と指摘。「核戦争は人類と文化の大部分を破滅させる。人類は耐えられない」と警鐘を鳴らした。

 法王は、D・トランプ米大統領のヴァティカン訪問について訊かれ、「来訪について公式な連絡は受けていないが、謁見を求められれば対応する。これまで各国の政府首班と会ってきたように」と述べた。

2017年4月29日土曜日

 ベネズエラが米州諸国機構(OEA)脱退を正式に通告。反政府勢力の暴力行動を禁止する州が相次ぐ。政府はCELAC外相会議で対話政策発表へ▼メキシコ学生事件から27ヶ月▼ブラジルでゼネスト決行

 ベネスエラの米州諸国機構(OEA)担当臨時代理大使カルメン・ベラスケスは4月28日、ワシントンのOEA本部でルイス・アルマグロ事務総長に書面で、OEA脱退を正式に通告した。脱退までには手続き上、2年かかる。その間ベネスエラは加盟国としての資格を維持するが、ニコラース・マドゥーロ大統領は、OEAと一切縁を切ると言明している。

 ベネスエラ外交の重鎮で前OEA駐在大使のロイ・チャデルトンは、「OEA諸国は自らの国内問題を覆い隠すためベネスエラに私刑を加え、内政干渉原則を裏切る過ちを犯すという自殺行為をしている。ベネスエラ断罪は米帝国主義の弱さの表れだが、OEAは米国を排除するなどの矯正策なくしては滅びるだろう」と述べた。

 反政府勢力の指導部であである保守・右翼野党連合MUDは28日も街頭行動を続け、14年2月の街頭暴力(グアリンバ)教唆罪で服役中の極右政治家らが収監さてているミランダ州内のラモ・ベルデ軍事刑務所前まで到達した。同州知事カプリーレスがMUD幹部であるため、可能だった。

 抗議行動には平和行進しない大学生若者らの別働隊が破壊活動、投石、暴力行為を続けており、取締りの治安部隊と衝突を繰り返してきた。4月初めからの街頭暴力、破壊、略奪事件で、略奪中に感電死した8人を含め、29人が死亡している。

 MUDは、内外メディアの支援を得て、「街頭暴力加害者を政府、被害者をMUD側」に仕立てる虚偽キャンペーンを展開している。バルガス州のガルシア=カルネイロ知事は28日、州内の抗議行動での覆面使用と暴力を禁止した。MUDの国会議員は直ちに、「州知事は州内での抗議行動を禁止した」と虚偽情報を発信した。

 揚げ足をとれば、この議員は、MUDの抗議行動は別働隊の覆面と暴力と一体化している、ということにを認めたことになる。エルネスト・ビジェーガス伝達・情報相は28日、全国335市で街頭暴力をビデオに撮影する「暴力目撃コンクール」を開始すると発表、スマホなどの所有者に参加を呼び掛けた。

 狙いは、MUD派の暴力のひどさを市民に認識させ、その証拠を掴むことだろう。コロンビア国境沿いのタチラ州も、暴力を伴う街頭抗議行動を禁止した。

 デルシー・ロドリゲス外相は、5月2日サンサルバドールで開かれるCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)緊急外相会議の場で、ベネスエラの政治対話に関与するラ米・カリブ諸国集団を発表し、MUD側暴力を暴くと述べた。

 マドゥーロ大統領は28日、「OEAは右翼諸国に統御されており、反ベネスエラの異端審問所と化した」と糾弾した。

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は、「ベネスエラはゴルペ(クーデター)状況にある。マドゥーロ大統領への辞任要求は、この国の民主終焉を意味する。アルマグロ事務総長の下でOEA諸国が陰謀者となっているのは嘆かわしい。OEAは左翼大統領へのゴルペの陰謀については議論しない」とOEAを厳しく批判した。

 一方、米国務省広報官は、ベネスエラ脱退まで2年かかることを踏まえて、「OEA脱退か残留かを最終的に決めるのは次期大統領になる」と指摘した。

▼ラ米短信     ◎メヒコ学生強制失踪事件から27カ月

 ゲレロ州イグアラ市でアヨツィナパ農村教員養成学校生43人が強制失踪させられてから4月26日で27カ月経った。事件はいまだに解決していない。この悲しい記念日に父母、支援団体ら400人が首都メヒコ市目抜きレフォルマ大通りを、検察庁前からフアレス大通りのフアレス廟まで行進した。

 親たちは政府に、事件に関与した疑いの濃厚な陸軍、ウイツコ市警、地元市当局、麻薬組織などを捜査するよう要求している。検察庁は24日、この事件の強制失踪や殺害に関与した容疑で、ゲレロ州ウイツコ市を拠点とする犯罪組織「ウイツコ・ゲレロ」の首領ら2人を逮捕した。同組織とイグアラ市警との贈収賄癒着は明るみに出ている。

 一方、メヒコ経済当局は27日、同国の今年第1四半期の経済成長は2・5%だったとし、「トランプ米政権の最初の一〇〇日間、メヒコ経済は生き延びた」と述べた。

▼ラ米短信    ◎ブラジルでゼネスト実施

 ブラジル労連は4月28日、全国で24時間ゼネストを決行した。テメル政権の労働法と年金法の手直しに反対してのこと。昨年、「国会クーデター」で政権に就いたミシェル・テメル大統領は支持率10%、不支持率87%。失業率は13・7%(1420万人)。 
 
 

2017年4月28日金曜日

★アサド大統領が「ベネズエラの状況はシリア内戦初期に酷似」と指摘。キューバはマドゥーロ大統領のOEA脱退決定を断固支持。トランプは「何が起きるか見守ろう」と米亜首脳会談で語る。マクリ亜国大統領は5月来日▼パラグアイとロシアが防衛協力協定結ぶ  

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月27日、「ボリバリアーナ革命は新たな時期を迎えた」として、女性市民に力を貸してほしいと訴えた。大統領は、反政府系メディアについて、「右翼勢力(反政府勢力)による街頭暴力、破壊活動を全く伝えず、真実を覆い隠している」と厳しく批判した。

 カラカスに本社を置くラ米多国籍メディア「テレスール」は同日ダマスカスでシリアのバシャール・アル-アサド大統領とインタビューした。アサド大統領は、「現在のベネスエラの状況は、シリア内戦初期とそっくりだ。政府打倒を狙って<平和行動>を展開し、そこに殺傷暴力を絡ませ、その責任を政府に転嫁する手法が使われている」と指摘した。その上で、「ベネスエラ市民は真相を認識せねばならない。反政府と反祖国は全く別ものだ」と強調した。

 クーバ外務省は声明を発表、「ベネスエラとマドゥーロ大統領のOEA(米州諸国機構)脱退という勇気ある決定を断固支持する」と表明した。クーバは1962年1月、ケネディ米政権の主唱でOEAを追放されて以来、復帰していない。

 声明はまた、「OEAは、西半球を支配する帝国主義の道具という伝統的役割を演じ、<我らのアメリカ>(ラ米・カリブ)の主権・独立・尊厳を傷つけている」と指摘。「今はベネスエラ政権打倒を目指しており、さらなる糾弾に値する」と糾弾した。

 政府の物資供給組織CLAPのフレディ・ベルナル代表は、「右翼勢力は権力奪取のためには国全体を炎上させるのも辞さないようだ」と非難した。ベルナルはまた、大統領命令により、全国3万CLAPに「コムニカドール(通報者)」を起き、その全国網をラレク・エルアイサミ執権副大統領の指揮下に置く、と明らかにした。

 ベルナルによると、★各CLAPには「民兵防衛隊」(UDM)を置き、それぞれの地域の防衛に当たる。これは、反政府勢力による政治活動と破壊活動が激化し、「内戦」状況に陥った場合に備えた対策と考えられる。

 デルシー・ロドリゲス外相は、OEAで反ベネスエラの根回し役として目立ったメヒコとアルヘンティーナを批判。「メヒコはトランプのTLCAN(NAFTA)脱退取りやめと引き換えに、米国から金をもらってベネスエラ包囲網づくりに努めたのか」と指弾した。

 一方、D・トランプ米大統領は27日、大統領政庁(ホワイトハウス)でマウリシオ・マクリ亜国大統領と会談。その冒頭で、「ベネスエラは混乱している、ひどい状態だ。ベネスエラ情勢はとても悲しい。何が起きるか、見守ろう」と述べた。

 マクリは会談の後、「ベネスエラに民主政権を復活させねばならない」と、新たな内政干渉発言をして憚らなかった。マクリはまた、2週間内に中日両国を訪問し、6月にはアンゲラ・メルケル独首相を亜国に迎える、と明らかにした。

 米共和党右翼で反カストロ派クーバ系のマルコ・ルビオ上院議員は、米タイム週刊誌上で、「マクリはベネスエラ問題で米国の強力な仲間になりうる。マクリ政権は他の諸国と共にマドゥーロ政権糾弾で米政府と協働した」と述べた。ルビオは、ラ米政策でトランプの<指南役>を務めている。

▼ラ米短信   ◎パラグアイとロシアが防衛協定調印

 パラグアイとロシアは4月28日モスクワで、防衛協力協定に調印した。詳細は不明。


2017年4月27日木曜日

★★★ベネズエラが米州諸国機構(OEA・OAS)脱退を決定、事態は重大な局面へ。OEAは5月外相会議開催へ。CELACは5月2日エル・サルバドールで緊急外相会議を予定。トランプ米大統領は27日、反ベネズエラの急先鋒アルゼンチンのマクリ大統領と会談へ

 ベネスエラ政府が4月26日、ついに米州諸国機構(OEA、英語でOAS)脱退に踏み切った。OEA大使会合が同日、ベネスエラの意向に反して、ベネスエラ情勢を話し合う特別外相会議を5月半ば以降、開催することを決めたためである。ベネスエラ情勢は、重大な局面に入った。

 ニコラース・マドゥーロ大統領はOEA決定を受けて、「私は帝国による内政干渉と決別するため巨大な一歩を踏みこんだ」と述べ、脱退決定を発表。これを受けてデルシー・ロドリゲス外相は大統領政庁で、「27日に脱退手続きを開始する。脱退には2年はかかる」と表明した。また規約により、加盟国割り当金870万ドルを支払わなければならない。

 OEA(加盟34カ国)は、外相会議招集賛成19、反対10、棄権4、不参加1で、招集を決めた。反ベネスエラの急先鋒アルヘンティーナからはスサーナ・マルコーラ外相が大使に代わって発言、「他国の人民や政府に干渉するのは許されないが、制度の民主化を促すのは内政干渉ではない。(ベネスエラでの暴動事件の)死者が制度と指導者の失敗を象徴している」と述べ、外相会議招集への賛成を促した。

 これに対し、ベネスエラのサムエル・モンカーダ大使は、「OEA史上もっとも暗い日だ。主権国家に決定を押し付けている。破壊活動はこのOEAの場から始まっている」と反撃した。

 デルシー外相は、脱退手続き開始を告げた後、OEAの敵対行動を非難、「OEAは米政府主導で内政干渉同盟を結成した。歴史は、北米合州国の国益に貢献しようと跪く従僕たちを厳しく糾弾することになろう」と批判。「脱退決定は成り行き的なものではなく、ボリーバル主義の内政干渉不可原則に則り為された」と説明した。

 外相はまた、ベネスエラの要請により、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC、33カ国加盟)は5月2日、輪番制議長国エル・サルバドールの首都サンサルバドールで緊急外相会議を開く、と明らかにした。

 保守・右翼野党連合(MUD)は26日も首都カラカスなどで街頭行動を決行したが、27日も続行。28日にはMUD所属の政治家らが暴動教唆罪などで服役している刑務所まで行進し、囚人への面会を求めるという。政府のOEA脱退決定を受け、嵩にかかってて挑発する構えだ。MUDは、内外圧力の増幅で、これまでマドゥーロ政権を支持してきた軍部が離反すると計算している。

 一方、政府支持派のチャビスタ(チャベス主義者)青年団らは26日、政庁前で大集会を開き、大統領と会った。大統領は全国32国立大学の施設現代化や奨学金制度拡充のため330億ボリーバルを投下すると発表した。チャビスタも厳戒態勢と動員態勢を維持している。街頭での衝突が懸念されている。

 ドナルド・トランプ米大統領は27日、マウリシオ・マクリ亜国大統領を迎え、ベネスエラ情勢への対応を協議する。マルコーラ外相は、このためワシントン入りし、OEA会議に出席した。

 過去には1962年1月末、ケネディ米政権の主唱で、OEAはクーバを追放した。クーバは復帰要請を跳ね付けている。
    

2017年4月26日水曜日

  4月初めからのベネズエラでの反政府街頭行動の死者26人、負傷者437人。米州諸国機構(0EA)が緊急外相会議招集を協議。ベネズエラは自国の了承なく外相会議が開かれればOEA脱退辞さないと表明。併せてCELAC外相会議開催を要請▼キューバが国連で米国による「電波侵略」を告発

 ベネスエラのルイサ・オルテガ検事総長は4月25日、同月初めからの一連の反政府行動による死者が同日計26人に達したと発表した。負傷者は437人。殺傷、破壊行為、略奪などで1289人を逮捕、うち217人は出廷、65人は依然取り調べ中。他は釈放された。

 ワシントンの米州諸国機構(OEA)は25日、ベネスエラ情勢を話し合う緊急外相会議を招集するか否かを26日の大使会議で討議すると発表した。招集案は、亜URU伯PAR智秘COL巴CR・HON・GUA墨米加BAR・JAM・BAHの17カ国が提案した。

 これに対しデルシー・ロドリゲスVEN外相は、OEAがベネスエラの了承なしに外相会議を開いたら、直ちにOEAから脱退する手続きに入る、と言明した。ニコラース・マドウーロ大統領の命令という。

 外相はまた、国内右翼勢力がベネスエラの憲政民主秩序を脅かしている不安定化の策謀と、VEN独立・主権・自決への内政干渉について話し合い、糾弾するためとして、CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)の緊急外相会議開催を、議長国エル・サルバドールに要請した。

 米州35カ国中、OEAにはクーバ以外の34カ国が加盟。CELACには米加の北米両国以外の33カ国が加盟している。玖米加以外の32カ国は双方に加盟している。

 一方、ウグベル・ロアVEN大学教育・科学技術相は25日、私立大学が勝手に休暇を制定し授業を中断したのは違法だと告発した。私大生が授業を気にせず反政府行動に参加するのを容易にするための措置であり、政府は認めがたい。

 ロア相はまた、「反政府右翼勢力は大学生ら若者を雇って暴動を起こし、国際社会に<内戦状況>を示し、外国の介入を誘導すべく策謀している」と非難した。

 反政府行動を指揮している保守・右翼野党連合MUDは26日、首都カラカス中心部のオンブズマン事務所に向けて行進する予定。政府支持派の若者は同日、大統領政庁(ミラフローレス宮)前に集結する。

 マドゥーロ大統領は25日、「国際労働者の日」(メイデー)には、労働者の生き方を変える重大決定を発表する、と明らかにした。政府系労働者は全体の56%に当たる約738万人。全国でメイデー行進に動員される。

 ベネスエラはモンテビデーオにある南部共同市場(メルコスール)本部で25日、議長国アルヘンティーナを相手に裁定を要求した。ベネスエラは昨年12月、亜伯PAR3国の主唱で、加盟資格を停止させられた。

▼ラ米短信    ◎クーバが国連で米国による「電波侵略」を告発

 米国はクーバに向けてラジオ、テレビによる宣伝放送=電波侵略を続けている。クーバは4月25日、国連情報委員会で告発した。玖側集計で、昨年、米領内から毎週25周波・計1000時間の電波侵略があった。

 ベネズエラ反政府勢力指導者がマドゥーロ政権打倒まで街頭行動続行と表明。チャベス像も倒される。政権党幹部は、反政府勢力は「街頭謀略」などCIA教本通りに行動していると暴露▼チリのエル・メルクリオ紙社主が死去

 ベネスエラでは4月24日も反政府勢力による抗議行動および、その別働隊の破壊活動と、対抗する治安部隊および支援勢力の衝突で死傷者が出た。破壊や略奪事件も起きた。

 保守・右翼野党連合MUD所属のホルヘ・ボルヘス国会議長は、26日にチャベス派の牙城である首都リベルタドール区への行進予定を発表、★「帰らざる行進だ。選挙実施まで、民主国家樹立まで続く」と述べ、平和行進と破壊活動を含む一連の街頭行動をマドゥーロ政権打倒まで続けるつもりであることを明らかにした。

 これに対し、政権党PSUV副党首ディオスダード・カベージョ国会議員は24日記者会見し、5月1日の「国際労働者の日」に政府支持派が首都カラカスで一大動員をかけると発表。★「右翼勢力はCIAの合法政権打倒教本に沿って反政府活動をしている」と指摘。「独裁から民主へ」、「テロリズムと都市ゲリラ教本」、「新しい都市蜂起:街頭謀略」の3教本を挙げた。

 24日も非公式集計で7人が極右暴徒の狙撃などにより死亡した。死者は30人に届こうとしている。カラカス警察署長も脚を撃たれ、病院で手当てを受けた。

  カラボボ州ディエゴイバーラ市では故ウーゴ・チャベス前大統領の立像が放火され、倒された。

 スペイン保守・右翼政界の旗頭マリアーノ・ラホーイ首相は24日ブラジリアでミシェル・テメル伯大統領と会談、ベネスエラ情勢を取り上げて、選挙を早く実施すべきだと述べた。これに対しデルシー・ロドリゲスVEN外相は25日、内政干渉として撥ねつけ、「スペイン政権党(PP)内部の汚職から目をそらせるために我が国を利用している」と非難した。

 同外相は、3月末に脱出しコロンビアに逃げ込んだ国軍尉官3人の身柄引き渡しを求めていたところ、コロンビア政府から「政治亡命を認める」との回答があったと明らかにした。3人は先ごろ、ベネスエラ国軍に反政府蜂起を呼び掛けるビデオメッセージを電脳機器で流した。

 政権党PSUV幹部は24日、ルイサ・オルテガ検事総長が、MUDによる反政府行動のさなかに破壊活動や殺傷事件が続発しているのを非難していないと指摘、同検事総長を非難した。政府・政権党の高官間のこの種の批判は珍しい。

 一方、国際通貨基金(IMF)は24日マナグアでニカラグア経済状況を調査、ベネスエラによるニカラグアへの資金援助が過去2年間、大幅に減少していると明らかにした。

▼ラ米短信   ◎チレ軍政を支持した新聞社主が死去

 チリでエル・メルクリオ、ラ・セグンダ、ラス・ウルティマス・ノティシアスの保守・右翼系3紙を発行していた新聞社主アグスティン・エドゥワーズ(89)が4月24日、老衰で死去した。

 70年代初め、アジェンデ社会主義政権に反対、アウグスト・ピノチェー将軍らによる軍事クー^デターを煽った。米国に留学、親米で、米大使館やCIAと通じていた。 

2017年4月24日月曜日

 マドゥーロ・ベネズエラ大統領が反政府野党連合に対話を呼び掛け、選挙実施の意思示す▼アルゼンチンでは軍政期に行方不明となった「赤子」を発見、122人目

 ベネスエラは4月23日、比較的平穏な日曜日を迎えた。ニコラース・マドゥーロ大統領はテレビの日曜定例番組で、「我々は対話の用意がある。右翼の暴力と、極右のゴルペ主義(クーデターの策謀)を止めさせるため」と述べ、保守・右翼野党連合MUDに対話を呼び掛けた。MUDは24日、首都カラカスをはじめ全国の主要道路で「立ち番(監視活動)」を展開する予定。

 大統領はまた、「我々は内戦に向かってはいない。人民革命という歴史的で新しい解放過程を進んでいる。革命の下での平和を目指している。ベネスエラに平和なくして、ラ米に平和はない」と強調した。

 マドゥーロは、「労農・先住民で構成する人民制憲議会を通じて共和国を再建するため、選挙による平和裡の人民制憲過程を推進する。私は政府首班、国家元首として、選挙を実施したい」と語り、州知事・州会議員選挙を実施する意志を示した。

 さらに、「破壊活動に駆り立てている野党議員らを、エル・バージェ地区での略奪や母子病院襲撃の責任者として司法に委ねたい」と述べた。また「ミランダ州と首都カラカスで暴徒に破壊され略奪された50軒の店舗・商店に計180万ドルの救済資金を渡した」と明らかにした。暴徒の多くは、破壊活動を働くMUDの別働隊。

 大統領は、ローマ法王による対話の仲介を希望。JLRサパテーロ前スペイン首相ら南米諸国連合(ウナスール)の仲介使節団3人の来訪を要請した。

 政府の貧困大衆向け住宅政策に触れて、既に160万戸を建設したが、年末には200万戸に到達したい、と述べた。

 政府支持派は23日、エル・バージェ地区など、暴徒による破壊活動がひどかった地区で掃除、バリケード撤去、瓦礫除去、植樹などの活動を繰り広げた。

 ネストル・レベロール内相は、19日に反政府側がビルの上層部から意図的に落とした瓶で頭部を割られた47歳の女性が23日死亡した、と発表した。非公式集計では、4月初めからのMUDによる反政府街頭行動関係の死者は21~22人に達した。

 コロンビア極右勢力の旗頭、アルバロ・ウリーベ前大統領は、「マドゥーロを排除すべき時だ」と表明した。リカルド・ルーナ秘外相は、法王庁とラ米有志諸国がベネスエラ対話の仲介者となるべきだ、と提案した。

 一方、国際通貨基金(IMF)はベネスエラの経済指標に触れ、今年のインフレを2068%と予測。経済は昨年18%縮小したが、今年7・4%、来年4・1%、それぞれ縮小すると展望した。失業率は昨年21%だった。

▼ラ米短信    ◎亜国で軍政に奪われた「赤子」を発見

 アルヘンティーナ軍政期に息子・娘を殺害され孫を奪われた祖母たちの「五月広場の祖母たちの会」は4月23日、「孫を見つけた。これで122人め」と発表した。目下、法的手続き中。まだ400人前後の「元赤子」が見つかっていない。

 1977年にブエノスアイレス市内で軍政に拉致され殺害された男女の娘で、現在39歳。殺された両親は、ペロン派極左地下結社「モントネロス」の要員だった。母親は赤子を産むとすぐに引き離され、抹殺された。