ベネスエラでは4月24日も反政府勢力による抗議行動および、その別働隊の破壊活動と、対抗する治安部隊および支援勢力の衝突で死傷者が出た。破壊や略奪事件も起きた。
保守・右翼野党連合MUD所属のホルヘ・ボルヘス国会議長は、26日にチャベス派の牙城である首都リベルタドール区への行進予定を発表、★「帰らざる行進だ。選挙実施まで、民主国家樹立まで続く」と述べ、平和行進と破壊活動を含む一連の街頭行動をマドゥーロ政権打倒まで続けるつもりであることを明らかにした。
これに対し、政権党PSUV副党首ディオスダード・カベージョ国会議員は24日記者会見し、5月1日の「国際労働者の日」に政府支持派が首都カラカスで一大動員をかけると発表。★「右翼勢力はCIAの合法政権打倒教本に沿って反政府活動をしている」と指摘。「独裁から民主へ」、「テロリズムと都市ゲリラ教本」、「新しい都市蜂起:街頭謀略」の3教本を挙げた。
24日も非公式集計で7人が極右暴徒の狙撃などにより死亡した。死者は30人に届こうとしている。カラカス警察署長も脚を撃たれ、病院で手当てを受けた。
カラボボ州ディエゴイバーラ市では故ウーゴ・チャベス前大統領の立像が放火され、倒された。
スペイン保守・右翼政界の旗頭マリアーノ・ラホーイ首相は24日ブラジリアでミシェル・テメル伯大統領と会談、ベネスエラ情勢を取り上げて、選挙を早く実施すべきだと述べた。これに対しデルシー・ロドリゲスVEN外相は25日、内政干渉として撥ねつけ、「スペイン政権党(PP)内部の汚職から目をそらせるために我が国を利用している」と非難した。
同外相は、3月末に脱出しコロンビアに逃げ込んだ国軍尉官3人の身柄引き渡しを求めていたところ、コロンビア政府から「政治亡命を認める」との回答があったと明らかにした。3人は先ごろ、ベネスエラ国軍に反政府蜂起を呼び掛けるビデオメッセージを電脳機器で流した。
政権党PSUV幹部は24日、ルイサ・オルテガ検事総長が、MUDによる反政府行動のさなかに破壊活動や殺傷事件が続発しているのを非難していないと指摘、同検事総長を非難した。政府・政権党の高官間のこの種の批判は珍しい。
一方、国際通貨基金(IMF)は24日マナグアでニカラグア経済状況を調査、ベネスエラによるニカラグアへの資金援助が過去2年間、大幅に減少していると明らかにした。
▼ラ米短信 ◎チレ軍政を支持した新聞社主が死去
チリでエル・メルクリオ、ラ・セグンダ、ラス・ウルティマス・ノティシアスの保守・右翼系3紙を発行していた新聞社主アグスティン・エドゥワーズ(89)が4月24日、老衰で死去した。
70年代初め、アジェンデ社会主義政権に反対、アウグスト・ピノチェー将軍らによる軍事クー^デターを煽った。米国に留学、親米で、米大使館やCIAと通じていた。