2016年4月26日火曜日

6月27日にパナマ運河第3水路の営業通航開始へ

 パナマ運河庁(ACP)は4月25日、建設工事がほど終わっている同運河第3水路の通航式を6月26日実施と確認、翌27日から営業通航を始める、と発表した。

 通航式にカリブ海側コロン市クリストーバル港方面から太平洋側のパナマ市バルボア港方面にかけて最初に通航する船は、4月29日、抽選で決める。日本郵船の液化石油ガス(LPG)運搬船「リンデン・プライド」号に決まる可能性があるという。

 第3水路を通航する船舶は、「新パナマ運河最大限度」(ネオパナマックス)である、船幅49m、全長366m、喫水12・5m以内でなければならない。

 ACPは2015年度の現行パナマ運河通航実績上位15カ国を初通航船抽選会に招いている。北米から米加、ラ米から智秘コロンビア赤墨グアテマラ巴ベネスエラ、欧州から西蘭、アジアから中日韓。同通航実績は米中智日の順だった。

 パナマ政府は通航式に世界70カ国首脳を招待している。バラク・オバーマ米大統領、習近平中国主席、ラ米諸国首脳らが出席すると回答済み。「パナマ文書」問題との関連で出席に難色を示す首脳もいるという。

 第3水路の建設工事は2007年に開始された。スペインの建設会社サシルを中心とする西伊巴企業連合が想定建設費の半値で落札したが、中途で資金不足に陥り、ACPと対立。当初、現行運河開通100周年の14年8月15日開通の目標が延期を重ねた。

 費用も最終的に54億ドルに達した。ACPが見込んでいた額とほぼ同じだった。新水路を加えたパナマ運河は、世界の海運の6%を担い、年間通航料10億ドルをパナマにもたらすと見られている。

 サシル社が新水路建設に貢献したスペインは、6月26日にやり直し総選挙を実施する予定で、国王も暫定首相も出席しない見通し。

▼ラ米短信  ブラジル上院は4月25日、このほど設置された弾劾審議特別委員会がまとめる見通しの弾劾裁判開始決議案を5月12日、本会議で採択する方針を決めた。

 本会議採択は定数81の過半数(41議席)で可能。可決されれば、ヂウマ・ルセフ大統領は最大180日間、職務を離れなければならない。その間、弾劾裁判開始の是非をめぐって審議がなされ、最終的に弾劾裁判開始か否かが決まる。

 大統領離職中は、副大統領が職務を代行する。だが、そのミシェル・テメル副大統領にも、ルセフと同じ弾劾理由の嫌疑がかけられている。