★☆★月刊誌「世界」2013年2月号に、「政権交代だけでは解決できないメキシコ麻薬戦争」というルポルタージュが掲載される。文は工藤律子、写真は篠田有史。
★カルデロン前政権は6年間、メキシコ全土を<麻薬戦争>の戦域とし、治安が乱れに乱れ、国中が大混乱に陥った。2012年12月1日発足したペニャ政権は、12年ぶりに復権したPRI政権。PRIは、特に1980年代末から麻薬マフィアとの癒着が問題になっていた政党だ。
★新政権は、以前の手法で癒着し、取締の手を抜くことで<麻薬戦争>を鎮静化させる選択肢も持つ。北の隣人で、最大の麻薬消費国USAの当局が気にしているのは、その点だ。
★本ルポは、12年7月1日の大統領選挙の経緯と絡めて、深刻な麻薬問題を描く。日本では、ラ米の状況を伝える長物記事が極めて少ない。このルポは、現代メキシコの、ある断面を知るのに格好の記事だ。
【参考記事:月刊「LATINA」2012年8月号「ラ米乱反射・メキシコ大統領選挙」特集。】