PBオーシャンドゥリーム号はタヒチのパペーテとボラボラ島に寄港して、11月4日、独立サモアの首都アピアに入港した。初めてのアピアゆえに午前中は歩き、記事執筆に備えて写真を何枚か撮った。午後は、島の反対側の集落で、住民と交流した。石焼料理がうまかった。南洋の島ではココヤシの実と葉は万能だ。これなしに生活が成り立たないと言っても過言ではない。あらためて実感した。
パペーテでは、タヒチ舞踊の踊り手、歌手、演出家、振付師、小道具製作を一人でこなすココさんの家で、できたてのプアソンクルー、マグロ刺身をご馳走になった。うまかった。今航海最高の食事だった。
ボラボラでは海につからず、去年見た巨大鰻を見に、街のドブ川に行った。だが鰻はいなかった。
船上講義は大方終わり、アピア前には、サマセット・、モームが英国の諜報員として滞在したことの話と文学について語った。
今日からは船内に250人ぐらいいる若者たちのための連続講座を始めた。「少数派の存在を認め多様性豊かな社会に日本を変えていくには」を主題にパネル討議をした。
船は27日、赤道を越え、北半球に戻る。スコールが続き、気温は心持ち涼しい。船にいると、通信事情などから国際情勢がなかなか分からない。これが痛い。2015・11・26 伊高浩昭