2016年3月20日日曜日

オバマ米大統領キューバ訪問、きょうハバナ入り

 バラク・オバーマ米大統領は3月21~22日のキューバ公式訪問に先立ち20日、ハバナ入りする。ハバナでは旧市街を中心に大統領来訪に備えて進められていた道路舗装、建物の壁の塗り替えなどの街化粧が大方済んでいる。土産物店には、米国と敵対した革命家、故チェ・ゲバラとオバマ大統領の肖像が並んでいる。

 米インターネット大手グーグルのヴィントン・サーフ副社長は18日、ハバナで開かれた第7回国際電気通信シンポジウムで講演、「オバーマ大統領訪問を機にインターネットサービスの対玖規制が解除されるのを期待する」と述べた。また、「クーバ人は創意に富んでおり、規制は技術革新を妨げる」と指摘した。

 玖米両国は18日ハバナで、水路学、測量学、海洋観測などで協力する議定書に調印した。

 クーバの人気TVユーモア風刺番組「語って生きる」で進行役「パンフィロ(愚鈍)」として主演する俳優ルイス・シルバは19日、番組中、ハバナで22日実施される米大リーグのタンパベイ・レイズと玖ナシオナルチームとの試合当日、「雨になるかどうか気象台に訊いてみよう」と電話をかけた。

 すると、ホワイトハウスにつながり、本物のオバーマ大統領が「クーバのパンフィロだと! 本当か?」とスペイン語で答えた。大統領は、「早く訪玖したい。米玖両人民は友人同士だからね」と続ける。両国政府連携の情宣の一こまだった。

 友好に一役買う英ロックバンド、ローリングストーンズのプロデューサー、ダーレ・シェルセスも19日ハバナで、「クーバ人は我々のコンサート以上の音楽行事を今後観ることはないだろう」と豪語した。コンサートは25日、ハバナのスポーツ都市の野外ステージで観衆40万人を集めて催される。

 一方、クーバ共産党機関紙グランマは19日、革命防衛委員会(CDR)の声明を発表。「我々CDRは14歳以上の市民の91%が参加するクーバ最大の市民社会だ」と前置きし、革命体制と社会主義を守る意志を強調しながら、「オバーマ大統領来訪を歓迎する」と表明した。これはクーバ政府の立場を代弁している。

 クーバを18日公式訪問したベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領はラウール・カストロ国家評議会議長と会談。その後、両国間で2016~30年の長期経済協力に関する協定の調印式が催された。エネルギー、医療、都市菜園を含む農業、鉱業などが重点項目。

 ラウール議長からクーバの対外最高勲章「ホセ・マルティ国家勲章」を授与されたマドゥーロ大統領は、「ベネスエラは(米国に仕掛けられている)非通常型戦争に屈しない。シモン・ボリーバルのベネスエラとホセ・マルティのクーバは<血の同盟関係>にある」と述べた。

 マドゥーロは19日、フィデル・カストロ前議長を邸宅に訪ね2時間半会談し、帰国した。

 オバーマ大統領はクーバ訪問後アルヘンティーナを訪れるが、マウリシオ・マクリ亜国大統領は就任100日となる20日を前に19日、「仏大統領、伊首相の来訪に続いて米大統領が来る。アルヘンティーナは国際社会に復帰した」と語った。