ベネズエラ政府は3月5日、故ウーゴ・チャベス前大統領の死歿3周年の記念行事を挙行した。カラカス市内のテレサ・カレーニョ劇場で催された追悼式典で、ニコラース・マドゥーロ大統領が「永遠の司令官チャベス」の功績を讃えた。
ボリビアのエボ・モラエス、ニカラグアのダニエル・オルテガ、エル・サルバドールのサルバドール・サンチェス=セレーンの3国大統領、クーバのミゲル・ディアスカネル国家評議会第1副議長、サンヴィセンテ&グラナディーンのラルフ・ゴンサルヴェス、アンティグア&バーブーダスのガストン・ブラウン、ドミニカのルーズヴェルト・スケリットの3国首相、各国大使らが来賓として出席した。
エボ・モラレス大統領は、「チェベスは我々に、帝国主義を恐れないことを教えてくれた」と強調、大きな拍手を浴びた。オルテガは「チェベスは、ラ米統合を理想としたシモン・ボリーバルの再来」と指摘した。
米国のバラク・オバーマ大統領は3日、昨年3月に出した政令で「ベネスエラは米国の安全にとり脅威であり、非常事態を発動する」とした宣言を1年間延長する、と発表した。これについてディアスカネル副議長はカラカスでの式典で批判、「政令を廃止すべきだ」と訴えた。クーバ外務省も4日声明で、オバーマ決定を批判し、廃棄を求めている。
ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は4日カラカスで、カリブ諸国大使たちと会合、「カリブ経済特別地域」(ZEEC)結成について話し合ったが、その後、オバーマの政令延長を糾弾した。カリブ諸国も、南米諸国連合(ウナスール)も糾弾している。
劇場での式典に次いで、カラカス市内の高台にある旧陸軍ラ・モンターニャ兵営内のチャベス廟で、マドゥーロ大統領や各国首脳らが墓参した。
同兵営内中庭でも追悼式典が執り行われ、チャベスの娘マリーア=ガブリエーラ・チャベスが亡き父親との思い出を語り、参列者の涙を誘った。追悼行事と、それに伴う音楽祭など文化行事は、カラカスをはじめ全国各地で6日にかけて催されている。
ブエノスイアレスでは前亜国大統領クリスティーナ・フェルナンデスが、キトでは大統領ラファエル・コレアが、それぞれチャベス追悼のメンサヘ(メッセージ)を出した。
ハバナでコロンビア政府と内戦終結交渉中のゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)代表団は、「チャベスは世界史的人物だった。その痛ましい不在に世界中の人民が泣いている」との声明を出した。