★★★1976年8月9日、ブエノスアイレス駐在のキューバ人外交官2人が大使館を出て間もなく拉致され、秘密の監禁所に連行されて拷問された後、殺害された。犠牲者はクレセンシオ・ガラニェーナとヘスース・セハスだった。
★この事件には、反カストロ派キューバ人でCIA要員のギジェルモ・ノボ、ルイス・ポサーダ、オルランド・ボッシュ、CIA米人要員、チリ秘密警察高官らが関与していた。拉致の指揮を執ったのは、ノボだった。CIAが組織した南米軍事政権諸国の暗殺共同作戦「コンドル作戦」による犠牲者だった。
★同じころ、キューバ大使館付属小学校の教師だったマリーア=ロサ・クレメンティら、大使館に関係していたアルゼンチン人12人も拉致され、殺害された。
★事件は迷宮入りしつつあったが、今年6月ブエノスイアレス近郊で偶然見つかった、ドラム缶から、セメント詰めにされていた遺体が発見された。ガラニェーナとクレメンティの遺体だった。
★亜国側の法的手続きが終わって10月25日、キューバ大使館でガラニェーナの葬儀が挙行され、遺体は事件から36年ぶりに故国キューバに帰った。
★11月1日、遺体は、サンクティ・スピリトゥス州ヤグアハイにある革命防衛殉教者墓地に埋葬された。
★極貧家庭に生まれたクレセンシオは、革命によって教育され、外交官にまでなった。殺害された時、26歳だった。
★同僚セハスの遺体は依然見つかっていない。
★秘密監禁所の責任者だった退役将軍エドゥアルド・カバニージャスは去年、終身刑を言い渡され、服役している。ポサーダはマイアミで米当局に守られて余生を送っている。ボッシュは先年、死んだ。ノボはマイアミで新たなテロリズムの機会をうかがっていると伝えられる。