▼▽▼カリブ海の米植民地プルト・リーコ(PR)で11月6日実施された住民投票で、「自由連合州」という現在の自治体制の維持に反対する票が54%で、初めて過半数となった。
▼だが投票率は、50%をわずかに上回った程度だった。
▼現体制に代わる将来の在り方については、対米併合61%、自由連合主権国家33%、完全独立5%で、米国の51番目の州になりたいという意思が打ち出された。この設問への回答の3分の1は白票だった。
▼この投票結果は、ワシントンの国会(連邦議会)で審議され、判断される。
▼同時に実施されたPR州知事選挙では、現状維持派・民主人民党PPDのアレハンドロ・ガルシアが、併合派・新進歩党PNPの現職ルイス・フォルトゥーノを僅差で破った。
▼専門家は、①知事選で現状維持派が勝った②棄権率が50%弱と高かった③第2問での白票が多かった-ことから、島民は実質的には対米併合を積極的に望んでいるのではなく、現状の大幅な改善を求めている、と分析している。
▼しかし、1967年以来4度目の住民投票で初めて現状維持が過半数を割り、対米併合派が多数を占めた結果は、世代交代により、PR人の認同(アイデンティティー)がぐらついていることを示している、と受け止めることも可能だろう。