2014年10月31日金曜日

エクアドールとペルーが国境共同開発で合意

 エクアドール(赤道国)のラファエル・コレア、ペルーのオヤンタ・ウマーラの両大統領は10月30日、両国国境地帯のエクアドール側アレニージャスで会談し、国境地帯の統合、開発を共同で推進することを決めた。

 国境河川を堰き止めてダムを建設する計画も決まった。

 両首脳は国境地帯を自転車で25kmも走破し、関係を深めた。

 両国は1995年に国境地帯で領土問題をめぐって戦火を交えた。その後、国境線は確定した。この戦争当時のペルー大統領はアルベルト・フジモリだった。

 この戦争の前後に一帯には、大量の地雷が敷設された。既に4000個が除去されたが、依然8000~1万個が埋まっている。この除去作業も継続される。

国連総会が圧倒的多数でキューバ経済封鎖廃止に賛成

 国連総会は10月28日、米国による対キューバ経済封鎖に終止符を打つことを求める決議を賛成188、反対2、棄権3で可決した。1992年以来、連続23回可決された。拘束力はない。

 決議案はキューバのブルーノ・ロドリゲス外相が提出した。反対したのは米国とイスラエル。棄権はパラオ、マーシャル諸島、ミクロネシアの米自由連合3国だった。

 米国は1959年元日のキューバ革命直後、アイゼンハワー政権が経済封鎖を段階的に進め、次のケネディ政権が全面封鎖した。

 以来半世紀余り、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン、ブッシュ父、クリントン、ブッシュ息子、オバーマの各政権が維持してきた。

 カーター、オバーマの民主党政権は対玖関係正常化を志したが、カーターの努力は実らなかった。ケネディもミサイル危機後、正常化を考えたが、発想して間もなく暗殺された。

 クーバ政府は、封鎖によりクーバが被った損害の総額は1兆1120億米ドルに上る、と発表している。

 今回もまた、米国の孤立が鮮明になった。

 オバーマ政権が対玖政策でどう動くかは、「中間選挙」の結果に左右される。なぜなら封鎖は連邦議会決議に依っており、行政府の意思だけでは廃止できないからだ。

2014年10月30日木曜日

ベネズエラのインフレは来年120%にも達する見込み

 ベネスエラで10月29日、経済専門家たちが来年の同国経済を展望する会議が開かれ、インフレは110~120%に達するとの見通しを打ち出した。去年は年率56%、今年は72~75%と予測されている。

 今年の国内総生産GDPは4%後退する見込み。財政赤字はGDPの20%になるもよう。

 一家四人の標準家庭の食費は今年、月790ドルだった。2012年には290ドルだった。

 通貨ボリーバルは、国際原油価格が上がらなければ来年、39~60%の切り下げを余儀なくされる。

 同価格は今年1バレル当たり平均93~94ドルになる見込み。従来の100ドル前後から大幅に落ちている。

 来年1月には、1バレル80ドル台に下落することもありうる。原因は米国の原油生産の増大、中国経済の伸び悩みによる需要減少など。

 一部専門家は、場合によっては、中国からの援助資金の返済に充てられている原油、およびクーバへの優遇輸出原油の量を減らす必要に迫られる、と見ている。

 ある専門家は、「経済は激流であり、川の流れを変えようとすれば、たちまち氾濫する」と指摘し、国家による経済介入を暗に批判した。

 ベネスエラは「政治が経済の上位にある」とする政治至上主義を取っており、企業の自由を最大限に認めている新自由主義を規制している。
 

チリで医療用大麻の種蒔き実施

 チリの首都サンティアゴ市のラ・フロリーダ区は10月29日、医療用大麻の種850個を区内の特別栽培所の鉢に蒔いた。発芽後、苗床に移され、収穫される。

 政府は9月8日、同市に許可を与えていた。この種の認可はラ米初という。収穫された大麻の成分は癌患者ら200人の医療に用いられる。

 同栽培所は厳戒態勢下にある。

ボリビア政権党「社会主義運動」が国会両院で絶対多数獲得

 ボリビア選管は10月29日、大統領・国会議員選挙(12日実施)の最終結果を発表した。3選されたエボ・モラレス大統領の得票率は61・36%だった。

 政権党・社会主義運動(MAS)は、定数36の上院で25、同130の下院で89の議席をそれぞれ獲得した。いすれも3分の2を上回る絶対多数であり、改憲や重要法案採決に圧倒的に有利になった。

 野党議席は、民主連合(UD)が上院9、下院31、キリスト教民主党(PDC)が同2、10だった。

2014年10月28日火曜日

ルセフ・ブラジル大統領が11月から経済政策調整へ

 10月26日再選されたブラジルのヂウマ・ルセフ大統領は27日、一連の報道機関によるインタビューで、11月から年末にかけて経済政策を見直す、と明らかにした。

 ルセフの労働者党(PT)政権は、ルーラ前政権以来12年に亘って社会政策を重視する経済路線を採り続けてきた。だがマクロ経済が伸び悩み、中産上層、富裕層、大企業など新自由主義派の間で不満が募っていた。それが大統領選挙決選の僅差勝利に繋がった。

 大統領は、「政治が経済の上にあり、政治は企業に従属しない」という政府復権主義の立場にあり、必要に応じて経済に介入する政策を維持している。

 ルセフはまた、国営石油会社ペトロブラスが企業との契約金に上乗せ金を含ませ、それを闇資金とし、PTに政治資金として回していた、という「ペトロブラス腐敗事件」を調査するとも明らかにした。

 大統領は、その調査結果が来年1月から4年間の第2期政権を不安定にするとは思わな、と述べた。

 一方、豪州ブリスベーンで11月15~16日、G20首脳会議が開かれる。ルセフは、同会議期間中にクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル亜国大統領と会談する。

ベネズエラ政府が国軍の給与を45%引き上げへ

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は10月27日、国軍(FANB)要員全員の月給を11月1日から45%引き上げる、と発表した。インフレで物価高となっているため、実質購買力を高めるのが狙い。

 だが今年3月、空軍の将軍3人らが「謀反を企てた」ため逮捕され、数十人の佐官・尉官が取り調べを受けた。政権安定には国軍の支持が欠かせず、大統領は真っ先に給与を引き上げた。

 今後、各分野の労働者の同様の昇給・賃上げを図っていく、という。

 一方、政府は26日、国営石油会社PDVSA(ペデベサ)が米国内に所有するCITGO製油所の
売却方針を撤回すると発表した。政府は80~100億ドルで売却する方針だったが、購入希望者からは、はるかに安い金額しか提示されなかった。このため売却方針を中断した。

 ベネズエラは2015~17年、公共債務100億ドルの返済期限を迎える。このため100億ドルでのCITGO売却を期待していた。

 CITGOは昨年、7億7800万ドルの純益を挙げている。

2014年10月27日月曜日

ブラジル大統領選挙決選はヂウマ・ルセフ再選

 ブラジル大統領に現職のヂウマ・ルセフが再選された。10月26日実施の決選投票で労働者党(PT)のルセフは、開票率99%強の段階で得票率51・58%で、ブラジル民社党(PSDB)のアエシオ・ネヴェス(48・42%、上院議員)を破った。

 決選はいつにない接戦で、選挙戦終盤にルセフが優勢になった。これに対しネヴェス陣営は、決選前日の25日までメディアを使ってルセフ失墜工作をする形振り構わぬ汚い戦術に出た。

 ルセフ勝利で、2003年にルイス・ルーラ大統領によって始まったPT政権は、来年15年から19年までさらに4年続くことになった。弱肉強食の新自由主義経済路線に社会政策と進歩主義外交を加えた「ポスト・ネオリベラリズモ」ないし「改良型新自由主義」がまだ必要だと有権者の過半数が判断した。

 元大統領タンクレード・ネヴェスの孫アエシオは新自由主義路線で、富裕層、中産上層、大手メディア、大企業、大土地所有者、米企業から支持されていた。

 ルセフ再選で、ラ米の左翼ないし中道左翼の政治の潮流は維持強化された。

 一方、同日実施のウルグアイ大統領選挙は予想通り、政権党・拡大戦線(FA)のタバレー・バスケス前大統領(44%)と、国民党(PN)のルイス・ラカージェ(32%)が、11月30日実施の決選に臨むことになった。

2014年10月25日土曜日

ベネズエラ政府がスペインとの関係を見直しへ

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は10月24日、ラファエル・ラミーレス外相に対し、スペイン政府による非友好的言動および、ベネスエラ極右勢力支援について総点検するよう命じた。

 これは22日、スペインのマリアーノ・ラホーイ首相が、拘禁されているベネスエラ極右指導者レオポルド・ロペス(LL)被告の妻リリアンとマドリードの政庁で会い、LLの置かれている状況への懸念を表し、その懸念を欧州連合(EU)に伝えると語ったのを受けたもの。

 大統領は、ラホーイ発言を内政干渉と捉え、対スペイン関係の見直しを外相に指示した。

 ベネスエラとスペインのメディアは、このニュースを大きく取り上げている。

 LLは今年2月カラカスなどで起きたグアリンバ(街頭破壊活動)を扇動した罪で逮捕、起訴されている。

 ラホーイ首相は、スペイン内戦で勝ったフランコファシスト政権の流を汲む右翼の国民党(PP)党首。

ブラジル大統領選挙決選は現職ヂウマ・ルセフ優勢

 ブラジル大統領選挙決選は10月26日実施される。23日から24日にかけて公表された最終支持率調査の結果は2対1で、現職ヂウマ・ルセフ大統領(労働者党=PT)が野党候補アエシオ・ネヴェス上院議員(ブラジル民社党=PSDB)を凌いでいる。

 フォーリャ・デ・サンパウロか紙はルセフ53%、ネヴェス47%、オ・エスタード・デ・サンパウロ紙はルセフ54%、ネヴェス46%で、いずれも大統領の勝利を予測している。

 一方、センサス社はネヴェス54・6%、ルセフ45・4%で、ネヴェス当選を予想している。

 10月5日の第1回投票で大統領とネヴェスは得票率が1、2位となり、決選に進出した。6日開始の選挙戦では、3位のマリーナ・シルヴァ候補のブラジル社会党(PSB)がべヴェス支持に回ったため、ネヴェスが2週間余り、リードしていた。

 ところが今週、サンパウロ市やサンパウロ州一帯で水不足が重大問題として浮上。PSB党員のサンパウロ州知事は水不足を遺憾とした。ネヴェスは中央政府に責任をなすりつけたが、ルセフ陣営から攻撃され、支持率を急激に落とした。

 第一回選挙前は、どの支持率調査でも、決選がルセフ対ネヴェスになった場合、ルセフの勝利を予測していた。結局、決選の2日目になって、本来の支持率に戻ったわけだ。

 中産層と貧困層は、新自由主義に社会政策を加味したPT政権を支持する。富裕層、中産上層、大企業、保守派は新自由主義復活を目指すネヴェスを支持している。
 

2014年10月23日木曜日

ALBA首脳会議がエボラ対策で救援宣言を採択

 エボラ出血熱対策を協議するALBA(米州ボリバリアーナ同盟)特別首脳会議が10月20日ハバナで開かれ、エボラが蔓延しつつあるアフリカ諸国との連帯と支援強化を謳う23項目の宣言を採択した。会議は同日閉会した。

 クーバは既にシエラレオーネに165人の医師団を派遣しているが、新たに21日、ギネアとリベリアに計256人の医師団を派遣した。キューバには2万3000人の医師、看護師、医療技術者がエボラ対策の訓練を受けて待機している。

 クーバはアフリカ全土に32医師団(計6269人)を派遣しているが、従来どおり維持する。

 ベネスエラは、国連エボラ信託基金に500万ドルを提供した。

 会議には、クーバ議長、ベネスエラ、ボリビア、ニカラグア3国大統領、ALBA準加盟国アイチの大統領、カリブ2カ国首相らが出席した。また国連基金、米州保健機関、東カリブ諸国機構の代表も出席した。

 ALBAは10月29~30日、加盟諸国エボラ専門家会議を開く。またALBA諸国保健相は11月5日までに行動計画を策定する。

2014年10月21日火曜日

NYTがキューバ医師団のエボラとの戦いを褒め、関係正常化を訴える

 ニューヨークタイムズ(NYT)は10月20日の社説で、クーバ医師団が危険を冒して西アフリカでエボら出血熱と戦っている事実に鑑み、米国はクーバと国交を正常化すべきだ、と訴えた。同紙が米玖国交正常化を社説で訴えたのは、10月12日に次ぎ今月2度目。

 社説は、「キューバはエボラとの戦いで最も際立っており、その姿勢は称賛され真似されるべきだ」とし、「対玖正常化は危険よりもはるかに大きな利益をもたらす」と主張した。

 また「クーバの医師団派遣は、エボラ対策資金を提供してきた米国を含む諸国の対応と対比される」と指摘し、現地に派遣された米軍はクーバ医師団の警備にも当たるべきだと訴えた。

 社説は「西アフリカは患者隔離所、診察所などの即時設置を望んでいる」、「世界保健機構(WHO)は為す術を明確には把握していない」とも述べた。

 さらに「クーバは最も死活的な任務を遂行して終わってしまうかもしれない。クーバ医師団はエボラに侵されるだろう。エボラがクーバにもたらされれば大変な危機に陥り、米州全域に波及する」と警告した。

 そんな時に「クーバを敵視するのは生死を分ける問題だ」と強調し、米政府に正常化を呼び掛けた。社説は、ジョン・ケリー国務長官がクーバ医師団の名を挙げずに、その勇気を讃えたことにも触れた。

 フィデル・カストロ前議長は18日、米政府にエボラ対策で連携を提唱し、「これは国交正常化を求めているからではない」と付け加えた。

ALBAがハバナでエボラ出血熱対策で首脳会議開催

 ハバナで10月20日、エボラ出血熱対策をめぐり、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA、加盟9カ国)の緊急首脳会議が開かれる。国連の呼び掛けに応じたベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領の提唱で開かれることになった。マドゥーロは19日ハバナ入りした。

 クーバは既に西アフリカにエボラ患者に対処するため医師団を派遣している。フィデル・カストロ前国家評議会議長は18日、米国に対しエボラ対策で連携するよう呼び掛けた。

 ALBAは会議で米州保健機関(OPS)と協議し、結果をラ米・カリブ諸国保健省、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)に報告し、対応策を要請する。

 ハバナにはサンビセンテ・グラナディーンのラルフ・ゴンサルベス首相、セントルシーアのマニー・アンソニー首相も到着した。会議にはALBA賛同国からも代表団が出席するもよう。

2014年10月19日日曜日

ブラジル左翼がルセフ労働党政権打倒運動を糾弾

 ブラジル大統領選挙決選は10月26日実施される。現職ヂウマ・ルセフ大統領(労働者党=PT)と、上院議員アエシオ・ネヴェス(伯民社党=PSDB)の一騎討ちだ。

 この組み合わせではルセフが圧倒的に有利だったが、このところの支持率調査では、ネヴェス有利に変わっている。危機感を募らせた左翼陣営は18日、「ルセフ政権継続を阻もうとする一種のクーデターが進行しつつある」と捉える声明を発表した。

 知識人、大学教授、芸術家、社会運動家ら2000人は、「大企業、銀行家、マスメディア、右翼、在外勢力(米国など)が結託してルセフ再選を阻止しようとしている」と糾弾した。

 2000人が署名した声明は、「米国の介入からブラジルとラ米を守るにはルセフ政権を継続させねばならない」と訴えた。また「90年代のカルドーゾPSDB政権期のように、ブラジルを金融資本と米国の意思に支配させてはならない」と強調した。

 声明は、「彼らは<腐敗>、<経済停滞>、<超インフレ>などを誇張し、労働党政権に不利な世論づくりの運動を展開している」と糾弾した。

 ルセフ打倒運動の中心にいるマリーナ・シルヴァや、元大統領フェルナンド=エンリケ・カルドーゾらは、1982年に結成された新自由主義路線の「米州対話」の会員だ、とも指摘している。

 声明は、マルクス・レーニン主義共産党(PCML)機関紙「インヴェルタ」(逆転、変革)に掲載された。決選は、ルセフの「ポスト新自由主義」(社会政策を大幅に加えた改良型新自由主義)と、ネヴェスの「野蛮な新自由主義」と戦い、と位置付けられている。

2014年10月18日土曜日

LATINA11月号「乱反射」はアルゼンチン債務問題

◎最近の伊高浩昭執筆記事

★週刊金曜日 10月17日号 「たとえば世界でいま」欄 「ボリビア大統領選挙で現職エボ・モラレスが三選」

★月刊LATINA 11月号(10月20日発売) 「ラ米乱反射」連載第103回 亜国債務問題:「禿鷹投資業者に小股掬われたアルヘンティーナ  財政破綻を招きかねない<不本意な債務不履行>の罠」 (併用写真4枚)

 書評1 「ネルーダ事件」(推理小説) ロベルト・アンプエロ著、宮崎真紀訳、早川書房

 書評2 「マヤ・アンデス・琉球 環境考古学で読み解く<敗者の文明>」 青山和夫ら4人の共著、朝日新聞社 

2014年10月17日金曜日

アルゼンチンが通信衛星打ち上げに成功

 アルヘンティーナは10月16日、仏領ギアナで通信衛星Arsat-1の打ち上げに成功した。地上300kmの軌道に乗り、10日後に作動する。

 この衛星は、国営人工衛星起業ARSAT社がリオネグロ州立INVAP社に発注、同社は7年をかけ完成させた。部品の半分は国産、他の半分は輸入品。

 通信サービスは亜国のほか、ウルグアイ、パラグアイ、チレにも及ぶ。

 CFK大統領は、「(国産部品は半分だが)亜国の衛星技術は先進諸国の仲間入りをした」と喜びを表した。

 来年にはArsat-2の打ち上げが予定されている。

ベネズエラが国連安保理非常任理事国に当選

 ベネスエラは10月16日、国連総会での安保理非常任理事国改選で当選し、来年元日から2年間安保理任務を果たすことになった。22年ぶりの復帰となる。

 国連加盟193カ国中、賛成181、反対1、棄権10、無効1だった。反対は米国と見られている。米国連代表部は早速、不快感を公式に表明した。イスラエルは無効ないし棄権に回ったもよう。

 総会に出席していたラファエル・ラミーレス外相は、「圧勝だ。この勝利は故ウーゴ・チャベス司令官に捧げる。我々は絶え間ない反ベネスエラの中傷運動にも拘わらず勝利した」と述べた。

 過去ベネスエラは1960年代初頭から90年代前半にかけて4回非常任理事国を経験している。だが、チャベス政権が1999年に発足してからは初めて。06年に立候補したが、落選している。今回はラ米・カリブ諸国(GRULAC=グルラック)のベネスエラ以外の32カ国から反対国は出なかった。 

2014年10月15日水曜日

コロンビア上院が大統領再選禁止法案を可決

 コロンビア国会上院は10月14日、大統領再選を禁止する法案を可決した。最終的な法案成立までには追加審議が必要だが、成立する方向が定まった。

 任期4年、一人1回限りの大統領の地位は、アルバロ・ウリーベ前政権期(2002~06)に、一回のみ再選可能と修正された。ウリーベは2期目(06~1)に3選を可能にする改憲を志したが、オバーマ米政権の警告を受けて断念した。

 フアン・サントス現大統領は今年8月、2期目に入ったが、選挙戦中に、大統領再選禁止を公約していた。今回の上院での法案可決は、公約に沿っている。

 法案は、次期以降の政権は再選復活法を制定できないとし、復活させる場合は国民投票もしくは制憲議会開設による改憲が不可欠、と規定している。

 
 ウリーベの率いる右翼政党「民主同盟」は、現行法通り一回限りの再選を認めるべきだと、異議を唱えていた。

2014年10月14日火曜日

ニューヨークタイムズがキューバとの国交正常化を米政府に呼び掛け

 ニューヨークタイムズは10月12日論説で、オバーマ米政権にクーバへの経済封鎖を解除し、米玖国交正常化を促進すべく真剣に考えるべきだと呼び掛けた。カストロ政権は、「経済封鎖を内政失敗とクーバの孤立の原因だと言い訳してきた」と指摘している。

 論説は、米国内の世論の変化とクーバの内政改革が、国交正常化の基盤を初めてつくりつつある、と見ている。オバーマ政権は、この好機を1961年1月の対玖断交以来途絶えてきた国交の正常化のために利用すべきだ、と訴えている。

 論説はまた、クーバ系米市民の68%は国交正常化に賛成しており、その若い世代では90%が賛成していると捉え、反対する世代は消えつつあると見ている。

2014年10月13日月曜日

ボリビア大統領選挙は現職エボ・モラレスが圧勝で3選

 ボリビア大統領選挙が10月12日実施され、現職のエボ・モラレス(社会主義運動=MAS)が得票率60%で、予想通り3選を果たした。来年1月22日就任する。新任期は2020年1月までの5年間。

 現行の09年憲法は大統領の連続再選を1回だけ認めているが、エボは2025年まで政権に留まる意志を表明している。そのためには憲法当該条項の改正が必要であり、国会上下両院で3分の2の議席が必要になる。この日同時に実施された国会議員選挙ではMASが議席を増やしており、3分の2を超えるかが焦点。

 しかし、仮に3分の2に達しなくとも、改憲を国会多数決で採択し、国民投票にかければ改憲は成り立つ。MASは、有権者の62%を占める先住民族の支持を得ており、改憲は確実視されている。

 得票2位は、保守の実業家サムエル・ドリーア(民主連合=UD)25%、3位は保守の元暫定大統領ホルヘ・キローガ(キリスト教民主党=PDC)9%。他に2人の候補者がいる。

 エボは05年12月の大統領選挙で初当選し、06年石油・天然ガス産業を再国有化した。09年憲法で先住民優先の「他民族国家」を確立し、同年末の大統領選挙で2選された。

 激しい反米口調が持ち味だが、政治経済政策ともに極めて実利的だ。かつては政敵だったサンタクルース市の財界とも良好な関係を維持している。

 エボ3選は今月26日実施のブラジル大統領選挙決選およびウルグアイ大統領選挙で、それぞれの進歩主義候補に有利に作用するはずだ。

  

2014年10月12日日曜日

チリ法廷がフレイ元大統領の暗殺事実を確認

 チレ法廷は10月11日、エドゥアルド・フレイ=モンタルバ元大統領(任期1964~70)はピノチェー軍政に暗殺された、との最終h判断を確認した。

 フレイは1982年1月22日、サンティアゴ市内のサンタマリーア診療所で毒物を注入され、死亡した。この事件で医師5人と元軍政秘密警察要員の計6人が起訴された。医師3人が実行、2人が証拠を隠滅した。同要員は共犯だった。

 フレイの息子エドゥアルド・フレイ=ルイスタグレ元大統領は11日、司法当局に謝意を表した。

 一方、ノーベル文学賞詩人パブロ・ネルーダは、ピノチェークーデター直後の1973年9月23日、同じ診療所で死去した。詩人は前立腺末期癌だったが、毒物による暗殺の可能性も濃厚だった。

 昨年、遺族らの要請で、詩人の遺体(遺骨)が米西両国の専門機関での毒物検査に付されたが、毒物の痕跡は発見されなかった。だが、痕跡が消えてしまう場合もあり、ネルーダ暗殺の疑惑は依然消えていない。

2014年10月10日金曜日

シリア難民42人がウルグアイに到着

 シリア難民42人が10月9日、モンテビデオ空港に到着し、ホセ・ムヒーカ大統領や政府高官の出迎えを受けた。ベイルート経由30時間の長旅だった。

 ウルグアイ政府はシリア難民120人を受け入れることにしており、到着したのは第1陣。

 今後数か月間、スペイン語とウルグアイの生活習慣を教えられ、その後、国内各地に住むことになる。就職も斡旋される。

 将来、シリアに帰国するかウルグアイに留まるかは自由。
 

ブラジル大統領選挙決選は野党のネヴェスがリード

 ブラジル大統領選挙決選投票は10月26日実施されるが、9日公表された二つの支持率調査はいずれも野党、伯民社党(PSDB)候補アエシオ・ネヴェス上院議員が現職で労働者党(PT)候補のヂウマ・ルセフを上回っている。

 「ネヴェス51%、ルセフ49%」、「ネヴェス46%、ルセフ44%」。

 5日の第1回投票で得票3位のマリーナ・シルヴァ候補(伯社会党)の票の64%はネヴェスに回り、ルセフは18%しか得ていない。残る2週間余の選挙戦が当落を分けることになる。

2014年10月8日水曜日

興味深い「エクアドル映画週間」

 立教大学池袋キャンパス7号館で、10月6日から「エクアドール映画週間」が催されている。在日エクアドール大使館と立教ラ米研の共催で11日まで続く。19時上映開始。入場無料。会場は280人が着席できる大教室のため、ゆったりと観賞できる。

 初日6日は「君の目を盗んで」だった。主人公は、首都キト市内の貧しい南部出身の若者で、豊かな北部で銀行員として生きている。ひょんなことで、魅力的なコロンビア娘と知り合うが、そこから悲喜劇が始まる。

 7日の「二人の祖父」は、カルラ・バレンシア=ダビラ監督の父母両方の祖父の生と死を辿るドキュメンタリーだ。1973年9月11日のピノチェー軍事クーデターに関わる秘話が浮き彫りになる。このクーデター直後のチレを取材した私にとっても参考になった。

 本日8日は、「娘の御名の下に」、明日9日は「凍りついた時」と「縁の下の力持ち」。10日は「釣師」で、1830から私が解説する。

 最終日の11日は17~20時、「凍りついた時」上映後、エクアドール映画の専門家3人によるシンポジウムがある。問い合わせは、ラ米研03-3985-2578。

2014年10月7日火曜日

ハイチ沖の帆船残骸はコロンブス旗艦ではない、とユネスコ断定

 ユネスコは10月6日、ハイチ北岸の大西洋で5月発見された沈没船の残骸は、コロンブスの旗艦サンタマリーア号のものではない、と発表した。

 発見者は、米国人バリー・クリフォード。発見者が表明してきた過剰な期待から、「ほぼ間違いない」とする見方が広がっていた。

 帆船サンタマリーア号は、コロンブスの第一回航海のさなかの1492年12月24~25日、ハイチ沖で座礁し沈没した。

 ユネスコは9月9~14日、海底での調査を実施、残骸は17世紀末から18世紀初めにかけて建造された帆船と断定した。

ニカラグアでまた運河建設反対デモ

 ニカラグア政府は「ニカラグア大運河」(両洋運河)建設工事に12月着手する予定だが、運河建設予定地一帯では反対運動が続いている。10月3日、運河が通過するニカラグア湖畔のリバス県サンホルヘ市で農民ら数百人の市民が行進し、運河建設反対を訴えた。

 反対行動は、香港拠点の中国系施工会社HKNDが9月、住民立退きと賠償に備えて住民調査を開始して以来、4度目。主として、生まれ故郷からの立退きと環境汚染に反対している。

 デモ隊は「売国奴オルテガ」の横断幕や、「中国人、出て行け」のプラカードを掲げていた。出動した警官隊と小競り合いがあった。

 ギャラップが9月23日に公表した世論調査では、53%が運河建設に賛成している。 
 

パラグアイ軍が「農村ゲリラ」3人を逮捕

 パラグイア軍合同作戦部隊(FTC)は10月6日、農村ゲリラ「武装農民集団」(ACA)の要員2人と、同「パラグアイ人民軍」(EPP)の1人を5日コンセプシオン県内で逮捕した、と発表した。

 ACAはEPPの分派だが、両組織は相互に支援し合っている、という。

 EPPには、軍・警察が組織した「官製ゲリラ」説もあり、正体はいまひとつ定かでない。

  

ベネズエラのデング熱感染者は今年5万人

 ベネスエラ保健省は10月6日、今年初めからの国内のデング熱感染者は5万1865人、と発表した。

 うち2995人は、9月14~20日に感染した。

2014年10月6日月曜日

竹田邦夫メキシコ彫銀展は名古屋に移動

 メヒコ在住42年の彫銀師竹田邦夫は毎年この季節に渡り鳥のようにやってきて、東京と名古屋で展示販売会を開く。東京での今回最初の彫銀展は9月23日~10月4日、新宿区内の地下鉄曙橋駅に近い画廊「ゑいじう」で催された。

 最終日に訪ね、バーボンやワインを飲み交わしながら、作品、メヒコ、思い出を語り合った。

 第2回展は10月17~19日、中野区上高田の「土日画廊」(電話5343-1842)で開かれる。

 その間、10月9~15日、名古屋市内の丸栄8階アートステージ(052-264-5385)で彫銀展を開く。さらに10月22~26日、愛知県長久手市の「木もれ陽」(0561-61-1150)で同じく催す。

 つまり、東京と名古屋方面を行ったり来たりしながら展示会を開くのだ。銀にオパロ(オパール)を加えたブローチなどの作品は年ごとに新しい。

 作家は老いぼれていくが、作品は新しくなっていく。この乖離から創作が出てくる。

メキシコ南部ゲレロ州で28人の他殺体発見

 メヒコ中南部ゲレロ州内で10月4~5日、地中の穴に埋められていた28人の遺体が発掘された。9月26日に拉致された師範学校生の遺体と見られている。

 学生の拉致を命じたのは、同州イグアラ市警察の長官で、市警は9月25日、州内のアヨツィパン市にある農村師範学校の学生を襲撃し、6人を射殺、17人を負傷させた。

 次いで26日学生43人を拉致し、殺し屋集団に学生を引き渡し、全員を殺害するよう命じた。逮捕された殺し屋2人が自白した。

 学生たちは切り刻まれて惨殺され、ガソリンをかけられて焼かれ、穴に放り込まれた。焼死体となっているため、身元確認が困難を極めている。残る学生15人の所在ないし遺体の在り処は不明。

 市警の背後には、麻薬暴力組織「ゲレロ・ウニード」がおり、市警と組んで悪行を働いていた実態が明るみに出た。ゲレロ州当局との関係を指摘する向きもある。

 同師範学校生は左翼で、1970年代に州内で壊滅させられた農村ゲリラ2組織の指導者ヘナロ・バスケスとルシオ・カバーニャスを讃えていたという。

 首都メヒコ市の南のゲレロ州には、銀の町タスコ、イグアラ、州都チルパンシンゴ、太平洋岸の観光地アカプルコと繋がる観光路がある。だが麻薬組織が根を張り、血なまぐさい殺傷事件が絶えない。

ブラジル大統領選挙は現職ルセフと上議ネヴェスが26日の決選へ

 ブラジルで大統領選挙が10月5日実施され、政権党である労働者党(PT)の現職ヂウマ・ルセフが得票率41・6%(4330万票)で1位、野党の伯民社党(PSDB)の上院議員アエシオ・ネヴェスが33・6%(3490万票)で2位となり、両候補が26日実施の決選投票に臨むことになった。

 支持率調査で2位になると見られていた野党ブラジル社会党(PSB)の元環境相マリーナ・シルヴァは21・3%(2220万票)で3位に甘んじた。有権者は1億4280万人。投票率は80%強だった。

 決選では、シルヴァ票の多くがネヴェスに流れると見られており、ルセフは棄権票や浮動票の掘り起こしが不可欠。決選は接戦になると予想されている。

ハイチ元独裁者ジャンクロード・デュヴァリエが死去

 アイチ(ハイチ)を1971~86年独裁支配した元大統領ジャンクロード・デュヴァリエ(63)が10月4日、首都ポルトープランスで心臓発作により死去した。86年に政権を追われフランスに亡命したが、25年後の2011年、帰国していた。

 父親フランソワ・デュヴァリエは1957~71年独裁支配した。父子2代30年の独裁は、殺害組織トントンマクートを使って反対者や批判者を容赦なく葬る血塗られた圧政だった。

 首都高裁はことし2月、ジャンクロードに人道犯罪責任を負わせることを決め、同罪での起訴を復活させた。だが裁かれず罪を償わずに死んでしまった。法廷は、死後も追及すると明らかにしている。

2014年10月3日金曜日

ベネズエラの夕べでオリヴァー・ストーン監督「我が友ウーゴ」上映

 ベネスエラ映画と対話の夕べが10月2日夜、東京のセルバンテス文化セントロで催された。オリヴァー・ストーン監督・出演のドキュメンタリー「我が友ウーゴ」(56分)は、故ウーゴ・チャベス大統領の生き方を、腰部癌に罹ってから死ぬまでの期間、撮影し描いている。

 ニコラース・マドゥーロ、ホセ=ビセンテ・ランヘール、エリーアス・ハウーア、ディオスダード・カベージョ、ラファエル・ラミーレス、アダン・チャベス、シリア・フローレスらベネズエラの要人たちが、ストーンからインタビューされる。

 亜国、ボリビア、ウルグアイ、ブラジル、エクアドール、コロンビア、クーバの最高指導者らも同じく登場する。近年のラ米政治地図を理解するうえで興味深い内容だ。

 映画に続いて、3度目の来日を果たしたベネスエラ中央大学(UCV)教授・法学博士のルイス・ブリート氏が、ジャーナリスト伊高浩昭の質問に答えて、チャベスやベネズエラ情勢について語った。

 チャベスについては、「人間的でありすぎ、敵を許した。それが弱さだった」と指摘した。引き続き、会場からの質問に応じた。

 近く「ラテンビート」映画祭で、シモン・ボリーバルの生涯を描く「解放者(エル・リベルタドール)」が上映される。

キューバ医師団がエボラの蔓延するシエラ・レオーネに向かう

 クーバ医療派遣団が10月2日ハバナ空港を出発し、エボラ出血熱が蔓延しているシエラ・レオーネに向かった。医師63人、看護師102人の計165人。

 空港では、ラウール・カストロ国家評議会議長が一人一人と握手を交わし、激励した。ホセ=ラモーン・マチャード副議長兼共産党第2書記ら高官も見送った。

 団員の多くは、国際医療協力を誇る革命クーバの名誉を担う国際主義任務を、既にアフリカで経験している。

ボリビア大統領選挙は現職エボ・モラレス3選の公算大

 ボリビア大統領選挙は10月12日実施される。2日発表の最新支持率調査結果によると、3選を目指す現職のエボ・モラエス大統領(社会主義運動=MAS)が得票率59%で、決選を待たずに当選する公算が大きい。

 2位以下は次の通り。サムエル・ドリーア(民主連合=UD)18%、ホセ・キローガ(キリスト教民主党=PDC)9%、フアン・デルグラナード(恐れない運動=MSM)3%、フェルナンド・バルガス(ボリビア緑の党=PVB)2%。

ベネズエラ政権党の国会議員が惨殺さる

 政権党ベネスエラ統一社会党(PSUV=ペスーブ)のロバート・セラ国会議員(27)と連れ合いマリーア・エレーラが10月1日夜、カラカス市内の自宅で、殺し屋によって刃物で惨殺された。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は2日、国会議事堂での告別式で、暗殺と断定した。

 セラはPSUV青年部の指導者で、故ウーゴ・チャベス大統領の申し子のような存在だった。

 カラカス市内では9月、425人が暴力死している。内務省は、セラ殺害事件は一般的な事件ではなく、政治的殺人と見て捜査している。 

2014年10月1日水曜日

キューバが通貨一本化のため高額紙幣発行へ

 クーバ中央銀行(BCC)のエルネスト・メディーナ総裁は9月30日、現行の二重通貨制を一本化する政策の一環として、通貨ペソ(CUP)の流通量を増やし、高額紙幣を発行する、と語った。

 現在、CUPと、兌換ペソ(CUC)が流通しており、公定交換率は、1CUC=1米ドル=25CUP。

 現在の物資・商品の小売価格を維持するのを基本とする。CUC払いでないと買えない高額商品をCUPで売買するとなると、高額のCUP紙幣が必要となる。

 クーバ人労働者の月平均賃金は466CUP。

ラテンアメリカ進歩主義者会合がラ米への不安定化工作を糾弾

 キトで9月29、30両日、ラ米進歩主義者会合(ELAP2014)が、エクアドール政権党パイース同盟(AP)の主催で開かれた。グアテマラ、コスタ・リーカ、ハイチを除くラ米17か国から計37の政党・団体が参加した。

 会合は30日、「キト宣言」を発表、域内の進歩主義政権を支持し、これに介入する帝国主義を糾弾した。また、進歩主義諸国での民主主義を、若者や女性の参加拡大によって一層本質的なものとすることを呼びかけた。

 宣言はさらに、CELAC、ウナスール、ALBAなどによるラ米・カリブ統合努力支持、マドゥーロ・ベネスエラ政権への右翼勢力の介入糾弾、ラ米の一部であるプエルト・リーコの米国による支配糾弾を訴えた。

 宣言は、サイバースパイと生物多様性奪取に対する共同対策策定の必要性、不法に膨大な利益を得ようとしている禿鷹投資会社糾弾、その被害に遭っている亜国政権支持、亜国のマルビーナス諸島領有権の主張支持、米国による対クーバ経済封鎖糾弾と早期解除要求を謳っている。

 会合にはスペイン、ドイツ、ギリシャの政党などが招待され参加した。

ペルーとコロンビアが国境地帯の共同開発で合意

 ペルーのオヤンタ・ウマーラ、コロンビアのフアン・サントスの両大統領は9月30日、ペルーアマソニーア中心地イキートス市で会談し、国境河川プトゥマヨ川流域を中心とする1600kmの両国国境地帯の共同開発について協力し合うことで合意、協定に調印した。

 両首脳はまた、同川流域での麻薬取引、鉱山不法開発などの犯罪を取り締まることでも合意した。

ブラジル大統領選挙は現職ヂウマ・ルセフ再選の公算

 ブラジル大統領選挙は10月5日に第1回投票が実施される。9月30日発表された二つの支持率調査は、いずれも決選投票で現職のヂウマ・ルセフ大統領(労働者党=PT)が当選すると予測している。

 1つの調査は、ルセフ40%、マリーナ・シルヴァ(伯社会党=PSB)25%、アエシオ・ネヴェス(伯民社党=PSDB)20%。決選ではルセフが49%で、41%のシルヴァを制す。

 もう一つはルセフ39%、シルヴァ25%、ネヴェス19%。決選はルセフ42%、シルヴァ38%で、ルセフが当選する。

 ネヴェスが決選に進出した場合でも、45%対35%、50%対41%で、ルセフが勝つ。

 シルヴァは9月半ばまでの調査では、決選で逆転勝利の公算が大きいとされていた。9月後半からルセフに追い抜かれたのは、シルヴァの大企業優先策など新自由主義路線が嫌われたため。

 シルヴァは急遽、労働党政権が12年間続け成果を上げた貧困対策を継続すると表明したが、「政策が定まっていない」と逆に攻撃され、支持率が減少した。