チレの故サルバドール・アジェンデ大統領の3女、イサベル・アジェンデ=ブッシ社会党首(71)は7月8日、来年の次期大統領選挙に出馬する意志を表明した。
イサベルは社会学者で、1994~2010年下院議員、その後、上院議員で、チレ上院初の女性議長も務めた。
社会党からは、リカルド・ラゴス元大統領も7日出馬を表明。いずれ同党および政権党連合内での予備選を戦うことになる。一方、保守・右翼連合では、セバスティアン・ピニェーラ前大統領が出馬意志を打ち出している。
ラゴス政権期の2002~06年、陸軍司令官を務めたフアン=エミリオ・チェイレ退役将軍は7日、アジェンデ社会主義政権を打倒した1973年9月の故アウグスト・ピノチェー将軍らによる軍事クーデターの翌10月16日、軍政処刑部隊「死のカラバーナ(キャラバン)」による政治囚15人の殺害に関与した容疑で逮捕、起訴された。
人道犯罪裁判担当のマリオ・カローサ判事は、中部のコキンボ州都ラ・セレーナの陸軍連隊で中尉だったチェイレは連隊副司令官を務めており、15人殺害と無関係ではなかった、と説明した。
チェイレは陸軍司令官として、「人道犯罪を2度と再び起こさない」と誓ったことで知られる。退役後、選管理事、カトリック大学国際研究所長を務めてきた。
▼ラ米短信 アルヘンティーナは7月9日、独立200周年を迎えた。マウリシオ・マクリ大統領は8日、独立縁の地、北部のフフイ州ウマウアーカ市で前夜祭に出席。ここは「ラ・ウマウアケーニャ(ウマウアーカ女=邦題「花祭)」の歌で知られる。
9日には、同じく北部のトゥクマン州都トゥクマンで200周年式典に臨んだ。首都ブエノスアイレスでも8日、目抜きの「7月9日大通り」を中心に、前夜祭の歌と踊りが繰り広げられ、9日には式典があった。
バラク・オバーマ米大統領は9日、ジョン・ケリー国務長官を通じ、マクリ大統領を祝福。「米亜両国は米州地域の指導国であり、長年の友邦同士だ」と述べた。
一方、不正蓄財などでこのほど起訴されたクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル前大統領は8日、法廷出廷のため滞在していたブエノスアイレスで支持者たちを祝福した。