2016年7月2日土曜日

ラ米の太平洋同盟と南部共同市場が統合努力開始へ

 ラ米太平洋岸4カ国(墨コロンビア秘智)による太平洋同盟(AP=アリアンサ・デル・パシフィコ、2011年結成)の第11回首脳会議が7月1日、チレ南部のプエルト・バラスで開かれ、APと南部共同市場(メルコスール)の統合について検討を開始することを決めた。

 首脳らは、「英国の欧州連合(EU)離脱決定に鑑み、分裂主義を回避するためにも」として、統合を目指す立場を表明した。APはラ米新自由主義路線の代表で、域内製品92%の域内貿易関税を撤廃するなど、進展が著しい。

 前日の6月30日に同地で開かれたAP諸国企業家会合には、メルコスール加盟国アルヘンティーナのマウリシオ・マクリ大統領が出席、統合の必要性を強調した。またAPの次期加盟国候補コスタ・リカのルイス・ソリース大統領も同会合に出席した。

 AP首脳会議は、ハバナで6月23日内戦停戦合意書署名に至ったコロンビアを祝福した。会議には、ペルー次期大統領PPカチンスキも出席、外交デビューした。

 一方、メルコスール(亜伯ウルグアイ・パラグアイ・ヘネスエラ)への加盟手続き中のボリビアは6月末、パラグアイ国会がその加盟を批准したため、残るブラジル国会の批准を待つばかりとなった。

 だがエボ・モラレス大統領が、ミシェル・テメル伯大統領代行の政権を厳しく批判してきたため、批准には時間がかかるとの見方が出ている。

 メルコス-ルの輪番制議長国は7月1日、パラグアイからベネスエラに移った。マドゥーロVEN政権を嫌うカルテス・パラグアイ政権は議長国を渡すのに反対したが、亜国とウルグアイが渡すのを推進した。

 モンテビデオのメルコスール本部では加盟国社会問題会合が30日から開かれているが、社会運動家たちは1日、メルコスールに対し、テメル伯代行政権を認めないよう要請した。

▼ラ米短信  コロンビア内戦停戦・和平達成を推進する国連監視団の団長に7月1日、亜国陸軍のハビエル・ペレス少将が決まった。軍歴35年、1993年には国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)に参加している。

 コロンビア監視団は国連が、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)に委託。CELAC加盟35カ国のうちのスペイン語国19カ国の中から、当事国コロンビア、コロンビア和平関係国(クーバ、ベネスエラ、チレ)、隣接国(ベネスエラ、<ブラジル=葡語国>、ペルー、エクアドール、パナマ)を除く諸国から選ばれた。

 亜国、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、エル・サルバドール(ES)、グアテマラ、メヒコの7カ国が参加する。ESとグアテマラは内戦と和平を経験している。監視団は、7カ国の丸腰軍人350人と、文民150人で構成される。

 コロンビア政府と停戦合意したコロンビア革命軍(FARC)ゲリラは、国内23地域と8野営地に集結、武装解除される。