2016年7月29日金曜日

ピースボートで来日のベネズエラ青年管弦楽団が演奏

 ベネスエラは7月5日、独立205周年記念日を迎えた。これに因んで28日、東京晴海で「フランシスコ・デ・ミランダ青年室内管弦楽団」による演奏会が催された。

 同楽団は、ベネスエラが誇る、楽器演奏を通じて青少年を鍛造する「エル・システマ」に所属する。団員のうち21人は、6月23日、カラカスの外港ラ・グアイラからNGOピースボート(PB)第91回航海船「オーシャン・ドゥリーム号」に乗り、ヴィレムスタート(クラサオ=キュラソー)、パナマ・コロン市サンクリストーバル港、グアテマラ・ケッツァール港、ホノルルを経由、7月26日横浜に着いた。船内と寄港地でも演奏、友好親善に尽くした。

 晴海での演奏会には外交団、日本VEN友好協会会員、PB関係者、91回船乗客ら約1000人が出席した。セイコウ・イシカワ(石川成幸)駐日VEN大使が挨拶し、90分間の演奏が始まった。

 曲目は前半、モーツァルト「交響曲第25番」、ファウレー「パバーナ」(スペイン舞曲)、ピアソーラ「リベルタンゴ」、ペレス=プラード「マンボ第8番」など7曲が、アンドゥレス・ゴンサレスの指揮で奏でられた。

 後半は、日本の合唱団「環礁(コーラル・エンレイス)」の歌が加わり、VEN第3の国歌の呼び名高い「ベネスエラ」、「花は咲く」、「故郷(ふるさと)」、VEN第2の国歌「アルマ・ジャネーラ(草原の魂)」など6曲が演奏された。何曲かは、仁階堂孝が指揮した。

 楽団員は29日二手に別れ、熊本と福島の震災被災地を慰問、8月初め帰国する。東京ではホームステイした。

 今回の演奏会は、ピースボートの協力なしにはありえなかった。世界的な平和・文化活動を30余年続けてきたPBは、新たに実力を発揮した。

★★★ベネスエラ情勢最新ルポルタージュ:伊高浩昭執筆「ラ米乱反射」第124回「軍部の支持固め危機乗り切り図るベネズエラ政権  野党勢力は大統領罷免国民投票を目指す」==月刊誌「LATINA」8月号(7月20日発売)掲載。

▼ラ米短信  ペルー独立195周年記念日の7月28日、ペドロ=パブロ・クチンスキ大統領(77)が就任した。40分間の就任演説で新大統領は、「現代的な新しいペルー建設には腐敗掃討、治安確保、貧困一掃が不可欠」とし、それらを優先政策とすると強調した。

 凶悪犯罪が激発、治安確保は有権者の70%が第一目標として新政権に望んでいる。貧困率は22%とまだまだ高い。国庫に及ぼす腐敗被害は、会計検査院によれば年間30億ドル。

 クチンスキはまた、消費税を現行18%から1%引き下げ、不正規労働を70%から40%に削減、などの政策を打ち出した。

 さらに「平和と団結を求め、対立と分裂は避ける」とし、国会で130議席中、過半数の73議席を握る「人民勢力」(FP)と融和したい本音をのぞかせた。

 FPは、6月の大統領選挙決選で僅差で敗れたケイコ・フジモリ(41)の政党。実弟のケンジ・フジモリ議員が国会内で指導権を握っている。

 FPは、服役中のアルベルト・フジモリ元大統領の赦免を政権への協力条件にするのではないか、との見方がある。