2016年11月24日木曜日

中国がラテンアメリカ専門記者500人育成へ

 中国の習近平国家主席は11月22日チレを訪問、ミチェル・バチェレー大統領と会談した。両国は、既存の自由貿易協定(FTA)の現代化・深化のための交渉開始趣意書など12の合意文書に調印した。

 主席は、サンティアゴで開かれた「中国・ラ米カリブ報道機関指導者会合」にも出席、向こう5年間に中国人のラ米カリブ地域専門記者500人を育成する、と発表した。

 また、中国に「中国・ラ米カリブ報道交流中心(センター)」を建設し、ラ米カリブ諸国の記者を招く、とも述べた。主席は、リマでのAPEC首脳会議出席後、チレを訪れた。

▼ラ米短信  ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は11月23日カラカスで、ホセ=ルイス・ロドリゲス=サパテーロ前スペイン首相と会談、「民主連合会議」(MUD、反政府政党連合)と対話を続けてゆくと述べた。サパテーロは、南米諸国連合(ウナスール)派遣の対話仲介使節団の団長格。

 対話は、「和平・法治国家尊重・国家主権」、「真実・正義・犠牲者賠償」、「経済社会・信頼醸成」、「選挙行程」の4議題で10月30日、11月11~12日と2回実施され、次回は12月6日に予定されている。

 政情は、マドゥーロ大統領罷免の是非を問う国民投票実施の請求に必要な反政府勢力の署名の扱いをめぐって紛糾してきた。有権者の1%(約20万人)の署名を審査していた国家選挙理事会(CNE)は10月20日、その署名に不正があったとする地方裁判所の判断を受け、同月26~28日に予定されていた第2回署名運動期間(有権者の20%=約400万人)を延期した。

 これに対しMUDは、圧倒的多数を占める国会で10月25日、大統領弾劾の手続き開始を決議した。しかし最終決定権を持つ最高裁は政府系判事で占められているため、国会による弾劾の実現可能性は乏しい。

 MUDはサパテーロのほか、このほどカラカスを訪れたトーマス・シャノン米国務省政務担当次官補とも会談している。

 一方、デルシー・ロドリゲス外相は11月23日、ベネスエラが加盟する南部共同市場(メルコスール)の加盟資格をめぐって、12月1日までにベネスエラが加盟要件を整えなければベネスエラは投票権を失う、とウルグアイ外相が述べたことに反駁した。また、ベネスエラは投票権だけでなく発言権も持つべきでないと述べたパラグアイ外相をも糾弾した。

 要件には、加盟諸国間の人の自由往来を規定する「域内居留合意」や「人権規定」が含まれている。