アイチ(ハイチ)暫定選挙理事会(CEP)は11月28日、今月20日実施の大統領選挙の暫定開票結果を発表。ミシェル・マリテリー前大統領の政権党だった「テトゥカレ・アイチ党」(PHTK)の候補ジュヴネル・モイーズ(48)=バナナ業者=が得票率55・67%で当確となった。モイーズは、国民に大同団結を呼び掛けた。
「テトゥカレ」とは、禿げ頭を意味。スキンヘッドのマルテリー前大統領が自ら政党名にした。
この選挙には27人が出馬。モイーズに続く有力候補は3人で、野党「進歩・ハイチ人解放代替連盟」(LAPEH)のジュディ・セレスタン(54)は19・52%に留まっている。セレスタンは29日、「でっちあげだ」として、開票結果を認めないと述べた。
3位は、「デサランの子供たち綱領」のモイーズ・ジャンシャルル(49)で、11・04%。やはり結果を認めないと語った。4位は、かつてのジャンベルトゥラン・アリスティド大統領の政権党だった「ラバラス家族党」のマリース・ジャンシャルル(女医)で、8・99%。彼女も「選挙クーデターだ。支配層が勝利を略奪した」と、結果を認めない。
CEPは理事9人で構成されているが、うち3人は、暫定結果を示す書類に署名しなかった。CEPは12月29日、最終公式結果を発表する予定。米州諸国機構(OEA)の選挙監視団は29日、暫定結果は概ねOEA集計と符合すると明らかにした。
ハイチでは昨年10月、マルテリー大統領の後継者を決める大統領選挙を実施。モイーズとセレスタンが1、2位になり、決選に進出することになったが、モイーズ陣営の大規模な不正が発覚、決選は延期されたものの、結局無効とされ、今回の出直し選挙となった。
マルテリーは今年2月任期を終え、上院議長だったジョスレム・プリヴェール暫定大統領の下で選挙が実施された。