アイチ(ハイチ)暫定選挙理事会(CEP、選管)は6月6日、昨年10月25日実施の大統領選挙結果を無効と判断、新たに今年10月9日に大統領選挙をやり直す、と発表した。決選が必要な場合、来年1月8日に実施される。
昨年の選挙は、従米派のミシェル・マルエリ大統領(当時)の政権党「テトゥカレ・アイチ党」(PHTK)候補ジョヴネル・モイスが32・8%、野党「進歩・解放のための代替連盟」候補ジュドゥ・セレスタンが25・3%で、それぞれ得票1~2位となり、決選進出が決まった。
ところが選挙の投開票時に政権党が大規模な不正を働いたことが判明。多くの野党が無効を訴え、セレスタン候補は決選ボイコットを打ち出した。
国中が大混乱に陥り、暴動も起きた。決選は繰り返し延期されたが、2月7日、マルテリ大統領が任期満了で政権を退いた。代わって上院議長だったジュセルム・プリヴェールがが選挙管理政権の暫定大統領に就任した。
新たな決選は5月実施の予定だったが、これまた実現せず、CEPはやり直し選挙決定に踏み切った。これに対し、政権党支持者は激しい抗議デモを展開、プリヴェール暫定大統領の辞任を要求している。
暫定大統領の任期は6月14日で切れるため、上院はプリヴェールの任期延長か、新たな暫定大統領指名か、近く決める。
マルテリ前大統領も不正によって当選したと非難されたが、この国では、ほとんどの選挙が不正に埋もれてきた。
▼ラ米短信 アイチの隣国、ドミニカ共和国(RD)で5月15日実施された大統領選挙の結果がこのほど判明。現職のダニーロ・メディーナ(64、ドミニカ解放党=PLD)が61・74%を得票、対立候補ルイス・アビナデル(48、現代革命党=PRM)らを破って2選された。任期は4年。