2016年6月9日木曜日

米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)もベネズエラを支持

 米州諸国機構(OEA、34カ国加盟)は6月13~15日、サントドミンゴで第46回総会(外相会議)を開催、政府と野党連合MUDが対決しているベネスエラ情勢を中心に討議する。

 これに先立ち8日カラカスのベネスエラ外務省で、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)の臨時閣僚会議が開かれ、ベネスエラ政府への連帯を表明した。4日には、ハバナで開かれた第7回カリブ諸国連合(AEC)首脳会議がベネスエラ政府の立場を支持。OEA大使会議も「ベネスエラ問題の対話による解決への協力」を決議、べエスエラに有利な環境ができつつある。

 ALBA会議に出席したエクアドールのギヨーム・ロング外相は、「LAC(ラ米・カリブ)は団結して事に当たろう。団結すれば無敵だ」と呼び掛けた。べネスエラに「米州民主憲章」を適用したいルイス・アルマグロOEA事務総長、これを支援する米国務省やラ米右翼勢力に団結して対抗しようと、ロングは説いたもの。

 クーバのブルーノ・ロドリゲス外相は、「2002年4月、当時のウーゴ・チャベスVEN大統領がクーデターで短期間政権を追われた際、OEAはクーデター派暫定政権に<民主憲章>を適用しなかった」と指摘、「そのような機構にクーバは決して復帰しない」と強調した。

 ボリビア大統領府相フアン・キンターナは、「ベネスエラに対する帝国主義の攻撃を監視し続ける」と述べた。

 会議議長のデルシー・ロドリゲスVEN外相は、「ベネスエラは帝国主義による恒常的な攻撃の犠牲者だ。世界の右翼、マスメディア、多国籍企業などと連携し、ベネスエラを中傷している」と糾弾。ベネスエラ政府に、暴動教唆罪などで収監されている極右政治家の釈放や、ニコラース・マドゥーロVEN大統領罷免のための国民投票早期実施を8日求めた欧州議会を内政干渉と非難した。

 ALBA閣僚会議は、主権尊重、マドゥーロ政権支持、南米諸国連合(ウナスール)による対話仲介支持などを謳う宣言を採択。これをキンターナ大統領府相が読み上げた。

 ALBAは2004年12月、ベネスエラとクーバが結成。現在、ボリビア、エクアドール、ニカラグア、ドミニカ、セントルシーア、グレナダ、セントヴィンセント・グラナディーン、アンティグア・バーブーダ、セントキッツネヴィスの計11カ国が加盟、「LACの左翼塊」となっている。

 会議はまた、マクリ右翼政権のアルヘンティーナが脱退した多国籍テレビ放送「テレスール」(本部カラカス)への連帯と支援を表明した。

 ブラジリアでは8日、テメル代行政権のジョゼ・セラ外相とパラグアイのE・ロアイサ外相が会談。「ベネスエラの法治国家性と人権状況を懸念している」と表明した。パラグアイは2012年6月、フェルナンド・ルーゴ大統領をご強引な「国会クーデター」(弾劾)で退陣させた。ブラジルは先月、収賄議員たちが団結、贈収賄事件を追及していたヂウマ・ルセフ大統領の弾劾裁判開始を決め、同大統領を停職とした。両国とも「法治国家」を口にする資格は乏しい。

 両国、ウルグアイ、亜国、VENが加盟する南部共同市場(メルコスール)の輪番制議長国に7月VENが就任する予定だが、パラグアイとブラジル代行政権は反対。パラグアイが議長に収まるか、現議長国ウルグアイの任期を延長するかを協議している。