2017年2月23日木曜日

 メキシコとカナダが米含む「3国間NAFTA見直し交渉」促進で一致。米は壁の優先的建設地を公表

 メヒコとカナダは2月21日トロントで経済相・外相会議を開き、北米自由貿易条約(TLCAN、英語では協定=NAFTA)の見直し交渉は加盟3国間でするのが望ましいという点で一致した。

 この日、メヒコ国会は次期駐米大使にヘロニモ・グティエレスを決めた。政府は、米側が通商、移民規制、国境壁建設などで押しまくってきた場合、国境地帯を含む両国間の麻薬取引取締り、不法越境者規制などで協力しない方針を選択肢に加えている。

 米国土安保省のジョン・ケリー長官は21日、壁建設を米テキサス州エルパソ・墨チウアウア州フアレス市、アリゾナ州トゥーソン・ソノラ州ノガレス、加州エルセントロ・下加州メヒカリの3カ所の間の国境線で優先的に建設する方針を明らかにした。

 国境最西端の墨ティフアーナ市では21日、米側から送還されたばかりの30代のメヒコ人男性が橋から飛び降りて自殺した。

 一方、シカゴの墨系ベニート・フアレス高校で21日、メヒコの政治家AMLO(アムロ)が講演、「米国第一ではない。墨米間に正義と友情の大地を築くのが先だ」と強調。「トランプがメヒコとメヒコ人に対して発したデマゴギーと新ファシズム的措置は、かつてヒトラーがユダヤ人に対してやったのと似ている」と厳しく批判した。AMLOは次期大統領の有力候補。

▼ラ米短信   ◎クーバ議長が米議員らと会談

 ラウール・カストロ玖国家評議会議長は2月21日ハバナで、パトゥリック・リーヒー民主党上院議員を団長とする米議員団6人と会談した。リーヒーはバラク・オバーマ前大統領と組んで米玖国交正常化を推進した人物。「双方の関心事を話し合った」という。

 クーバ港湾当局は20日ハバナで、ミシシッピ州の2港と協力議定書に調印した。同様に調印した米国の港は計7港となった。

 一方、玖政府は21日、ハバナで22日催される反体制派の故オスワルド・パジャーを記念する賞の贈呈式に出席を予定していたフェリーペ・カルデロン前墨大統領、マリアーナ・エイルウィン元智教育相の入国を認めなかった。マリアーナは故パトゥリシオ・エイルウィン元大統領の娘。

▼ラ米短信   ◎ベネスエラ政府が政権党再編成へ

 ニコラース・マドゥーロ大統領は2月20日、この日から4月19日までの2カ月間にベネスエラ統一社会党(PSUV=ペスーブ)を「戦略的、政治的、組織的に再編成する」と発表した。今年半ばには州知事・州会議員選挙があり、これに備えた措置でもある。

 大統領は同日、スペインのJL・Rサパテロ前首相と会談した。サパテロは、南米諸国連合(ウナスール)から依頼された特使として、ベネスエラ政府と野党連合MUDの対話を仲介している。マドゥーロは21日には、ローマ法王特使と会談した。