国連難民高等弁務官事務所は2月16日ベネスエラ政府に対し、コロンビア人難民を収容するなどの人道的支援を評価、謝意を伝えた。先週から難民約400人がベネスエラ西部のスリア州などコロンビア国境地帯の地域に流入している。
コロンビアでは政府とゲリラ組織FARCとの和平過程が進み、FARCは全国26カ所の集結地域に移動した。これにより、力関係に空白の生じたノルテ・デ・サンタンデル州カタトゥンボ地方に、殺戮やコカイン取引をする極右準軍部隊が流入。恐怖にかられた住民はベネスエラに越境した。コロンビア国防相は13日から同地方に兵士と武装警官隊を増派、準軍部隊を追跡している。
エクアドールのキト郊外ではコロンビア政府と、FARCに次ぐもう一つのゲリラ組織ELNが和平交渉をしている。双方は16日、コロンビア社会代表の和平交渉参加、および内戦の「人道的な停戦」に関し、それぞれ小委員会を設け話し合うことで合意した。和平交渉で得られた初の合意である。
一方、NYの国連本部にある非同盟諸国運動(MNOAL)事務局は16日、トランプ米政権によるタレク・エルアイサミVEN副大統領への追及措置を「一方的かつ弾圧的」と非難し、ベネスエラ政府への連帯を表明した。現在のMNOAL議長は、ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領。
マドゥーロ大統領は16日、「裏切り者は皆、米政府の庇護下に逃げ去る」と指摘。国際メディアによる意図的誤報(虚偽報道)に対抗し、「ベネスエラの真の姿を伝え発信するため」として、「強力なディジタル伝達基盤」を創るよう指示した。
大統領はまた、トランプに同調し、暴動教唆罪などで服役中のベネスエラ極右政治家の釈放を呼び掛けたスペイン保守・右翼政権のマリアーノ・ラホーイ首相を、「ならず者だ。犯罪者と殺人者の保護者」と扱き下ろした。これに対しスペイン外務省は17日、駐西VEN・大使を呼び、真意を質した。
▼ラ米短信 ◎ハバナにガルシア=マルケス像登場
ハバナ旧市街の芸術・文学学校の庭に2月16日、コロンビアのノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケス(GGM、1927~2014)の銅像除幕式が催された。ハバナ史家エウセビオ・レアル、駐玖コロンビア大使らが出席した。
コロンビアの彫刻家ホセ・ビージャ=ソベロンの作で、高さは生前のGGMより背の高い180cm。昨年、若き日のGGMが活動したコロンビアのバランキージャ市に建てられた銅像の複製だ。
作家の出世作『百年の孤独(孤独の百年)』の執筆50周年とノーベル文学賞受賞35周年および、作家の生誕90周年に因んで設置された。クーバはGGMがクーバ通信社プレンサ・ラティーナの創設期に記者として働き、故フィデル・カストロ議長と親交を結び、さらに映画学校を設立し指導した縁の深い国だ。GGMは「クーバの養子」と呼ばれることもある。
彫刻家ビージャ=ソベロンは、ジョン・レノン、アントニオ・ガデス(西人フランメンコ舞踊家)、マザー・テレサらの彫像の政策者として知られている。