チレのミチェル・バチェレー大統領は12月24日、国立ガブリエーラ・ミストゥラル文化セントロ(GAM)の拡張工事開始式を主催した。Gミストゥラル(1889~1957)はチレの女流詩人で1945年、ノーベル文学賞を受賞、ラ米最初の同賞受賞者となった。この工事は受賞70周年の記念事業。
GAMは、首都サンティアゴの目抜き、解放者ベルナルド・オヒギンス並木道227番に2010年開場、これまでに500万人を超える入場者があった。
その建物は、アジェンデ社会主義政権期の1972年、国連貿易開発会議の会場として完成した。だが73年の軍事クーデターで登場したピノチェー軍政は、この建物を政府本部として使用した。クーデター時に大統領政庁ラ・モネーダ宮殿を空爆し炎上させたためだった。サルバドール・アジェンデ大統領は政庁内の執務室で自殺した。
ミストゥラルは、チレ詩人2人目のノーベル文学賞詩人パブロ・ネルーダ(1904~73)に少年時代から目をかけ、パブロの詩人としての成長に貢献した。
GAMからさほど遠くないビクーニャ・マケーナ大通り37番地には、2014年11月開館した「ビオレタ・パラ博物館」がある。Vパラ(1917~67)はチレ人カンタウトーラ(シンガー・ソングライター)で、「人生よ、ありがとう」、「なんという胸の痛みだろうか」など数々の名曲を作った。
ミストゥラル-パラ-バチェレーと続く系譜は、「現代チレの偉大な女性の系譜」である。
一方バチェレー大統領は23日、国会でその日成立した大学無料教育法に署名、公布した。2016年3月国公立及び私立の大学に進学する学生の半数に当たる約18万人は苦学生で、新法の恩恵に最初に与ることになる。今月27日に願書受付が始まる。