ペルー大統領選挙の選挙戦は6月5日実施の決選に向けて、ケイコ・フジモリ(40)、ペドロ=パブロ・クチンスキ=PPK=(77)の両候補が鎬(しのぎ)を削っている。
4月10日の第1回投票後、初めて実施され18日公表された支持率調査の結果は、PPK44%、ケイコ40%だった。PPKは第1回投票では21%だったが、3位で決選に進めなかったベロニカ・メンドサ(18・82%)らの支持票を上乗せするのに成功しているかに見える。
一方、第1回に39・8%を得ていたケイコは、ほぼ同じ40%で頭打ちになっている形だ。両候補は新自由主義経済政策の継続で一致、大きな争点はない。このため、依然根強い「反フジモリ世論」がケイコに逆風、PPKには追い風となっている。
しかしケイコは、父親アルベルト・フジモリ元大統領を嫌う「政治的意識層」でない大衆層を主な支持基盤としており、これを最大限に開発すれば勝機はあると見られている。いずれにせよ、接戦になる公算が大きい。
今回の世論調査で出た「支持候補未決定」6%、棄権10%、合わせて16%の多くを自陣に取り込んだ候補が勝つことになる。
また、この調査では「反ケイコ」42%、「反PPK」32%という結果も出た。「反ケイコ」が50%を上回らないからには、ケイコに支持票開拓の余地があるわけだ。
両候補は18日、リマ市内にある国家選挙審議会(JNE)本部で90分間会合、有権者への金品贈与の禁止などを確認した。
大統領選挙と同時に10日実施された国会議員選挙では、定数130の過半数をケイコの政党「人民勢力」(FP)が握るもよう。PPK政権となれば、ねじれが生じることになる。ケイコが勝てば安定度は増す。これがケイコの自信の源となっている。