ベネスエラ国家選挙理事会(CNE、選管)は4月26日、野党連合MUDに対し、ニコラース・マドゥーロ大統領罷免の是非を問う国民投票実施申請に必要な書式を手渡した。
MUDは30日以内に、有権者の1%に当たる19万8000人の署名をCNEに提出せねばならない。憲法はこの種の国民投票を認めており、現職大統領の任期が半分を超えた段階で実施申請が可能となる。
マドゥーロ大統領は2013年4月14日の選挙で758万票余りを得て当選、同月19日就任した。任期6年の半分3年が経過した今月19日以降、申請が可能になった。
MUDは国民投票が実施された場合、罷免を実現するには、マドゥーロの得票数を上回る必要がある。マドゥーロにい敗れたMUD候補エンリケ・カプリーレス(現ミランダ州知事)は772万余りを得ている。
今回の国民投票を推進してきた中心人物はカプリーレスであり、2012年に故ウーゴ・チャベス前大統領に敗れた選挙から3度目の大統領の椅子への挑戦をかけている。
選管が書類を渡したことでMUDは、27日に全国で予定していた抗議行動を取りやめた。
一方、最高裁は25日、国会で圧倒的多数派のMUDが20日第1回審議で可決していた、大統領任期を6年から4年に短縮し、現在無制限の大統領再選制を「再選は1回限り」とする改憲法案を、「人民意志を否定するもので、憲法への詐欺行為」として糾弾、不可とした。
MUDは改憲によって、マドゥーロの任期も4年とし、チャベス前大統領が就任した2013年1月10日から数えて4年目となる17年のその日をもってマドゥーロを退陣させようと狙っていた。
MUDと軍部の関係も緊張している。MUDが「国軍がマドゥーロ政権を支えている」と発言したのに対し、ブラディーミル・パドゥリーノ国防相は24日テレビで、「政府と軍を引き離すクーデターが画策されている」と述べた。これに対し、MUD最高幹部の一人であるヘンリー・ラモス国会議長は「クーデターがあるとすれば、首謀者は彼(国防相)だ」と言い返した。