中国の李克強首相は9月24日、クーバ公式訪問のためハバナに到着した。これまで中国からは最高首脳の国家主席が訪玖しており、首相の訪玖は初めて。22~23日訪玖した安倍首相と入れ替わるように来訪した。
空港には、ラウール・カストロ国家評議会議長の後継者、ミゲル・ディアスカネル第1副議長が出迎えた。22日に訪玖した安倍首相を空港に出迎えたのは、国家評議会に6人いる副議長のうち、ディアスカネル(第1副議長)、ホセ=ラモーン・マチャード(共産党第2書記)、ラミーロ・バルデス(革命司令官)に次ぎ序列第4位のサルバドール・バルデス=メサだった。
クーバと中国との関係は日玖関係と比べ圧倒的に太く、玖政府としても首脳来訪時に「出迎え待遇差」をつけざるを得なかった。安倍首相はクーバ滞在中、中朝両国に批判的な発言をしたが、玖側は、それに直接的に応じることはなかった。出迎えに差をつけたのは、クーバ政府が友好国である中朝に気を遣った表れでもある。
ディアスカネル第1副議長は6月来日し、安倍首相と会談。ラウール議長からの招待を首相に伝えた。これを受けて今回の訪玖が実現した。一方、李首相もカストロ兄弟と会談。12項目の経済協力協定を結んだ。
★チレ短信 米国務省は9月21日、オルランド・レテリエル元チレ外相のワシントンでの暗殺(1976年9月21日)の40周年に際し、中央情報局(CIA)の機密文書を公開、暗殺を命じたのは故アウグスト・ピノチェー元チレ軍政大統領だったと確認した。
米人工作員マイクル・タウンリーがレテリエルの乗用車の車体の下に遠隔装置の爆弾を仕掛け、元外相と米人女性秘書を爆殺した。諜報部員だったチレ陸軍士官アルマンド・フェルナンデスが後方支援した。
米国を公式訪問していたミチェル・バチェレー智大統領は元外相暗殺40周年に際し、事件現場を訪れ追悼した。
▼エクアドール短信 エクアドール(赤道国)は9月23日、国連発展途上「77カ国グループ」(G77)の議長国に就任した。任期は1年。ラファエル・コレア大統領が議長を務める。
★コロンビア短信 コロンビアのカルタヘーナで9月26日、内戦終結最終合意書の調印式が催される。JMサントス大統領とFARCのティモチェンコ最高司令が調印する。全部隊代表者会議を開いていたFARCは23日、和平合意を全会一致で承認した。調印式にはラ米諸国の首脳が数多く出席する。
▼ベネスエラ短信 ベネスエラがクーバに供給している原油は日量52500バレルで、最盛期の40%減とされるが、BMI調査では日量83500bで20%減。ベネスエラ原油は9月23日時点で、1b=37ドル強。