オンドゥーラス総選挙は11月24日実施される。大統領、国会議員128人、298市長、市会議員2092人、中米議会議員20人を選ぶ。3月12日、主要3党の大統領候補指名のための予備選挙があり、各党の有力候補がほぼ確定した。
政権を握る国民党(PN、保守・右翼)は現職大統領フアン=オルランド・エルナンデスが93%を得た。憲法は大統領再選を禁じているが、最高裁は15年、再選可能と判断した。だがエルナンデスの出馬には依然、反対意見が少なくない。
野党第1党の「自由と再建」(LIBRE=リブレ、進歩主義・左翼)党は、シオマラ・カストロが94%を確保。シオマラは、2009年6月28日の軍民クーデタで追放されたマヌエル・セラーヤ大統領の妻。13年の前回選挙で善戦したが、エルナデスに勝利を持って行かれた。
LIBRE党は、政治運動「反腐敗と刷新」、「民主社会連合」と連携、エルナンデス再選阻止を狙う。もう一つの自由党(PL、保守)はルイス・セラーヤ56%、ガブリエーラ・ヌニェス34%と割れた。有権者は535万人。
▼ラ米短信 ◎ボリビアがコカ葉栽培地を拡大
ボリビアで3月8日、コカ葉作付面積を従来の12000haから22000haに増やす新法が公布された。うち14300haは、政治首都ラパス郊外のユンガス、7700haはコチャバンバ市郊外のチャパーレに割り当てられた。
署名したエボ・モラレス大統領は、「生活のため、古来の伝統のため、アンデス住民の神秘的儀式のため」のコカ葉生産が保障されたと公布式で述べた。だがユンガスの栽培者代表は、チャパーレ産コカ葉の9割がコカイン生産の原料となることから異議を唱え、式に出席しなかった。
エボ自身が、チャパーレのコカ葉栽培農民6組合の連合組織の代表を務めている。この連合組織と政権党MAS(社会主義運動)がエボの勢力基盤となってきた。
政府は、チャパーレ産コカ葉の大部分は、コカ茶、薬品、栄養剤の原料として使うと説明している。国際的な麻薬取締機関から批判や異論が出るのは必至だ。エボ政権以前のコカ葉作付面積は37000haだった。
▼ラ米短信 ◎ガルシア元ペルー大統領が「暗殺未遂事件」に触れる
アラン・ガルシア元秘大統領は3月11日、第1期政権期の1987年、対外債務返済を制限し、銀行国有化を提案した際、これに反対する勢力が国軍をたきつけてクーデターを画策したが、難を逃れたと明らかにした。
ガルシアは当時、空軍のミグ戦闘機が夜間、大統領政庁を目指して飛来する情報をつかみ、リマ市全域を停電させた。これにより戦闘機は標的を見失ったという。
2度目はアルベルト・フジモリ元大統領が92年4月5日、国軍と組んでのお手盛りクーデターで憲政を停止させた日、軍と警察の特殊部隊で構成された暗殺コマンド「コリーマ」がガルシアを自邸で暗殺しようと謀ったが果たせなかった、という。
ガルシアは、その後、隣国コロンビアに亡命している。ガルシアが過去の話を今出したのは、伯建設会社オデブレヒト社贈収賄事件絡みで収賄した嫌疑がかけられているため、それから目をそらせるためではないかとの見方が出ている。