2017年3月17日金曜日

 キューバがFARCゲリラ復員者1000人を医学留学に招く。医療協力国際主義外交が健在ぶり示す★WBC敗退のキューバ、オランダ戦のKO負けに衝撃、「国喪宣言」

 キューバ政府は3月16日、コロンビア政府および、武装解除中のゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)の復員者計1000人を医学留学生として受け入れる、と発表した。向こう5年間、毎年200人、政府推薦者と元ゲリラ半数ずつを受け入れる計画。

 だがコロンビア政府は、割り当ての500人分をFARC側に回すと表明。1000人全員がFARC系留学生となる。総予算は2380億コロンビアペソ(約8000万ドル)。クーバ政府が負担する。

 コロンビア政府とFARCは昨年までの4年間、ハバナで和平交渉を続け、和平合意に達した。ラウール・カストロ玖国家評議会議長は昨年9月、カルタヘーナで和平合意調印式が挙行された折、JMサントス・コロンビア大統領に直接、留学生受け入れ計画を伝えていた。クーバは、コロンビア内戦終焉へのクーバの関与を続けるため医学生を受け入れると表明している。

 チェ・ゲバラは61年前、医師からゲリラになったが、今年9月からコロンビア人元ゲリラがクーバで医師になる勉強に励むことになる。クーバ外交の柱である医療協力国際主義は健在だ。

★ラ米短信    ◎クーバ野球チーム:衝撃の惨敗、<国喪に服す>

 東京でのWBC予選第2次リーグで一勝も挙げられずに敗退したクーバ代表野球チームのカルロス・マルティ=サントス監督は3月15日、同日の最終選でオランダに14対1でノックアウト(コールドゲイム)された衝撃の後、「玖チームには技術的問題がある。特に投手の養成だ。投手はWBC級に達していなかった。我がチームの一線級投手はオランダから打ち崩された。敵の攻撃力が勝っていた」と語った。

 監督はまた、「少年野球に始まる国内下級リーグからの育成という課題もあり、短期間で修正できる問題ではない」と、クーバ野球の問題点を指摘した。

 だが、「WBCで戦ったどのチームも高級であり、連日、技術や戦術で学ぶことが多かった。ロサンジェルスに行ければ良かったが、ライバルたちの方が上だった」と述べ、「優勝は蘭日米RD(ドミニカ共和国)から出るのではないか」と展望した。

 一方、クーバメディアの特派員たちは、予選敗退に嘆いている。「最悪の結末」と題した論評記事は、「野球はクーバでは宗教のようなもので、不可侵だ。オランダにKOされたのは、いかなるシェークスピア悲劇にも勝る劇的な衝撃だった」と書く。

 さらに、「試合経過には触れまい。負けたというだけで十分だ。<国喪>が宣言された。だがページをめくろう」と記し、再出発を促した。