コロンビア最大のゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍、戦士6900人)の武装解除が3月1日始まった。2012年11月ハバナでのコロンビア政府とFARCとの和平交渉開始から4年4カ月、昨年11月の和平最終合意から4カ月目、双方は武装解除段階に漕ぎ着けた。
FARC要員は2月までに国内26カ所の集結地域に入っていた。国連および国連に委託されたCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)の管理下で集結したFARC要員のうち、最初の322人が武装解除に応じている。
和平交渉を促進しノーベル平和賞を昨年受章したJMサントス大統領は1日、「きょうFARCの合法化過程が始まった。3月1日からまず要員全体の3割を武装解除する。5月1日からは3~4割を、6月1日からは残り3割方の武装を解除する」と明らかにした。全体の武装解除日程は180日。
解除された武器には通し番号が付けられ、所有していたゲリラの氏名、武器の種類、型が登録される。武装解除がすべて終わったら武器は破壊され溶かされ、その金属で和平記念碑を3つ造る。和平交渉の実った地ハバナ、NY国連本部、コロンビアにそれぞれ設置される。
政府は現在、エクアドールのキト郊外で2月から、第2のゲリラ組織ELN(民族解放軍)を和平交渉を続けている。
▼ラ米短信 ◎中国がプエルト・リコ投資会合に参加
米植民地プエルト・リコ(PR)の首都サンフアンで3月1~3日、「中国・PR投資フォーラム」が開かれており、中国人投資家および企業代表150人が参加している。
中国の石油企業は昨年12月、メヒコでのメヒコ湾深海油田開発入札で米経済水域に近い開発地区の開発権を落札している。この落札やPRでの投資は、中国の南シナ海での軍事的進出を牽制している米国への「逆牽制」と受け止められている。
PRでは6月11日、住民投票が実施される予定で、PRの「米国併合=51番目の州化」、もしくは「独立」かを決める。「独立」が過半数を占めた場合、「(国防・外交権のない)自由連合国(ELA)」か「完全独立」かを問う新たな住民投票が10月8日実施される。
▼ラ米短信 ◎ボリビア大統領がクーバで診断
ボリビアのエボ・モラレス大統領は3月1日ハバナ入りした。喉の炎症の診断のため。エボは数日来、声がかれ、「失声症」とされている。2日後には演説機会があり、ハバナで「声の回復」を図る。