ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は1月18日、新設の「ウーゴ・チャベス平和・主権賞」の第1回受賞者にウラジーミル・プーチン露大統領が決まったと発表、近く訪露すると明らかにした。
マドゥーロは、「プーチンは多極的世界の偉大な指導者。10回会談したが彼は、故チャベス大統領がとても好きだったと語っていた」と述べた。
ベネスエラが加盟するOPECと、ロシアを含む一部非OPEC産油国は昨年11月、今年前半の原油生産量削減に合意。現在、国際原油価格は値上がり傾向にある。この削減は国庫収入の95%を原油に頼るベネスエラが特に強く働きかけていた。今回のプーチンへの授賞は、原油生産削減決定への協力を特に評価したものだ。
また、ベネスエラに厳しい態度をとることが予想されるトランプ米新政権の20日の発足を前に、ロシアとの政策的連携を強めておきたいマドゥーロの思惑の反映とも受け止めることが可能だ。
▼ラ米短信 ◎ルベーン・ダリーオ生誕150年
ニカラグア史上最大の文化人とされる詩人ルベーン・ダリーオの生誕150年記念式典が1月18日、レオン市のダリーオの墓前で催され、同市市長、政権党FSLN代表、市民らが出席した。
ダリーオは1867年、メタパ(現ダリーオ市)に生まれ、生後40日でレオンに移り、育てられた。19世紀末から20世紀初めにかけて、モダニズムの作風でラ米と欧州の文学界に影響を及ぼした。
▼ラ米短信 ◎コロンビア政府とELNが2月に和平交渉開始へ
キトで会合していたコロンビア政府とゲリラ「民族解放軍」(ELN)は1月18日、正式な和平交渉を2月7日エクアドール国内で開始することで合意、共同声明で発表した。ELNは1964年から政府軍相手に内戦を戦ってきた。
だが最大のゲリラ組織FARCが昨年11月和平合意し停戦、現在FARCは武装解除段階にある。ELNも14年初め和平方針を固め、政府と秘密の準備交渉を断続的に続けていた。
▼ラ米短信 ◎玖米がメヒコ湾境界画定議定書に調印
玖米両国は1月18日、米国務省内で、「メヒコ湾東部海域大陸棚境界画定議定書」に調印した。両国の200海里経済水域以遠の海域が対象。
オバーマ米政権は20日の任期切れ寸前に、さまざまな駆け込み合意をクーバと結んでいる。トランプ次期政権下で両国関係が停滞する可能性を見越してのことだ。
またクーバとメヒコはハバナで18日、同海域での境界画定議定書に調印した。