▼▼▼ベネズエラ国会は1月5日、議会執行部(5人、任期1年)の選挙を実施し、議長には現職のディオスダード・カベージョが再選された。国会議長は、ウーゴ・チャベス大統領が「絶対的不在」となった場合、暫定大統領に就任し、新たな大統領選挙を実施する重責を担う。
▼チャベス大統領から後継者に指名されているニコラース・マドゥーロ副大統領兼外相は同日、「大統領の新任期が10日始まるにせよ、チャベスは再戦されており、職務は継続されている。就任式は不要だ。宣誓式は形式主義にすぎない」と述べた。前日にも同様の発言をしている。
▼観測筋は、この発言にはカベージョの暫定大統領就任を阻止したいマドゥーロの意図が込められている、と分析している。ひとたび就任し、暫定期間が長期化すれば、事実上の大統領となり、マドゥーロの出番が無くなることにもなりかねない、と観るからだ。
▼カベージョは再任された後、「憲法規定に忠実であり続ける」と述べたが、これは暫定大統領就任の可能性を意識した発言と受け止められている。マドゥーロ、カベージョの両実力者の間で権力闘争が進行しつつあると観る向きが多い。