2015年4月1日水曜日

ボリビア地方選挙で野党勢力が躍進

 ボリビアで3月28日実施された統一地方選挙の結果が31日ほぼ判明した。エボ・モラレス大統領の政権党・社会主義運動(MAS)は、9州中、コチャバンバ、ポトシー、パンド、オルーロ4州知事、野党勢力はラパス、サンタクルス、タリーハ3州知事をそれぞれ獲得。チュキサカ、ベニ両州知事は決選に持ち込まれた。

 339市長のうちMASは約270市長を獲得した。だが主要都市では、野党がラパス、エルアルト、サンタクルス、コチャバンバ、オルーロ、タリーハ、トゥリニダー、コビーハを制した。MASはポトシー、スクレ、パンドなどに留まった。

 この結果について、モラエス政権長期化で有権者の代替政権希求が強まったため、との見方が出ている。

 一方、モラレス大統領は31日、ホルヘ・レデスマ国防相を更迭した。これは集中豪雨に見舞われ飲料水不足に陥ったチレ北部のコピアポに同日、飲料水1万2000リットルを運んだレデスマが、「海はボリビアのもの」と書かれたジャンパーを着ていたため。

 チレ外務省は、人道援助を政治的宣伝に使ったと非難。モラレス大統領は外務省を通じて謝罪し、国防相を更迭した。

 チレ北部の太平洋に面したアントファガスタ州は、1879年の「太平洋戦争」でチレに奪われるまではボリビア領だった。モラレス政権は、海岸領土奪回の悲願達成をかけてこくさい司法裁判所に裁定を仰いでいる。