米国務省顧問トーマス・シャノン(元国務省米州担当次官補)は4月7日、ベネスエラ政府の招きでカラカス入りし、8日、デルシー・ロドリゲス外相と両国関係を巡り会談した。
シャノンは、米政府の親書を携行しており、8日に予想されるニコラース・マドゥーロ大統領との会談の際に手渡すもよう。
米国家安全保障会議(NSC)のベン・ローズは7日、「ベネスエラは米国の安全保障にとり脅威ではない」と表明。バラク・オバーマ大統領が3月9日政令で規定した「ベネスエラは脅威」の表現を事実上否定した。
マドゥーロはローズ発言について「とても興味深い」と述べた。だがロドリゲス外相はシャノンとの会談後、ベネスエラはオバーマ政令の「脅威」撤回を求めた、と明らかにした。
ベネスエラでは、300万人を上回るクーバ人の署名を含む「1000万人署名」をマドゥーロ大統領に渡すための「人民行進」が9日カラカスで実施される。
マドゥーロは、この署名簿を10日、パナマでの米州首脳会議の際、オバーマに手渡すことにしている。そうなれば、オバーマにとっては屈辱となるため、米側は「脅威」の文言否定やシャノンのカラカス派遣を通じ善後策を講じている。
一方、ベネスエラと米国の貿易は、今年第1四半期40億ドルで、前年同期比で40%減少した。