2015年4月10日金曜日

キューバのラウール・カストロ議長がパナマ入り

 クーバのラウール・カストロ国家評議会議長は4月9日、米州諸国機構(OEA、加盟34カ国)の第7回首脳会議(10~11日)に出席するためパナマ市に到着した。

 クーバはケネディ米政権期にOEAから追放されて以来、OEAとの公式接触はなかった。今回、主催国パナマのフアン=カルロス・バレーラ大統領に招待され、OEA首脳会議に初めて出席する。

 かつてケベックで開かれた第3回首脳会議時にベネスエラのウーゴ・チャベス大統領(故人)がクーバ首脳の出席が必要と訴えた。

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ現大統領は9日、チャベスの提起を回想し、ラウール議長の出席を「ラ米カリブ人民の勝利」と讃え、「クーバ首脳の席には尊厳が座っている」と述べた。

 パナマ市では9日、首脳会議に先立ち米州外相会議が開かれ、「均衡ある繁栄」を標語として開かれる首脳会議の議題を、教育、保健、移民、エネルギー、安全保障、環境、参加(疎外防止)、民主制度と確認した。

  ブルーノ・ロドリゲス玖外相とジョン・ケリー米国務長官は同日、玖米首脳会談や両国国交正常化交渉について会談した。玖米外相会談は1961年1月の断交後初めて。

 同市で9日日開かれた米州企業家会合では、ロドリゴ・マルミエルカ玖貿易・外資相がクーバへの投資を呼びかけた。クーバは当面、農業、砂糖産業、ニッケル開発、住宅建設などに年間計25億ドルの投資が必要と明らかにしている。

 パナマ市では同日、「米州市民社会」の会合も開かれた。クーバ、ベネスエラなどALBA加盟諸国は、「米国から来たテロリストらや、人民の正しい代表でない者たちが参加している」と抗議し、会議を中止すべきだと動議を出した後、独自の会合を開いた。

 パナマ市で2000年にイベロアメリカ首脳会議が開かれた際、当時のフィデル・カストロ玖議長が演説を予定していたパナマ大学内の会場を爆破する陰謀が発覚し、在米テトリストらが逮捕された事件があった。

 このためクーバやベネスエラの代表団は今回も警戒を強めている。

 一方、米国務省は8日、バラク・オバーマ大統領に、クーバを「テロ支援国家指定」から外すよう進言した。オバーマは9日、ジャマイカで、指定を近々外すと述べた。

 ブラジルの神学者フレイ・べトは過去にしばしばフィデル・カストロと会談してきたが、6日にもハバナでフィデルと会ったことを9日明らかにした。べトが『フィデルと宗教』を出版して30年になるのを記念しての会合だった。この本は130万部が売れるヒット作となった。