2015年4月30日木曜日

ベネズエラが不安定化工作への「米企業関与」を調査

 ベネスエラ国会のディオスダード・カベージョ議長は4月29日、極右・右翼勢力はベネスエラを不安定化させる工作を止めていない、と警告し、その工作について明らかにした。

 それによると、ベネスエラ企業ポラール社が「ガラ(鉤爪)計画」という不安定化工作を促進しようとしている。同「計画」のロゴマークは、米軍事企業ブラックウォーター(黒水)社のそれに似ている。

 このため、ベネスエラ治安当局は、ポラール社と黒水社との関係を調査している。

 議長は、黒水社について、米国務省との契約でシリア、リビア、アフガニスタン、イラクなどで不安定化工作を展開してきた、と指摘した。

 議長はまた、米政府が、刑務所で拘禁されているベネスエラの野党極右政治家らの釈放を求めていることに触れて、米国では白人警官が黒人市民を殺害する事件が続いているように人種差別状況があるが、それへの対処ぶりと外国であるベネスエラへの釈放要求と比べると、米政府は「人権問題」で二重基準ではないか、と批判した。

 一方、ニコラース・マドゥーロ大統領は29日、財政健全化のための懸案であるガソリン値上げについて、「値上げは急がない」と述べた。

 その理由として、「その前に取り組むべき案件がいろいろあり、その方が先決だからだ」と説明した。

 9月には国会議員選挙がある。ただでさえ厳しいインフレ状況にあるいま、諸物価に波及するガソリン値上げに踏み切れば、国会議席を減らす結果を招きかねない。

 大統領は、選挙前の値上げは得策でないと、あらためて判断したもようだ。