ラウール・カストロ玖議長とバラク・オバーマ米大統領は4月10日、米州首脳会議の会場で笑顔で握手し、談笑した。2013年12月のネルソン・マンデーラ南ア大統領の国葬で握手して以来の再会で、国交正常化交渉が進展しつつあるため、穏やかな対面となった。
米当局者は、両首脳の談笑について、「東西冷戦期の敵同士が接近した象徴」と述べた。
ラウールとオバーマは8日、電話で会談し、9日にはパナマ市で玖米外相会談が開かれている。残るは両首脳の会談だけとなった。
この日、ラウールは首脳会議に先立ち、米商業会議所のトム・ドノウエ会頭と会談した。
一方オバーマは同じく、中米統合機構(SICA)加盟8カ国首脳と会合した。オバーマは、中米北部3か国(グアテマラ、エル・サルバドール、オンドウーラス)の生活向上支援資金として2016年に10億ドルを供与する予算を議会に申請する、と述べた。
オバーマは、クーバとベネスエラの反政府派も参加した「市民会合」で、「米国が米州で介入しながら無処罰に終わる日々は過ぎ去った」と強調した。ブッシュ父親政権による1989年12月のパナマへの軍事侵攻を特に念頭に置いた発言だ。
さらにオバーマは企業家会合にブラジル、メヒコ、パナマの各大統領と共に参加した。
オバーマは、パナマ運河と、運河第3水路建設現場を視察する余裕を見せた。
一方、国連と米州諸国機構(OEA)の両事務総長は10日、クーバのOEA復帰問題について意見を交換した。米国の圧力で1962年にOEAを追放されたクーバは、復帰への関心を示していない。