☆★☆チリの中等学校生(12~18歳、日本の中学・高校生に相当)は8月23日、市立化されている公立中等学校の再国立化と、質を伴う無料教育を要求し、私学などの利潤追求教育に反対して全国ストライキを打った。
☆首都サンティアゴでは、従来のように一か所に集結して治安警察機動隊と衝突するのを避け、一万人が市内14区に分散してデモ行進した。警察も分散警備せざるを得なかった。だが結局、中心部に3000人が結集し、これを機動隊が放水と催涙ガスで規制した。学生140人が逮捕された。負傷者も出た。
☆中等生連絡会議(ACES=アセス)、中等生連絡(CONES=コネス)会議が主催し、大学生の全国組織であるチリ学生連盟(CONFECH=コンフェチ)が支援した。背景には、貧富格差の拡大で、高等教育の機会均等が侵されている状況がある。
☆チリでは去年、全国で学生デモが長期間続き、ピニェーラ右翼・保守政権は教育政策の再考を迫られた。だが小さな政府や民営化を基本とする新自由主義政策は変わらず、学生側の要求は認められなかった。このため、学生側はこの8月、またも攻勢に出た。
☆既に3週間にわたって学生の行動は続いており、首都にある国立チリ大学の中央校舎と、8つの中等学校校舎が学生に占拠されている。
☆来年11月17日には次期大統領選挙が実施される。学生たちは、民政移管された1990年3月から20年続いた中道および左翼の協和(コンセルタシオン)政権の復活を望んでいる。現在、社会党のミチェル・バチェレー前大統領が最有力候補と目されている。