2012年8月26日日曜日

ベネズエラ最大の製油所が炎上

▼▼▼ベネズエラ西部のファルコン州パラグアナー半島西岸のプント・フィホ市にあるパラグアナー製油所(CRP)の3製油所の一つで、同国最大の製油能力を持つアムアイ製油所(日量64万5000バレル)の貯油タンク(容量26万バレル)3基が8月25日未明から25日にかけて爆発、炎上した。

▼消防士220人が83時間をかけて消火活動に当たり、26日鎮火させた。

▼この事故で警備に当たっていた国家警備隊(GNB)の要員18人とその家族を含む41人が死亡し、84人が負傷した。また付近の住宅500戸が破壊された。車多数も破壊された。

▼ベネズエラ石油公社(PDVSA=ペデベサ)社長を兼ねるラファエル・ラミレス石油相は、「ガス漏れ」があったことを明らかにした。引火の原因については、サボタージュの可能性も含め、約1か月かけて調査する、と述べた。

▼ウーゴ・チャベス大統領は、3日間の国喪を宣言した。26日には現地を視察し、犠牲者の遺族らを見舞った。また、犠牲者遺族と被災者に計1億ボリーバル(約2320万ドル)の賠償金を支払う、と表明した。

▼ベネズエラ石油労働者統一労連(FUTPV)のイバーン・フレイテス書記長は、事故の起きた製油所の維持点検を過去3年間要請していたが資金が投入されなかった、として、政府を非難した。これに対し、CRPは、過去3年間に60億ドルが投下された、と反論した。

▼CRPは、この国の製油能力の71%を占める、最重要石油関連施設。またプント・フィホ港は、最大の石油輸出先である米国に石油を積み出す最重要港の一つ。

▼10月7日の大統領選挙を控えるチャベスには、経済の命綱である石油部門で最悪の事故が起きたのは大きな痛手だ。

▼ラミレス石油相は、9月上旬には復旧するとの見通しを明らかにしている。