▼▼▼ホンジュラス国境のラス・マノスでニカラグア警察は8月22日、現金920万ドルを密かに持ち込もうとしたメキシコ人18人を逮捕し、現金を押収した。27日までに明らかにされたところでは、一味はコスタ・リカで「代金を支払うため」現金を運ぼうとしていた。コロンビア方面から来るコカインの代金の支払いのためではないか、と見られている。
▼一味は、メキシコ北東部のタマウリパス州を拠点とし、8月16日にメキシコの民間テレビ放送「テレビサ」の取材車を装った6台の車に分乗し、グアテマラ、ホンジュラスを通過して、ニカラグアに入った。現金は小額紙幣ばかりで、23個の現金輸送バッグに入れられていた。
▼タマウリパス州は麻薬マフィア「ロス・セタス」が勢力を張っており、ニカラグア警察は、一味と同マフィアとの関係を追及している。
▼一味の首領はラケル・アラトーレという女性。裁判に備えて、ニカラグア人弁護士3人を雇った。
▼逮捕のきっかけは、ホンジュラス国内のホテルに宿泊していた一味の会話を、同じホテルにいたニカラグアの元治安要員が耳にし、本国の警察に通報したこと。
▼ラケルをはじめ一味の多くは、過去に何度も中米地上ルートでコスタ・リカに行っていた。これまで摘発されていなかったことから、中米各国に一味の協力者がいると見られている。
▼名を騙(かた)られたテレビサは、7月1日のメキシコ大統領選挙で当選したとされるエンリケ・ペニャ=ニエト候補に6~7年前から肩入れし、同候補に有利になるよう偏向報道を続けていた。このため、メキシコ世論から厳しく批判されている。