★☆★毎週金曜日に首相官邸前に、原発全廃を求める意識した人々の群が異議を唱えるために集まる。自分たちが選んだはずの国会議員の多くが依然危機感を持たず、その国会議員が構成する政府が秘密主義で、原発企業と電力大消費企業の肩を持っているからだ。
☆あらゆる不正、あらゆる理不尽なことに無反応だった多くの日本人がいま、立ち上がっている。これは東電福島原発が招いた人災=放射能漏れの一大悲劇が喚起した、尊く民主的な副産物だ。日本市民も、かすかではあるが、諸外国の市民に近づくことができた。
★あるメディアは、「国会が包囲されている」と指摘した。
☆否! 包囲されたのは政治、すなわち首相官邸、国会、政党、諸官庁だけではない。これまで政官財の側に重点を置いて取材し報じていた大部分の大手メディアが包囲されているのだ。
★政局報道にばかり熱心で、真の政治のあり方を掘り下げることの少ないメディア、「体制」を支えてきたメディアが、いま取り囲まれているのだ。
★彼らは、東電事故直後、拡散した放射線の危険性を市民に知らせるのを怠った。政府・東電と「共犯だった」と指摘する声が少なくない。また、反原発の動きが出ても、当初は真剣に伝えようとはしなかった。いまでも、その報道には、おざなりの印象が否めない。
★もし彼らメディアに「世論に包囲されている」という認識がなければ、絶望的だ。そんなメディアには、原発支持議員・政党と同じく、明日はあるまい。
☆メディアよ、曖昧にも<マスコミ>と自らを呼んで堕落せず、報道機関の原点に戻り、ジャーナリズムとなれ。それしか道はない。