ペルー大統領選挙決選(6月5日)まで1カ月を切った5月8日、IPSOS社の支持率調査が公表され、ケイコ・フジモリ42%、ペドロ=パブロ・クチンスキ(PPK)38%で、ケイコが4%ポイント上回った。
同社の決選模擬投票では、ケイコ51・4%、PPK48・6%で、「ケイコ当選」と出た。一方、反対票はケイコ42%、PPK39%で、ケイコの「嫌われ率」が3ポイント多い。
IPSOS社は4月の支持率調査で17日、PPK44%、ケイコ40%、25日、PPK43%、ケイコ39%と発表していた。今回初めてケイコが逆転したことになる。
また、CPI社は4月19日、ケイコ43・6%、PPK41・5%、29日、ケイコ42・3%、PPK40・1%とそれぞれ発表。ケイコ有利となっている。
一方、DATUM社は4月22日、PPK41・1%、ケイコ40・4%と発表した。社によって調査結果は異なるが、「接戦」に変わりない。
リマの観測筋は、「今後、スキャンダルを暴かれた方が負ける」と観ている。また在留邦人社会には、「PPKに勝ってもらった方が社会が平穏になる」との意見がある。
ケイコの政党「人民勢力」(FP)は、4月10日の大統領選挙と同時に実施された国会議員選挙(一院制・定数130)で73議席を獲得している。ケイコの弟で、父親に風貌がよく似ている現職ケンジ・フジモリは最高得票を記録した。
国会で過半数を握るうえに、政権まで取れば、専横的政治になるのではないかと懸念する向きもある。ケイコは、反対票が示す42%もの「反フジモリ」勢力がいるため、最後まで気が抜けない。
PPKは77歳の高齢が泣きどころ。選挙戦の終盤で反フジモリ世論を燃え立たせることができれば、接戦を制する道が開けてくる。
両候補とも経済政策では大差なく、争点は乏しい。貧困大衆の受けが良いケイコには、人民主義(ポプリズモ)がある。