ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は5月17日、スカイプを通じて世界各地のジャーナリストと会見し、今月11日と13日に計2回、殺傷能力を備えた空中警戒管制機(ボーイング703E3型)がベネスエラ領空に侵入した、と発表した。
大統領は、ベネスエラ空軍が2度ともレーダーで探知、緊急発進して領空外に追い出したと明らかにし、「この軍用機は米軍が保有している」と述べた。
マドゥーロはさらに、「ベネスエラはメディア、政治、外交各方面から攻撃されており、過去10年間で最悪の脅威に晒されている」と語った。
また、今回の外国軍用機の侵入は、マドゥーロを敵視するアルバロ・ウリーベ前コロンビア大統領がこのほど、外部からのベネスエラ侵攻計画があることを示唆した事実と符合する、と指摘した。ウリーベはラ米極右勢力の旗頭の一人。
マイアミの米南方軍司令部も最近、ベネスエラ政権打倒工作の進展を断続的に示唆している。米軍はコロンビア、パナマ、ホンジュラス、キューバなどに発信基地を備えている。マドゥーロは、空中警戒管制機がどの方面からベネスエラのどこに侵入したかは明かしていない。
ベネスエラ国内は、マドゥーロ罷免の是非を問う国民投票実施を要求する反政府野党勢力によって撹乱されている。外からは米軍の脅威が始まった。まさに重大な局面に置かれている。
ベネスエラ政府は日本時間17日夕、世界各地のベネスエラ公館を通して、このスカイプ会見に参加するジャーナリストを募った。在日VEN大使館もジャーナりストや組織に働きかけた。スカイプ会見は日本時間18日午前1時に始まった。
▼ラ米短信 ブラジル最高裁判事11人の一人は5月17日、ミシェル・テメル大統領代行(副大統領)に対する弾劾手続き開始を近く正式に提起すると述べた。
ヂウマ・ルセフ大統領が弾劾裁判にかけられる理由と同じ、歳出資金の調達法をめぐる「背任行為」によって。代行政権は12日発足しており、最高裁がどこまで本気で「テメル弾劾」を検討しているのかは定かでない。ルセフ停職決定前にも、テメル弾劾の手続きをする時間はたっぷりあった。