アルヘンティーナ法廷は5月27日、1970年代~80年代に南米軍政6カ国が展開した反政府勢力暗殺共同作戦「コンドル計画」に亜国内で関与した亜国人16人、ウルグアイ人1人の計17人に判決を下した。
亜国軍政(1976~83)最後の非合憲大統領だったレイナルド・ビニョーネ(88)ら2人に禁錮20年の実刑が言い渡された。事実上の終身刑だ。
拉致、拷問、殺害を担当した秘密警察の元幹部ミゲル=アンヘル・フルシ、元陸軍第4軍団司令官サンティアゴ・リベロス、ウルグアイ人元大佐マヌエル・コルデーロの3人に禁錮25年が下された。
コルデーロは、拉致されてきたウルグアイ人政治囚を扱う秘密拘置所「アウトモトーレス・オルレッティ」で拷問、殺害をほしいままにした。ブラジルで逮捕され、2007年亜国に引き渡された。この、ほか禁錮18年1人、13年3人、12年5人、8年1人。2人は無罪だった。
この審理は2013年に始まり、当初容疑者は33人いたが、ホルヘ・ビデーラ元軍政非合憲大統領らが死去、起訴されたのは17人に減っていた。
「コンドル作戦」はニクソン、フォード両米政権で国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャーやCIAの肝煎りで策定され、ブラジル、亜国、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、チレの6カ国軍政が加担した。
犠牲者は106人。ウルグアイ人45、智人22、パラグアイ人15、ボリビア人13、亜国人10、エクアドール1。チレ人にはカルロス・プラッツ元陸軍司令官、ボリビア人にはフアン=ホセ・トーレス元軍政大統領が含まれている。
法廷傍聴席は犠牲者の遺族らで埋め尽くされた。亜国「五月広場の母の会(創設期路線)」のタティー・アルメイダ、亜国詩人の故フアン・ヘルマンの孫マカレーナ・ヘルマンらの姿もあった。
ウルグアイでは、軍政の人道犯罪を裁く意志がウルグアイには欠けて、といる批判する声があらためて大きくなっている。
▼ラ米短信 メヒコの教員養成学校生43人らの強制失踪事件発生から5月26日で1年8カ月経った。学生の家族、友人、教員らはメヒコ市中心部のレフォルマ大通りで抗議行進、検察庁前で特に強く抗議した。
抗議する人々は4班に分かれ、約20カ国の大使館を訪ね、支援を求めた。エル・サルバドール(ES)、クーバ、スペイン、ポルトガル、ドイツ、アイルランド、ウクライナ、ルーマニア、イスラエルなど。ESとスペインの大使館員は面談に応じた。
一方、この事件に関するメヒコ国会特別委員会の議員団は26日、事件当日学生らが乗っていたバスの運行会社「エストゥレージャ・ロハ・デ・スール(南赤星)」を訪れたが、同社は情報提供を拒否した。
エンリケ・ペニャ=ニエト大統領の政府は、連邦政府の事件関与に関する捜査を拒否。このため真相は20カ月経っても未解明のままだ。