ブラジル最高裁は5月5日、エドゥアルド・クーニャ下院議長の議員資格を停止、事実上議長を解任した。クーニャはヂウマ・ルセフ大統領弾劾の中心的推進者だった。クーニャは異議を申し立てると述べた。
最高裁の担当判事テオリ・ザヴァスキは、500万ドル収賄など汚職にまみれたクーニャに下院議長を担う資格はなく、ましてや大統領になる資格はない、と糾弾した。下院議長は、副大統領に次ぐ大統領継承位。
同判事は、「クーニャは下院を商談の場にし、自らの職務を商品に変えた」と扱き下ろした。
ルセフ大統領は、「遅すぎた決定だが、歓迎する。クーニャは昨年12月初め、汚職捜査が及ぶと、報復として弾劾審議を決めた」と語った。
一方、上院弾劾問題特別委員会の書記は4日、上院本会議で弾劾審議すべきだと勧告する報告書をまとめた。報告書は5日採決される。可決されれば、11日にも本会議で採決される。最高裁のクーニャ解任決定はあまりにも土壇場の微妙な時期になされた、極めて政治的な判断だった。
また検察は、ザヴァスキ判事の許可を得たため、ルーラ前大統領とルセフ大統領を、汚職事件捜査妨害の容疑で取り調べることになった。弾劾理由が極めて薄いため、理由を付け足す狙いとも受け取られる。