ベネスエラ国軍と民兵部隊は5月21日、前日からの国防演習「独立2016」を終えた。全国で計51万9000人が参加、主として防衛線構築などに力を入れた。
ニコラース・マドゥーロ大統領は、ブラディミロ・パドゥリーノ国防相に、「非通常型戦争」に勝つ戦略の策定を求めている。国軍と民兵を動員しての「全人民戦争戦略」は、クーバの革命軍および民兵隊に倣っている。
大統領は21日、カラカスにボリビアのエボ・モラレス大統領を迎え、会談した。モラレスは20~21日クーバを公式訪問し、21日ハバナでフィデル・カストロ前議長と会談した後、カラカスに立ち寄った。「我々のフィデルはすっかりお爺さん、老人になってしまったが、依然輝いている」と印象を述べた。
マドゥーロ大統領は内外から退陣圧力をかけられている折から、モラレスのような盟友の来訪はありがたい。マドゥーロは21日、ジャマイカのキングストン入りし、22日首脳会談。同日夜、トゥリニダードトバゴ(TT)のポートオブスペインに到着した。23日首脳会談に臨み帰国する。
カリブ英連邦諸国の中で最も影響力のあるジャマイカとTTへの駆け足の歴訪には、「ベネスエラには国際的連帯がある」ということを示す狙いがある。また国内情勢緊迫の折、外遊する余裕があることを内外に印象付ける狙いもあるだろう。
▼ラ米短信 ペルー北部のピウラ市で5月22日、大統領選挙決選を戦うケイコ・フジモリ(40)、ペドロ=パブロ・クチンスキ(PPK、77)の両候補がテレビ討論会に出演、2時間半に亘り、政策を主張し、攻撃し合った。29日にはリマで2回目が催される。
世論調査会社IPSOSが22日発表した支持率調査では、ケイコ46・1%、PPK41・6%、「未決定など」12・3%だった。「未決定など」を除いて計算すると、ケイコ52・6%、PPK47・4%となる。
エル・コメルシオ紙が15日報じた調査結果では、ケイコ50・2%、PPK49・8%。ケイコが僅差でりーどしているが、接戦であることには変わりない。
ケイコは、反フジモリ勢力から、自陣選対幹部が「過去に麻薬資金洗浄に関係した事実」を暴かれた。終盤戦で持ち出されたこの醜聞にケイコ陣営は打撃を受けている。だが米麻薬捜査局(DEA)は、ケイコは捜査対象でない、と公表している。
決選は6月5日実施される。残り2週間、激戦が続く。