ベネスエラ政府と野党連合MUDは5月27日、ドミニカ共和国(RD)の首都サントドミンゴで危機打開のための話し合いに入った。28日まで話し合う。
これは南米諸国連合(ウナスール)が仲介を委託したホセ=ルイス・ロドリゲス=サパテーロ前スペイン首相、マルティン・トリホス元パナマ大統領、レオネル・フェルナンデス前RD大統領が先にカラカスで下地をつくった結果で、これら3人も話し合いに同席している。
政府側からはデルシー・ロドリゲス外相、カラカス中心部リベルタドール区長ホルヘ・ロドリゲス、国会議員エリーアス・ハウア元外相の3人、MUDからはアルフォンソ・マルキーナら国会議員3人が、それぞれ参加している。
ウナスールのエルネスト・サンペール事務局長(元コロンビア大統領)は26日ローマで、法王フランシスコと会談、ベネスエラ情勢についても話し合った。
チレの首都サンティアゴでは26日、第21回米州キリスト教民主機構(ODCA)会議が始まった。「社会主義インターナショナル」と「キリスト教民主インターナショナル」が合同会議を開き、ベネスエラ情勢を討議する件が中心議題。
アルヘンティーナのスサーナ・マルコーラ外相は27日、パラグアイ外相から、南部共同市場(メルコスール)外相会議を開き、ベネスエラへの「民主条項」適用について話し合いたいとの提案があったことを明らかにした。マルコーラは、メルコスール輪番制議長国ウルグアイの外相にこの件で打診中。
パラグアイでは2012年、フェルナンド・ルーゴ大統領が、農村部での殺傷事件をでっちあげられ国会で一方的に弾劾されて解任された「国会クーデター」が発生。その直後にメルコスールから「民主条項」を適用され、加盟資格を一定期間、停止された。これを屈辱とする同国は今、ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領の孤立化を図ろうとしているわけだ。
スペインでは、右翼のマリアーノ・ラホーイ首相が27日、国家安全保障会議を開き、ベネスエラ情勢について討議した。「ベネスエラ在住スペイン人20万人の安全保障」が名目的議題とされている。
マドゥーロ大統領は、北大西洋条約機構(OTAN・NATO)と米国はベネスエラ介入を正当化する口実を探っているが、ラホーイとヘンリー・ラモス(ベネスエラ国会議長)がそれを煽っている、と非難している。
一方、ベネスエラが盟主のカリブ連帯石油機構(ペトロカリーベ、17カ国)は27日カラカスで、第16回閣僚会議を開き、域内で天然ガスを供給する合弁会社を設立する件について話し合った。また、「ペトロカリーベ経済地域」(ZEP)創設構想も話し合われた。
▼ラ米短信 ペルー大統領選挙決選(6月3日)の支持率調査結果が5月27日新たに発表された。GFK社はケイコ・フジモリ(41)52・2%、ペドロ=パブロ・クチンスキ(PPK、77)47・8%。DATUM社は、ケイコ52・9%、PPK47・1%だった。
ケイコは北部、東部(アマゾニア、アンデス高地)、リマ首都圏で強く、PPKは中部と南部で強い。