アルヘンティーナ司法当局は5月13日、クリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル(CFK)前大統領ら15人を、米ドル先物取引での不正行為による背任行為容疑で起訴した。
CFK政権下の昨年9月、CFKは相場より安くドルを売るよう指示し、国庫に1億ドル余りの損害を与えた疑い。当時の経済相アクセル・キシロフ(現下院議員)、同中央銀行総裁アレハンドロ・バノリほか、元高官ら。法廷は各被告の資産100万ドルずつを差し押さえた。
マクリ現政権の与党カンビエモス(変革しよう)が告訴していた。マクリ大統領のペロン派潰し戦略の一環であり、ルセフ伯大統領停職処分の起訴は、亜伯両国の保守・右翼勢力と財界が連動していることを示す。
一方、起訴されたCFKは13日、マクリ政権が発足直後の12月16日、通貨ペソを34%切り下げた際、その情報を握っていた同政権閣僚らがインサイダー操作で不正に儲けたと非難した。
▼ラ米短信 ブラジルのミシェル・テメル大統領代行は5月13日、「(年末に暫定大統領に就任するとしても)任期2年では奇蹟は起こせない」と述べるとともに、エンリケ・メイヘレス蔵相には経済調整を自由裁量で実行するよう伝えてある、と語った。
メイへレスはまだ政策を発表していないが、13日、年金受給年齢を定める方針を明らかにした。早期退職・受給を規制して財政負担を軽減させる狙いだ。
一方、外務省は13日、今回の政変をゴルペ(クーデター)などと糾弾したり厳しく批判したりしたベネスエラ、クーバ、ボリビア、エクアドール、ニカラグアの5カ国政府に反駁。同じく、南米諸国連合(ウナスール)事務局長エルネスト・サンペール(元コロンビア大統領)と、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)に反論した。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は駐伯大使を召還、対伯関係練り直しで協議している。同大統領は、ルセフ大統領弾劾の動きをゴルペと断言、ウナスール諸国に「熟慮」を呼び掛けている。